梅毒の自覚症状がないから感染してない?無症候梅毒について

梅毒の自覚症状がないときには?

「梅毒の感染者と性行為をしてしまったかもしれない」「梅毒に感染したかもしれない」といった不安を抱える人は少なくありません。

近年、梅毒感染患者は増加しており、感染の機会も増えています。

感染を疑っているのに、何も自覚症状が発症していなければ大丈夫と考えてしまいがちです。しかし、梅毒は感染していても自覚症状がわかりづらく、無症状のまま進行していくことがあります。

ここでは、梅毒に感染していても症状が発症しない無症候梅毒など、自覚症状がない時にも血液検査を受けた方がいいのかについて詳しく説明しています。

感染に気付かないケースはあるのか?

梅毒は、感染してから3ヶ月間の
第1期にはほとんど自覚症状が表れないことから、感染初期の第1期では感染していても
気付かないケースが多くあります。

第2期まで進行するとバラ疹や丘疹などの目に見える皮膚の症状が発症してきます。
また、発熱、倦怠感などの全身症状も起こってくるので、
第2期に感染に気が付く人が多いとされています。

※現代では、梅毒感染者でも第3期以降の患者は第2期患者に比べると格段に少ない比率です。

梅毒感染に気付かないと起こる様々な問題

ここでは梅毒感染に気が付かないことで起こる問題について説明していきます。

自らが感染源に……

梅毒感染している場合でも、その感染に気付いていなければ自らが感染源となり、梅毒を第三者にうつしてしまう可能性があります。

母子感染ということも

梅毒に感染した女性が治療を受けずに妊娠・出産した場合には、生まれてくる赤ちゃんに梅毒が母子感染してしまう危険性があります。赤ちゃんは『先天性梅毒』を発症してしまうことになり、生まれながらにして梅毒感染するという結果にもなりかねません。

※日本では、妊娠初期の妊婦健診で梅毒抗体検査を受けることが決められています。

無症状の場合がある?

梅毒に感染していても無症状のケースがありますが、これを『無症候梅毒』といいます。

無症候梅毒とは

無症状の梅毒は、無症候梅毒といい、皮膚や粘膜などの部位に症状が発症していなくても、血液検査では梅毒の血清反応が陽性となっている状態のことを指します。梅毒は、症状が発症している時期無症候梅毒の時期を繰り返しながら病期を進行させていき、症状が出ていない時期でも体内では病原菌である梅毒トレポネーマが増殖し続けています。

無症候梅毒の時期は?

梅毒感染後の主な無症候梅毒の時期は、

  1. 感染直後から第1期までのしこりや初期硬結などの症状が発生するまでの潜伏期間
  2. 第1期から第2期にさしかかる移行期
  3. 第2期で発症した発疹などの症状がなくなった後数年

を指します。

陳旧性梅毒とは

陳旧性梅毒とは、以前に梅毒にかかり完治後も梅毒の抗体が体内に一生残ることから、完治後の血液検査によって梅毒の陽性反応が出てしまう状態のことをいいます。

陳旧性梅毒は完治後の梅毒陽性反応なので、梅毒感染患者という認識ではありません。

ある症例の発表が

無症候梅毒は、体内で病原体である梅毒トレポネーマが増殖しているので、治療を必要とします。しかし、ごく稀に無症候状態のまま、梅毒が自然治癒されてしまっているというケースが国立感染症情報センターによって発表されました。

大半の患者は無症候梅毒で終始し自然治癒していると考えられている。また、 顕症梅毒においても自然治癒があると考えられるが、 正確な統計はない。

出典:国立感染症研究所ホームページ

正確な統計が無いと書かれている以上、梅毒が自然治癒することはほとんどあり得ないと考えてください。

患者数は全体の3割にも

無症候梅毒は梅毒患者全体の中でも非常に多くなっています。

日本性感染症学会が発表した「性感染症 診断・治療 ガイドライ2016」の中では、梅毒感染者報告の病型を1期・2期・晩期・先天性、そして無症候者の5種類に分類してその数を発表しています。その中でも、無症候者の報告は男女合計で約3割にものぼります。

無症状梅毒の場合の治療方法

無症候梅毒の状態でも、カルジオリピンを抗原とする梅毒の検査で定量値が16倍以上の時は、治療法を行うことが推奨されています。

症状が発症していないため、病期の判定が難しくなりますが一般的には、感染した時期を特定し、その時期から計算した病期によって抗生物質の服用期間を医師が判断していきます。

梅毒の治療期間についてはこちらの記事に詳しく説明しています。
梅毒の治療期間ってどのくらい?完治までの治療日数ついて解説します。

こんなケースは検査に行った方がいい

梅毒に感染したかもしれないと不安に思う方は検査を受けることがベストですが、以下の場合にも病院・クリニックなどの医療機関への受診をしてください。

感染が疑われる部位にしこりができた

感染部位のしこりは、第1期に現れる症状です。しかし、痛みを伴わないこともあるため見逃してしまいがちに。また、にきびや吹き出物と違い違和感が無く、しこりだけが発生するような症状を見つけたら要注意です。

しこりの表面がただれたら…

第1期で表れる痛みを伴わない小豆粒程の硬いしこりは、表面がただれるような姿に変わっていく特徴があります。この症状を初期硬結といい、同時にリンパ節の腫れが発症することもあります。

赤い発疹ができたが、この症状が無くなった

第2期になると、感染部位だけでなく全身に、赤いバラの花びらのような発疹(バラ疹)や隆起がある発疹(皮疹)が発症します。この症状は、一定期間現れた後、自然に消失していきます。もし、症状が現れ気付いたら消えてしまった、という時には第2期の梅毒を疑います。

丘疹が潰瘍になり分泌物が!

性器周辺や脇の下(腋窩)など、湿度の高い部位に盛り上がった丘疹が発症する症状が起こります。この丘疹を扁平コンジローマといい、他の性病だと思い込んでいると、梅毒の症状が進行していきます。

扁平コンジローマは感染率が高まるので要注意

また、この扁平コンジローマから分泌される分泌液には梅毒の原因菌でもある梅毒トレポネーマが数多く含まれているため、感染力が非常に強くなっている時期になります。

重複感染の恐れも!

梅毒の感染を疑う時には、梅毒だけではなく他の性感染症にも重複感染している感染確率が高まります。何故なら、梅毒を始めとする性感染症の感染経路は似通っているからです。

医療機関での検査方法の他に、郵送での性病検査キットでも複数の性病検査を行えるようになっているのも重複感染を早期発見するためです。

特に注意したいHIV感染症

特に、梅毒と重複感染しやすい感染症がHIV感染症です。梅毒の感染が疑われる場合には、同時に検査を受けるか、ウインドーピリオドが長いHIV抗原・抗体検査を改めて受けることが重要です。

まとめ

「梅毒の感染が疑わしいけど、何も症状が発症していないから、大丈夫」
このような考え方は避けた方が良いことがわかりました。

梅毒は症状が発症しても第1期では分かりづらく、無症候梅毒という期間があり、徐々に進行していきます。何か疑わしいことや、不安に感じることがある場合には、病院・クリニックなどの医療機関で、専門家である医師に相談してください。受診する診療科は、男性の場合は泌尿器科・女性の場合は婦人科の他に、皮膚科・性病科で、梅毒治療には、専門性の高い性病科がおすすめです。

検査に踏み切る勇気が治療期間を短くし、自分が感染源になることを防いでくれます。

まずは専門医に相談を

新宿駅前クリニックでは、皮膚科・内科・耳鼻科・泌尿器科を併設しており、平日夜19時まで診療を行っている専門の医療機関です。

メディア・記事の監修ドクター:新宿駅前クリニック院長 蓮池林太郎