梅毒の検査で陽性が出た時に知っておきたい5つのこと

梅毒の血液検査で陽性かどうかを確認している最中

梅毒の血液検査を受けて結果を受け取った際、どんなことが書かれているのか、ある程度把握しておきたいと思う人も多いのではないでしょうか。

梅毒の血液検査の数値(項目)は専門的なものが多く、素人では読み解くことが難しい場合もあります。ですが、いくつかの数値によって判断できることもあります。

ここでは基本的な検査結果の見方を紹介し、陽性反応が出た場合や、完治させたはずなのに陽性反応がプラスになってしまう場合など、陽性に関するさまざまなことを見ていきます。

検査結果が陽性の場合、結論感染しているということ

梅毒は感染性の性感染症です。
梅毒に感染しているかどうかを調べる検査は、大きく分けて2つの方法があります。

STS検査

1つ目は、カルジオリピン・レシチンと呼ばれる脂質抗原への抗体検査がSTS検査という方法です。

脂質抗原に対する抗体は、感染していない人の体内にも存在しますが梅毒感染者は、この値が高く示されるようになります。このSTS検査は、感染後から3週間~6週間程度で検査が可能となります。

TP抗原法

2つ目は、梅毒の原因菌である病原体・梅毒トレポネーマに対する抗体を調べる抗原検査をTP抗原法と呼ばれる検査です。
梅毒トレポネーマに対する抗体は感染後、約3ヶ月で検査可能となります。

2つの検査を組み合わせる

梅毒の血液検査は2つの検査方法を使用し、梅毒感染の陽性か陰性かを判断します。

STS検査で調べる脂質抗原への抗体は、梅毒トレポネーマに対する抗体よりも早く体内に発生するため梅毒の早期検査に使用されています。

しかし、STS法だけを行った場合、梅毒に感染していないにもかかわらず梅毒陽性が出る「偽陽性」が起こることがあるため、より精密に検査するためにTP法が併用されます。

検査の結果の見方について

ここでは、それぞれの検査結果の見方を説明していきます。

STS検査の結果とは

STS法の検査には、ガラス板法、疑集法、RPRカード法といった検査方法がありましたが、ガラス法と疑集法はどちらも測定試薬製造中止のため、受託が中止されました。

現在行われているRPRカード法では、血清解釈倍数による検査の判定が多くつかわれています。

血清解釈倍数

血清解釈倍数とは、血液から取り出した血清を2倍ずつ薄めていき、どのくらい薄めたら抗原抗体反応が出なくなるのかによって検査を行う方法。

例えば、1/16以上薄めた時に反応が出なくなった場合、一つ手前の1/8が最終的な結果となり、その逆数の8が抗体値とされます。

STS法での血清着尺倍数の見方ですが、まず0は陰性ということになります。薄めなくても血清に抗原抗体がないということ。

それ以降は、1~8が低い、16と32が中程度、64が高いという判定になります。

STS検査は梅毒の治療中に経過を見るためにも使用されます。
STS検査で抗体値が8以下になったら完治という判断がされ、治療後半年経っても16以上の場合は、治っていないか再感染してしまったかということになります。

TP抗原法の結果とは

TP抗原法にも様々な検査方法がありますが、その中でもTPHA法と呼ばれる検査で血清解釈倍数が使用されます。

TPHA法では、0が陰性ということは変わりませんが、抗体値の数値がSTS法とは異なります。

  • 80と320は抗体値が低い
  • 1280が中程度
  • 5120が高い

という判断になります。

◆抗体値の見方は専門的な知識が必要

検査方法の見方を簡単に説明しましたが、実際には、検査結果からもたらされる数値を読み解くには、専門の知識が必要となり、一般の方が見ただけでは分からないことがほとんど。

正しい知識を持った医師に確認してもらうことで、検査結果の数値から陽性や陰性、その後の治療方針などを分かりやすく解説してくれます。

知識を持っておくことは大切ですが、参考程度にとどめておき自己判断はせず、医師の判断を仰いでください。

感染した場合、検査結果はずっと陽性?

梅毒検査で使用される検査方法の内、梅毒トレポネーマに対する抗体を調べるTP抗原法には一つの特徴があります。

抗体は一生残る

梅毒トレポネーマに対する抗体は、一度体内で作られると梅毒トレポネーマ自体が無くなって梅毒が完治しても、抗体自体は消滅せず残り続けます。

結果、一度梅毒に感染した人は完治させたとしても、TP抗原法の検査では一生に渡り、陽性反応が出ます。

そのため、過去に梅毒に感染したことがある人の再検査では、TP抗原法だけで陽性か陰性かを判断することはできません。

偽陽性が出た場合、どうすればいいのか?

梅毒の血液検査を受けると、実際に梅毒に感染していないにも関わらず陽性という結果が出てしまうケースがあります。この状態は偽陽性とよばれます。

梅毒検査で現れる偽陽性とは?

偽陽性は主にSTS検査で陽性・TP抗原法で陰性が出た場合を指します。

この状態は、STS検査で調べる脂質抗原が梅毒以外の病気にかかっている時も高い数値を示すことがあるからで、STS検査でのみ陽性になった場合には、梅毒だけではなく別の病気を疑う必要があります。

考えられる疾患は?

脂質抗原が高い数値になりやすい疾患は風疹や結核、肝炎や肝硬変といった肝障害、自己免疫疾患などが挙げられます。

医師に相談し、再検査を!

梅毒検査で偽陽性が出た場合ですが偽陽性なのだから感染していないと楽観視して放置してはいけません。
通常、梅毒トレポネーマに対する抗体は感染から3ヶ月後あたりにでき始めます。そのため、自分が感染した機会の日を勘違いしている場合、検査を早く受けてしまっている場合などに、正しく検査ができていない場合があるのです。

また、結果が偽陽性だったとしても、本当は感染しているかもしれないことや、別の病気になっている可能性を受け止め、必ず医師に相談するようにしてください。

まとめ

梅毒のウインドーピリオドは約4週間といわれていますが、TP抗原法による検査で調べる梅毒トレポネーマに対する抗体は感染から3ヶ月経たないと発生しません。それよりも前に検査を行うと、確実な検査結果を得られないことがあります。

梅毒の血液検査について正しい期間についてはコチラの記事をご参照ください。
梅毒の検査はすぐできない!必要な期間と判定方法とは

また、梅毒との重複感染が多いHIV感染症の検査も、感染から3ヶ月経たないと正しい結果が出ません。3ヶ月経っていない時期に、感染してしまったかもしれないと自覚がある場合は、検査期間を待って放置するのではなく、一度病院・クリニックなどの医療機関で医師に相談し、その指示に基づいた行動をしてください。

梅毒と重複感染が多いHIV感染症についてはコチラの記事をご参照ください。
梅毒とHIV(エイズ)の重複感染に注意!その特徴と関係性について

まずは専門医に相談を

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メディア・記事の監修ドクター:新宿駅前クリニック院長 蓮池林太郎