梅毒はキスでうつるの?感染する条件や仕組みを徹底解説

梅毒の感染

「梅毒はキスでも感染する」という話を耳にしたことはありませんか。

正確には、梅毒の進行の度合いによって、キスによって感染する可能性もゼロではありません。最近では、梅毒は古い病気と考えられているかもしれませんが、感染者数はまだまだ多く若い世代では感染拡大しているとされています。
そこで気になるのが梅毒の感染経路について。何をしたら感染するのか、どんな症状が出るのか気になりますよね。

ここでは、梅毒について感染経路、症状、検査、治療を解説し、梅毒の感染の仕組みについて詳しくご紹介していきたいと思います。

梅毒って何?

梅毒は梅毒トレポネーマという細菌の感染によって、初期には外性器、進行すると全身に丘疹(盛り上がった皮疹)や潰瘍(皮膚が剥がれてただれた状態)を形成する性感染症(STD)です。
感染後、2~4週間の潜伏期間を経て、亀頭、冠状溝(カリ)、包皮、唇などに硬い丘疹が出現します。この丘疹は徐々にただれて潰瘍化していきますが、3週間ほどで自然に消失します。丘疹や潰瘍はかゆみや痛みを伴わないため、気付かないまま経過することも珍しくありません。
ここまでの状態を梅毒の第1期と呼びます。皮疹が消えても完治したわけではなく、足の付け根にあるリンパ節内でじわじわと増殖を続けます。

感染から3ヶ月ほどすると第二期に

感染から3ヶ月ほど経過すると第2期に分類されます。リンパ節で増殖した梅毒トレポネーマが血液を介して全身に広がります。微熱や倦怠感とともにバラ疹(5mm~2cm大のピンク色の皮疹)が手のひらを中心に全身に現れます。

バラ疹は数日で消えますが、2~3週間後に胸やお腹、背中などの体幹を中心にして5mm~1cm大の丘疹が多発します。その他、肛門周囲、外陰部、腋の下などに鶏冠のようにいくつもの隆起した皮疹が集まって生じる扁平コンジロームが見られたり、口の粘膜に白い病変が生じたり、扁桃炎や脱毛など、さまざまな症状が現れます。これらの皮疹には自覚症状がなく、次第に改善はしていきますが、数ヶ月おきに繰り返し発症します。

現代でこそ減少し始めた第3・4期の症状について

感染後3~10年は第3期と分類されます。固い赤褐色のイボが顔に多発し、数ヶ月で消えていきますが、その際傷痕を残します。

第4期になり、感染から10年ほど経過すると皮疹は見られなくなります。梅毒が血管や神経を標的にするようになり、心筋炎や大動脈瘤(大動脈の一部が袋状に膨れ上がる)、進行麻痺(脳に障害が起こることによって、身体全体の麻痺や認知症が生じる)などの症状が現れます。

血液検査で感染の有無を確認する

検査は血液検査による抗原、抗体の測定です。体内に梅毒トレポネーマという病原体が侵入すると、カルジオリピンという物質が放出されます。

検査内容についてはこちらでご紹介しています。
梅毒の血液検査ってなにがあるの!?2種類の方法と内容について

血液検査では梅毒トレポネーマそのものを調べるTPHAと、梅毒の感染に伴って増加したカルジオリピンに対する抗体を調べるSTS法があります。梅毒トレポネーマが検出域に達するまで増加するためには時間がかかるため、STS陰性、TPHA陰性の場合は非感染、STS陽性、TPHA陰性の場合は感染初期、STS陽性、TPHA陽性の場合は感染状態と判断します。
治療は抗生物質の内服です。薬の濃度を一定期間維持する必要があるため、
1日4回の内服を28日間続けます。

梅毒の治療はペニシリンで行うのですが、下記記事では実際の治療方法や副作用、いつまでに治療すべきか、アレルギーがある方はどうすればいいかなども含めて詳しく解説しています。
梅毒の治療は薬物療法!ペニシリンについてまとめました。

梅毒の感染経路

感染経路は接触感染や女性では子宮内感染、授乳による母子感染、輸血感染などがあります。

子宮内感染はお腹の中にいるうちに感染し、赤ちゃんが生まれつき梅毒に感染している状態です。接触感染は、菌が大量に存在する場所に触れ、指先などにある傷口から侵入したり、気付かずにその手で食事をしたりして、体内に取り込んでしまうことで感染してしまいます。
3期以降になると感染力はほとんどないといえますが、1~2期では感染力が強く、特に皮疹の中には大量のウイルスが充満しています。

接触感染の中でも主な感染源となるのが性的行為であり、コンドームを着用しないでいると容易に感染が広がっていきます。ただし、コンドームの着用の有無に留まらず、病変のある外性器に対する愛撫オーラルセックス
口の中に病変があればキスによっても感染する可能性はゼロではありません。

気をつければいけない行為

梅毒は感染者の報告が近年増加していることが問題になっています。
特に梅毒で生じる皮疹にはかゆみや痛みなどを伴わないため、感染している本人が気付いていないことがあります。
また、性行為中のコンドーム着用だけでは予防しきれないこともあり、不特定多数の相手との性行為や性風俗店の利用は感染リスクが高いので、非常に危険です。

梅毒の症状は潜伏期間が長く、出現する皮疹は自然に消退します。しかし、その間も菌の増殖は続いています。皮膚に異常が生じたら、たとえ自然に治癒しても放置せず、梅毒の可能性があるということを見落とさないことがポイントです。

梅毒とHIVとの関係性について

HIV患者は梅毒との重複感染が多いことで知られています。感染ルートとして、HIVは性交渉だけでなく、血液を介しても感染します。梅毒は全身に潰瘍ができることで傷口ができやすく、HIVに感染する機会、つまり感染率が高くなります。HIVは免疫力を担う細胞の1つであるTリンパ球に感染し、免疫細胞を破壊します。

このため、免疫力が著しく低下し、健康な人ではかからないような病原性の弱い病気の感染確率が高くなり、感染症の進行が早くなってしまいます。梅毒は通常、長い年月をかけてじわじわと進行する病気ですが、HIVと重複感染している場合には、数ヶ月程度と、急速に進行していき早期から神経障害がみられることがあります。

まとめ

梅毒は外性器のみにとどまらず全身に丘疹や潰瘍を形成する性行為感染します。
初期は小さなイボができて潰れ、自然に治っていくだけので、かゆみや痛みは伴いません。そのため、気付かなかったり、放置してしまう方が少なくありません。しかし、症状が出ない期間であっても菌は増殖をし続け、強い感染力をもっています。

進行すると、血管や神経が障害され、日常生活に多大な影響を与える可能性がある、恐ろしい疾患です。外性器周辺の異常に気付いたら早期に性感染症科・性病科などを受診し、パートナーへうつさないよう、うつされないよう、お互いに注意することが、感染に対する危険性を避けるための重要なポイントとなっています。

まずは専門医に相談を

新宿駅前クリニックでは、皮膚科・内科・耳鼻科・泌尿器科を併設しており、平日夜19時まで診療を行っている専門の医療機関です。

メディア・記事の監修ドクター:新宿駅前クリニック院長 蓮池林太郎