梅毒が大流行!感染者数の統計からわかることとは

梅毒の流行について解説

近年、爆発的に増加している梅毒の感染者数。

かつて日本で流行した当時は、治らない病気と言われてきた梅毒ですが、医学が発達するにつれて、その感染者数も減少し、完治する感染症になってきました。

しかし、10年ほど前から日本国内で梅毒の感染者数が増加傾向にあります。

ここでは、増え続ける梅毒の感染者数について、厚生労働省の発表した動向データをもとに年齢や性別などに分類し、考察していきます。

10年前に比べると感染者数は約7倍

平成28年までの感染者数総推移

参照:「厚生労働省 性感染症報告数」(http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/04/tp0411-1.html)を加工して作成
上のグラフは厚生労働省の梅毒の感染者報告数を参考にグラフ化したものです。

平成18年の段階では、国内で報告された梅毒感染者の数は総数で637人でした。ところが、その10年後、平成28年には総数4,559人となり約7倍の数まで増加。

梅毒の感染者が4,000人を超えるという報告は、1974年以来、実に42年ぶりで厚生労働省を始め、各研究所、医療機関が感染への注意を呼び掛けています。

平成25年から増加傾向

梅毒の感染者が著しく増加したのは、平成25年頃からです。平成25年には約1600人程度だった感染者が、翌年には約2600人にも増加しています。このように、10年で劇的に数を増やした梅毒の感染者数ですが、増加の原因ははっきりと解明されていません。

男女比では男性の感染者数が多い!?

梅毒感染者数を男女別に見た時にはどのような特徴が挙げられるでしょうか。

梅毒感染者数の男女比率を比べてみると、例年男性の方が報告数は多い傾向にあります。
しかし、感染者数の伸び率を比較した時には男性よりも女性の方がその割合を増やしています。

平成28年までの男女別感染者数推移

参照:「厚生労働省 性感染症報告数」(http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/04/tp0411-1.html)を加工して作成

上の表は、厚生労働省の梅毒感染者報告数をまとめたものです。

この表を見ると、平成27年度では男性の感染者数は1930名、女性の感染者数は760名と報告されています。
数字だけをみると、「男性の感染者数が多い」と感じます。

では、平成28年度の感染者を見てみましょう。
平成28年度では、男性が3174名、女性が1385名となっています。この1年で男性の感染者が約1.6倍増えたのに比べ、女性は約1.8倍も感染者数が増加しています。

女性の感染者増加率に注目

平成25年度と平成28年度を比べると、男性は約3倍程度感染者数が増加しています。一方、女性は5倍も感染者数が増加。

このことから、総数は男性の方が多くても、伸び率は女性の方が圧倒的に多いことが伺えます。

なぜ梅毒感染の伸び率が女性の方が高くなっているのでしょうか。残念ながら現状、女性に梅毒が急増している原因については、具体的な理由が発見されてはいません。
一説では、海外観光客の増加を伴い、風俗業界で梅毒が広がりつつあるとも言われていますが、確実にそれが原因と言えるわけではないようです。

20代の感染者が多い

平成28までの年齢別感染者数推移

参照:「厚生労働省 性感染症報告数」(http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/04/tp0411-1.html)を加工して作成

続いて、性感染症報告数を、10代から60代以上までの年代別にまとめました。

梅毒が急増した平成25年から見てみると、30代~60代の増加割合は3倍~4倍程度となっています。しかし、20代の増加率は約5倍と、他の年代よりも突出して感染者の数が増加していることが伺えます。

若者に増加している理由は?

なぜ20代を中心に増加しているのかというのも、まだ具体的な理由は発見されていません。

しかし、現代社会において性行為に及ぶ年齢が、昔よりも比較的若くなっている点と、男女間だけではなく同性間の恋愛なども一般化してきているといった点が、若者たちの間に起こる性的な接触を増やし、感染の確立を上昇させているのではないかとされています。

他の性病との感染者数を比較すると

平成28年までの梅毒以外の感染者数推移

参照:「厚生労働省 性感染症報告数」(http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/04/tp0411-1.html)を加工して作成

梅毒以外の性感染症の感染数については増加しているのでしょうか。

厚生労働省では、梅毒以外にも主な性感染症の動向データを公開しています。上の図はそのデータをもとにグラフ化したものです。

意外なことに梅毒以の性感染症は、10年前と比較するとほぼ数が変わらないか、2割~3割程度減少しているという結果が出ています。

性感染症はどれも比較的感染経路が似通っているため、性風俗店などの影響が強ければ、梅毒のように他の性感染症も増加する確率の方が高いはず。
しかし、性感染症の感染数が減少しているということは、結果として梅毒の増加の原因が他にあるということになります。

梅毒感染者把握の仕組み

厚生労働省は、梅毒を始め様々な感染症の統計データを発表していますが、全国に多数存在する病院やクリニックの受診者から感染症の数や種類、その年代、性別の傾向を調査するのは非常に困難です。

厚生労働省の作る統計データは、感染症法に基づいた医師の届け出によってまとめられ作成されています。
例えば梅毒の場合、医師は梅毒の臨床的特徴を持った患者を診察し、梅毒患者であると判断した場合には7日間以内に、感染症法第12条第1項の規定による届け出を行わなければなりません。

国が発表する梅毒の統計データやグラフはこの届け出から集計され、まとめられています。

まとめ

梅毒は10年前と比べると7倍もの感染者数が確認され、再び大流行する兆しを見せています。

その中でも、特に多い20代、そして女性の感染者です。特に若い世代は、梅毒の症状について知識が少なく、検査が遅れてしまう傾向にあるため、感染拡大を防ぐにはまず梅毒の症状や、どのように進行していくのかを知っておくことが大切です。

梅毒について予備知識を持ち、少しでも不調を感じた時には、病院・クリニックなどの医療期間で血液検査をしてもらうようにしてください。早期発見・早期検査で適切な治療方法を行うことが、梅毒の感染拡大を防ぐ方法になります。

梅毒の初期症状についてはこちらをご参照ください。
梅毒の初期症状とは?気になる特徴について

梅毒の検査についてはこちらの記事に正しい検査期間を説明しているので、ご参照ください。
梅毒の検査はすぐできない!必要な期間と判定方法とは

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