梅毒の初期症状とは?気になる特徴について

梅毒の症状

梅毒は昔の病気と考えている人が多いのではないでしょうか。
日本では最近、梅毒の感染者数が増加していることをご存知ない人も多いかもしれません。
ニュースにもなった梅毒患者の急増は、特に性交渉が盛んな若い世代に見られているという現状です。気づかないうちに梅毒に感染し放置してしまうことが梅毒を流行らせている原因かもしれません。
ここでは、梅毒の初期症状について、特徴などを詳しく説明していきます。

増加傾向が一番の性病の1つ

梅毒は性行為によって感染する、性感染症(STD)です。
性交渉にはあらゆる性行為(アナルセックス・オーラルセックスなど)が含まれます。感染経路は性交渉だけではなく、梅毒にかかった女性から感染する母子感染や輸血や臓器移植などで感染する血液感染があります。

主に性行為で感染する

梅毒の原因である病原体、梅毒トレポネーマは乾燥や温度変化に弱く、人間の体内から離れる・体外に排出されると感染力が失われることで知られています。
梅毒トレポネーマは人間の粘膜や皮膚に潜んでいることから、主に性行為によって感染します。粘膜を通してキスで感染する可能性もあります。

梅毒のキスによる感染の危険性についてはこちらの記事を参考にしてください。

梅毒の症状の進行は第4期に分けられる

梅毒は病気の進行度を第1~第4期に分けています。
このうちの第1期から第2期を「初期梅毒」、第3期から第4期を「晩期梅毒」といいます。
第1~2期を初期梅毒とはいいますが、初期症状は第1期のうちにあらわれるので、第1期のうちに医療機関で診断を受け、適した治療薬(抗生物質)などによる治療方法を受けることが大切になってきます。

第1期は3ヶ月まで

感染後1週間から3ヶ月の梅毒を第1期としています。
感染してから潜伏期間が長く、初期症状が出る時期は感染後平均して約3~4週間とされています。

男性は陰茎に「しこり」があらわれる

感染後およそ3~4週間で「初期硬結(しょきこうけつ)」というしこりが感染部位にできます。
しこりがあらわれる部位は、多くの場合は陰茎(亀頭・包皮・環状溝)で、口唇などにも出ることがあります。その他の部位として、肛門・口腔内(口の中)・のどにあらわれることがあります。しこりの硬さは軟骨の硬さと似ています。
しこりに痛みはなく、大きさは小豆ほどからそら豆程度です。見た目の特徴として、赤色や茶色に近い色調で隆起が見られます。

やがてしこりが破け、ただれた状態の潰瘍(かいよう)になり、「硬性下疳(こうせいげかん)」に移行していきます。この硬性下疳にも痛みはほとんど伴いません。

同時に引き起こる、気づきづらい症状

また、「梅毒性リンパ節炎」といわれるリンパ節の腫れがあらわれます。
腫れる部位は、脚の付け根(内股)のリンパ節で腫れても痛みはなく無痛性のリンパ節腫脹となります。

女性の場合は、気づきづらい部位に好発する

症状の進み方は女性の症状も男性の場合と同じですが、初期硬結や硬性下疳が好発する部位に違いがでます。
女性の場合、しこりができる部位は大陰唇・小陰唇(まれに膣内)に多く、他は口唇・肛門・口腔内・のどにあらわれることもあります。

女性の場合に注意したいこととして、身体の形状から女性器は自分では見づらいため、発見が遅れてしまうことがあります。
初期硬結も硬性下疳も痛みを伴わないことから気付きづらく、第1期での自覚症状は、脚の付け根のリンパ節腫脹のみということも多いです。このリンパ節腫脹も痛みが無いので、見過ごされることが多くあるため、注意が必要です。

要注意!自然治癒はしない

ここまでご紹介してきた症状である、初期硬結・硬性下疳・梅毒性リンパ節炎は症状の出現からおよそ3週間で自然と消失していきます。
治療法をしていなくても放置しているだけで、自然消滅していくのです。このことから多くの人が「自然治癒した」と勘違いしてしまいます。
しかし、梅毒は自然治癒する病気ではありません。 この症状の消失が梅毒の怖さかもしれません。

検査は感染が疑われた日から4週間後が最適?

検査を受けるタイミングはできるだけ早い段階がいいといえます。梅毒を検査するのは血液検査で、検査方法としてSTS検査(梅毒血清反応検査)やTP抗原法が挙げられます。
しかし、感染の可能性があった日からすぐに検査できるものではありません。梅毒は検査ができる抗体が体内にできるまで、およそ4週間かかるからです。
つまり、感染の可能性があった日から約1ヶ月後の検査が有効となっています。

検査を受けるタイミングについてはこちらで詳しく解説しています。

目には見えない潜伏期間

初期症状の出現から消失後のおよそ3ヶ月間を第1期といいます。
症状が消失しても体内で梅毒の原因、病原体である梅毒トレポネーマは存在しています。第2期の症状が出現するまでの期間は「潜伏期間」ということです。
この時期には、ご紹介してきた初期硬結や硬性下疳、リンパ節腫脹が消えていることから、外見上は梅毒である症状が見えないので診断がされにくいことがあります。

病期は進行していき、第2期へ

感染後3ヶ月を経過し第2期に入っていくと、梅毒トレポネーマは血液によって全身に巡ることから全身的な症状をひき起します。全身的症状として特徴的なものに、「バラ疹」があります。
バラ疹とは、1~2cm程の赤色や赤紫色の発疹で全身(顔・首・背中・腹など)の皮膚や粘膜にできます。この丘疹がバラの花びらを散らしたように見えることから、バラ疹といわれています。
この他、頭痛、関節痛、発熱などの全身症状もでます。

まとめ

梅毒の初期症状がでた際のポイント

・症状が4段階あり、初期段階で治療を受けたほうがよい
・自然治癒する病気ではないので、ちゃんと治療を受ける必要がある
・感染が疑われてから、4週間経過しないと検査を受けても、正確な検査が難しい

梅毒は進行し晩期梅毒になってしまうと有効であった薬剤が効きにくく難治化し、治療期間も長くかかるようになります。また、進行していくに連れ症状がひどくなり、特徴的なゴム腫や神経症状、また重要な臓器への影響もでてきます。HIV感染症などとの重複感染の危険性も高いことから、放置してはいけない病気だということを知っておいてください。

まずは専門医に相談を

新宿駅前クリニックでは、皮膚科・内科・耳鼻科・泌尿器科を併設しており、平日夜19時まで診療を行っている専門の医療機関です。

メディア・記事の監修ドクター:新宿駅前クリニック院長 蓮池林太郎