梅毒の初期硬結とは?注意点や症状について解説します。

梅毒の初期硬結に気づいて診察

性感染症によって引き起こされる「梅毒」という病気は、近年感染者数が増加傾向にあります。

梅毒は発症してからその症状の経過ごとに、大きく分けて第1〜4期の4つに分類されます。早期の症状は軽く、出現する症状は病期の段階的に重くなりますが、梅毒は放置しておくと命の危険にも関わる怖い病気です。

こちらでは梅毒の初期症状として現れる「初期硬結」について、その症状や発症時期、発生部位などをそれぞれ解説していきます。

初期硬結とは

梅毒で起こる「初期硬結」とは一体どのようなものなのでしょうか?

症状や特徴について

感染部位に小豆大から指先ぐらいの大きさの硬いしこりができます。これは痛みなどを伴わないことが多く、触れるとコリコリした感触であるのが特徴的です。

硬性下疳との関連性

初期硬結は中心部に潰瘍(ただれ)を形成して、時には膿のようなものを排出します。これを「硬性下疳(こうせいげかん)」といいます。
こちらも初期硬結と同様に痛みを伴わないものが多く、症状がでている部位の近くのリンパ節が腫れたりしますが、その症状は2〜3週間程度で治まることがほとんどです。

しかし、治療を受けていない場合、初期硬結や硬性下疳が無くなったとしても完全に治癒したことにはなりません。

身体のどこにできるのか?

初期硬結や硬性下疳ができる部位について解説します。
これらは男性と女性によってできる箇所が違うのでそれぞれ説明していきます。

男性の場合

 
性行為による性感染症であるため、性器を中心にして症状が現れるのが一般的です。男性の場合はペニスの亀頭部や包皮・玉袋などに現れることが多いです。

女性の場合

女性の場合も性器周辺に現れるのが一般的です。特に大小の陰唇や子宮頸部などの膣の中にも現れるのが特徴的で、膣の中は目には見えないため、気付かないことがあります

男女共通の発症部位

オーラルセックスやアナルセックスでも感染する可能性があるため、男女共有の発生部位として、口唇、舌、手指、肛門や直腸などにも症状が現れることがあります。

いつ症状がでるのか?

初期硬結は梅毒に感染してから3ヶ月以内の第一期に起こる症状として知られています。

梅毒は感染したと思われる日から、平均3~4週間程度で発症するといわれています。初期硬結は、潜伏期間が終わる3週間から3ヶ月程度の間に見られるので、これらの症状が発現したら医療機関を受診することをお勧めします。

初期硬結に触れたら感染するのか

初期硬結は梅毒に感染して起きる症状ですが、初期硬結自体に触れても感染を起こすことはありません。発症部位に触れて感染する危険性が高いのは、表面がただれた状態になる硬性下疳の状態の時期です。

硬性下疳は表面がただれた状態になっており、その表面に付着している分泌物には梅毒トレポネーマが存在しています。その部位(分泌物)に触れることで手の表面に病原体が付着し、身体の粘膜などに触れることで体内に病原体が入り、感染してしまいます。

主に性交渉で感染していく

梅毒は性感染症(STD)の一つです。梅毒トレポネーマという病原菌が性行為によって性器などを介して感染することが多くなっています。

オーラルセックスやアナルセックスなどでも感染するため、性器や口、直腸などあらゆる皮膚・粘膜に感染する危険性があります。
さらには、性感染などの皮膚や粘膜を通した感染以外にも、妊娠している時に胎盤を通して母子間で感染してしまう母子感染もあります。ほかにも傷口などを感染経路として感染する場合もあります。

早期治療・早期発見のためには何を知っておくべきか

まずは感染する経路と梅毒にかかってしまった場合の症状について理解しておくことが大事です。

梅毒の感染経路は性行為による感染がほとんどで、初期では性器を中心に症状が発現します。特徴的な初期の症状としては、感染部位に小豆大のしこりができる「初期硬結」が起こります。触れたとしても直接感染する可能性は高くありませんが 、その間も梅毒トレポネーマは体に存在し感染力があることを忘れてはいけません。

2期目になるとバラ疹や丘疹性梅毒症などの症状が出始めるため、この時期に感染したことを自覚するケースが多くなっています。1期目の症状は、自覚症状から梅毒に感染していると気づきづらいですが、どのような症状があるかを知り、感染が疑われる性行為があった場合、検査するようにしてください。

検査するタイミングに気をつけて

梅毒は早期発見と早期治療が大切です。早期発見のためには、感染が疑われる時期を明確にするよう心がけてください。梅毒には、感染直後に検査を受けても正しく検査結果が出ない時期であるウインドーピリオドと呼ばれる期間があります。
検査を受ける際にはウインドーピリオドを考慮し、専門家である医師に相談・受診することが重要です。

梅毒かどうか検査する方法やウインドーピリオドについて解説している記事はこちら
梅毒の検査はすぐできない!必要な期間と判定方法とは

まとめ

昔は治療できなかった性感染症である「梅毒」ですが、現代はペニシリンによる薬物療法という治療法で正しい期間治療を行えば完治する病気です。
梅毒の初期症状は、小さなしこりなどの皮膚病変 であり、痛みやかゆみなどを伴わないことがほとんどです。さらに初期の症状は自然に消退・消失することから、治ったと勘違いし適切な治療を行わない方や検査を受けない方が多くなっています。

放置してしまうと、治療期間が長くなったり完治することが難しくなるため、しっかりと医療機関を受診し、専門の医師の指示のもと適切な治療を受けてください。

まずは専門医に相談を

新宿駅前クリニックでは、皮膚科・内科・耳鼻科・泌尿器科を併設しており、平日夜19時まで診療を行っている専門の医療機関です。

メディア・記事の監修ドクター:新宿駅前クリニック院長 蓮池林太郎