膀胱炎を治すにはどれがいい?市販・漢方・処方薬の違いとは?

膀胱炎を治すには?市販・漢方・処方薬?

膀胱炎になってしまうと排尿痛や下腹部の違和感などで嫌な症状が出てしまいます。膀胱炎の治療には病院で処方された薬などを飲むことで症状を緩和することができ、治癒の方向へ。

膀胱炎の治療薬の中には、市販薬で膀胱炎の症状を抑えることができるものもありますが、自己判断で市販薬を使用することにはリスクも……。

ここでは、膀胱炎を治すための薬について市販薬、漢方、処方箋の違いについてなどを解説しています。

目次

医師の処方で安全に服用しよう!抗生物質・抗菌剤
市販薬でも膀胱炎が治るの?
漢方薬は膀胱炎に効果あり?
タイプの違いについて
まとめ

医師の処方で安全に服用しよう!抗生物質・抗菌剤

医師の処方で安全に!抗生物質・抗菌薬

膀胱炎は細菌などが原因で膀胱内に炎症が起きている状態です。
膀胱炎の症状や細菌の種類・患者の状態・体質に合わせて治療薬が処方されます。

膀胱炎に処方される抗生物質とは

一般的な急性膀胱炎の症状であれば、次の組み合わせで処方されることが多いです。

例)

  • クラビット錠(100mg)4錠を食後2回
  • セフゾンカプセル(100mg)3カプセルを毎食後
  • バセトシンカプセル(250mg)3カプセルを毎食後

膀胱炎の症状に軽度の腎盂腎炎の症状が見られた場合は次のような例が挙げられます。

例)

  • クラビット錠(100mg)4錠食後2回
  • パンスポリンT錠(200mg)3カプセル毎食後

※これらは処方例です。薬剤の使用は医師の判断のもと服用してください。

患者の状態によって処方は大きく異なるので、妊婦や子供、アレルギーの有無によって薬剤が何錠処方されるか一概にはいえません。

膀胱炎の治療に使用される抗生物質の種類は以下の通りです。

セフェム系

セフェム系の抗生物質は大腸菌を中心に反応する菌の種類も多く、副作用も他の薬剤に比べて穏やかなものが多いので、幅広く使用されています。
第二世代セフェム系の主な商品は、パンスポリンであり、第三世代セフェム系の主な商品はセフゾン(一般名:セフジニル)です。

商品名

  • フロモックス錠75〜100mg(一般名:セフカペンピボキシル塩酸塩)
  • メイアクトMS錠100mg(一般名:セフジトレンピボキシル)
  • バナン錠100mg(一般名:セフポドキシムプロキセチル)
  • ケフレックスカプセル250mg(一般名:セファレキシン)
  • ケフラールカプセル250mg(一般名:セファクロル)
  • トミロン錠50mg、100mg(一般名:セフテラムピボキシル)

ペニシリン系

ペニシリン系の抗生物質は、黄色ブドウ球菌などのグラム陽性菌に効果があるとされています。

最近では、このペニシリン系の薬剤に対して耐性のある菌・「薬剤耐性菌」も増えてきています。

商品名

  • サワシリン錠250mgなど(一般名:アモキシシリン)
  • ビクシリンカプセル250mg(一般名:アンピシリン)
  • パセトシン錠250mgなど(一般名:アモキシシリン)
  • アモリン錠250mgなど(一般名:アモキシシリン)
  • ワイドシリン細粒10%など(一般名:アモキシシリン)

マクロライド系

マクロライド系の抗菌薬は、膀胱炎だけでなくマイコプラズマやクラミジアなどの菌に対しても高い抗菌作用を表します。

商品名

  • クラリス錠、クラリシッド錠200mgなど(一般名:クラリスロマイシン製剤)
  • エリスロマイシン錠200mg(一般名:エリスロマイシン製剤)
  • ジスロマック錠250mgなど(一般名:アジスロマイシン製剤)
  • ルリッド錠150mg(一般名:ロキシスロマイシン)

ペネム系

ペネム系の薬剤は、ペニシリンに耐性があるペニシリン耐性肺炎球菌や緑膿菌に対しても強い効果が期待できます。

商品名

  • ファロム錠150mg、250mg(一般名:ファロペネムナトリウム)

膀胱炎に処方される抗菌薬とは

膀胱炎に効く抗菌薬

ニューキノロン系

ニューキノロン系の抗菌薬は、主に大腸菌が原因で発症する膀胱炎に効果があると言われています。

商品名

  • クラビット錠250mg、500mg(一般名:レボフロキサシン)
  • シプロフロキサシン錠100mg、200mg(一般名:シプロフロキサン)
  • バクシダール錠100mg、200mg(一般名:ノルフロキサシン)
  • グレースビット錠50mg(一般名:シタフロキサシン水和物)
  • オゼックス錠75mg、150mg(一般名:トスフロキサシントシル酸塩)

ニューキノロン系は膀胱炎の原因菌に効く薬の一つですが、妊婦や授乳中の女性への処方はできません。

しかし、アレルギーなどが原因でセフェム系やペニシリン系の薬剤が使用できない人でもニューキノロン系は使用できるというメリットもあります。

ST合剤

ST合剤は、スルファメトキサゾールとトリメトプリルと呼ばれる薬剤を配合した配合薬です。

商品名(一般名:ST合剤)

  • バクタ配合錠など
  • ダイフェン配合錠など
  • バクトラミン配合錠など

テトラサイクリン系

テトラサイクリン系の薬剤は、ペニシリン系やセフェム系の薬剤が効かない、マイコプラズマやクラミジアなどに有効とされています。

商品名

  • ミノマイシン錠50mg、100mg(一般名:ミノサイクリン塩酸塩)
  • ビブラマイシン錠50mg、100mg(一般名:塩酸ドキシサイクリン)

ホスホマイシン系

ホスホマイシン系の薬剤は、他の抗生物質が効きにくい、緑膿菌などに有効とされています。
細菌による食中毒や病原大腸菌O-157の治療にも使用されることもあります。

商品名

  • ホスミシン錠250mg、500mg(一般名:ホスホマイシンカルシウム)

その他膀胱炎の諸症状に効く薬

膀胱炎の諸症状に効く薬

膀胱炎の症状を抑えるために処方される治療薬は以下の通りです。
 

痛み止め

膀胱炎に伴う症状として排尿痛が挙げられます。人によっては、痛みの症状が強く、排尿ができないという人も。排尿痛の痛みを緩和させるための薬剤として、ロキソニンやカロナールが処方されます。

また、市販薬であるバファリンなども解熱鎮痛剤なので、痛み止めの効果はありますが、医師の指示を仰いだほうが良いでしょう。

炎症

膀胱炎の治療薬としてトランサミンという薬を処方されることがあります。

トランサミンの主な効果は、止血作用ですが、炎症を抑える作用もあるため、感染を起こした膀胱内の炎症を緩和する目的で処方されます。

血尿

膀胱炎の症状の一つに血尿がありますが、子供に多いと言われているアデノウイルスが原因の出血性膀胱炎に対しては、有効な治療薬はありません。原因菌が分かるまでの間、上記のような抗生物質や抗菌薬を処方されることがあると思いますが、アデノウイルスに直接効果がある薬剤はないとされています。

出血性膀胱炎になった場合は、排尿痛などの症状に対して薬剤が処方されます。

また、インフルエンザやループス腎炎の場合も、血尿の症状が見られます。
インフルエンザの場合は、免疫力が低下して膀胱炎になったことと、何らかの原因で急性腎炎になったことが考えられます。

ループス腎炎は、全身性エリテマトーデスという病気によって血尿が引き起こされることがあります。

急性腎炎の場合は、悪化してしまうと命の危険もあるため、すぐに医療機関を受診することが大切です。

海外の治療方法を紹介

膀胱炎の治療には抗菌薬などの薬剤の内服が有効的とされていますが、欧米ではレメディーと呼ばれる薬ではない治療法も行われています。

例えば、ハーブ療法の一つであるメディカルアロマ(代表商品:ドテラ)や膀胱炎に効果があると言われているキナ酸の摂取(代表商品:豊潤サジー)なども治療に取り入れられています。

市販薬でも膀胱炎が治るの?

市販薬でも膀胱炎は治るの?

膀胱炎は市販薬だけで治せる?

膀胱炎になったと感じても仕事などで通院ができないという人も多いと思いかもしれません。市販薬で治すことができたら気持ちも楽になることも。

膀胱炎の軽い初期症状の場合は、市販薬を内服することで治ることもあります。

しかし、膀胱炎が悪化している場合や市販薬を一定期間飲み続けても効かないと感じた場合は、病院で診察を受ける必要があります。

市販薬には、膀胱炎を直接治す作用はありません。
膀胱炎の原因となっている細菌に対して効果が得られるのは、処方箋が必要な抗生物質などの抗菌薬

抗生物質は医師の処方箋がないと買うことができないため、調剤薬局 や病院でしか手に入りません。

市販薬には、膀胱炎の症状を“緩和させる効果”がある成分が含まれています。
抗生物質のように強力な抗菌・殺菌作用はありませんが、炎症を抑えながら尿を出す作用を利用して初期の膀胱炎であれば治ることもあります。

ただし、市販薬の中にも副作用があり、
妊娠中や授乳中の人乳幼児・子供は自己判断せずに医師の指導を受けることが大切です。

ボーコレン(小林製薬)

ボーコレンは11種類の生薬からなる漢方の五淋飲料エキスが含まれおり、頻尿や排尿痛、残尿感、尿のにごりに効果があるとされています。

※第二類医薬品に指定。

腎仙散(摩耶堂製薬)

腎仙散は15種類の生薬が含まれており、腎臓の老廃物排出を促進するとともに排泄障害や炎症性の疾患にも効果を発揮します。

膀胱炎、むくみ、腎炎、ネフローゼ、腎盂炎、利尿減少に効果があるとされています。

※第二類医薬品に指定。

猪苓湯エキス顆粒A(ツムラ)

猪苓湯エキス顆粒A(ツムラ)は、5種類の混合生薬の乾燥エキスが含まれており、効果としては、排尿困難、排尿痛、残尿感、頻尿、むくみとなっています。

※第二類医薬品に指定。

五淋散エキス錠N(小太郎漢方製薬)

五淋散エキス錠N(小太郎漢方製薬)は11種類の漢方薬が含まれている市販薬で、効果は、排尿痛、頻尿、残尿感、尿の濁りなどが挙げられています。

※第二類医薬品に指定。

市販薬は気軽にドラッグストアや薬局で購入することができますが、これらの商品は、第二類医薬品に指定されており、登録販売者が常駐している店舗で購入することが可能です。

第二類、第三類に指定されている頭痛薬などの市販薬は、薬剤師か登録販売者が常駐している場合でのみ購入することができるため、コンビニなどでは売っていないことが多いです。

コンビニで購入できる市販薬は、胃腸薬などの飲み薬があります。

漢方薬は膀胱炎に効果あり?

漢方薬は膀胱炎に効果あり?

漢方薬の種類について

膀胱炎の症状を抑えるための市販薬にも漢方由来のものが使用されています。

漢方薬は抗生物質と併用することで治療効果が早く出たり、再発を防止したりする効果が期待できます。

漢方薬は膀胱炎を直接治すというよりは、膀胱炎の症状を緩和してくれるものです。

猪苓湯(ちょれいとう)

代表的な膀胱炎の漢方薬であり、利尿作用、頻尿、排尿痛、残尿感、血尿が見られる時に効果が期待できます。

代表的な商品名は、ツムラ40です。

五淋散(ごりんさん)

代表的な膀胱炎の漢方薬の一つであり、高齢者などの体が弱い人に向いているとされています。

清心蓮子飲(せいしんれんしいん)

神経性の頻尿や膀胱炎などの改善に用いられる漢方薬として知られています。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

血液や水の巡りを改善し、冷え性や貧血に効果が期待できます。水の巡りが改善されるという点で膀胱炎の改善に用いられています。

四物湯 (しもつとう)

血液循環を改善し体を温める効果があります。

真武湯(しんぶとう)

体を温め、冷えやめまいなどの症状を緩和します。

苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)

めまいや水の流れの改善が期待できます。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

慢性的な膀胱炎症状があり、便秘気味という人に効果が期待できます。

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

膀胱炎により強い便秘の症状がある人に効果が期待できます。

竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)

膀胱炎の症状の一つである排尿痛が強い場合、症状緩和が期待できます。

葛根湯(かっこんとう)

風邪薬で有名ですが、葛根湯はさまざまな炎症性疾患に効果があるとされています。

商品名では、ツムラの葛根湯などが挙げられます。

これらの漢方薬は膀胱炎の症状に対して効果が期待できるものですが、腎仙散は腎機能に直接作用する効果が期待できるとされています。

タイプの違いについて

薬の種類とメリット・デメリット

市販薬のメリット・デメリット

市販薬は気軽に手に入りますが、メリットとデメリットがあります。

メリット3選

市販薬のメリットは以下の通りです。

  • 薬局やドラッグストアで気軽に購入できる
  • 軽い症状であれば治ることもある
  • コストが抑えられる

市販薬は街の薬局やドラッグストアで購入することができるので、仕事で忙しくて病院に行けない時にも利用できます。

また、膀胱炎の軽い初期症状であれば、市販薬で治すことも可能です。

デメリットについて

市販薬のデメリットは以下の通りです。

  • 効果がない時もある
  • 自分の症状に合った薬剤を選びにくい
  • 長期的に見るとコストがかかる可能性

市販薬は手軽に購入できる分、病院で処方される抗生物質より効果が期待できません。
そのため、薬を飲んでも効果が感じられない時もあります。

そして、自分の自己判断で購入することになるので、自分の症状に合った薬剤を選ぶことが難しいこともデメリットに挙げられます。
また、長期に渡り服用することになると、病院・クリニックなどの医療機関で受診して処方薬をもらう方がコスト的にかからないこともあります。

漢方薬のメリット・デメリット

漢方薬は自然由来の成分を使用しているので身体に良いと感じている人も多いかもしれません。

メリット2選

  • 副作用が少ない
  • 体の自然回復力も向上させることができる

漢方薬は処方箋に比べると副作用のリスクが低いと言われています。抗生物質などは効果も高いですが、アレルギーなどの副作用が起こることもあります。また、漢方薬には、症状の緩和だけでなく、体の治癒力を高め体質改善の効果が期待できます。

デメリットについて

  • 即効性が低い
  • 味が苦い・まずい
  • 割りと高額

漢方薬には即効性は期待できず、毎日継続して飲み続けることで体質改善をしていきます。
そのため、我慢できないような痛みに対して漢方薬を飲んでも効果が得られないというデメリットがあります。

また、味に癖があり苦味が強いので、漢方薬が苦手な子供も多いです。

漢方薬もコスト面で負担になることもあり、体質改善など健康志向の方には向いているかもしれませんが、早く直したいと考えている方には不向きで、費用を考えて使用すると良いでしょう。

処方薬のメリット・デメリット

処方箋は病院で処方された薬のことですが、治療薬の中には処方箋がないと手に入らないものもあります。

メリット3選

  • 即効性がある
  • 薬について詳しい説明を受けられる
  • 症状に合わせた薬を処方してもらえる

病院でもらえる処方箋薬は、抗生物質や成分が強い鎮痛薬など即効性がある薬剤です。
痛みが強い場合などは、鎮痛作用の強い薬剤を処方してもらうことができるので、すぐに効果を実感することができます。

また、薬剤師から薬について詳しい説明を受けられるので、安心して飲むことができます。症状に合わせた薬を処方してもらえるので、治療効果も早く感じることができます。

デメリットについて

  • 副作用が強いことがある
  • 病院で医師の診察が必要
  • 薬代以外のコストがかかる

処方薬は効果に即効性がある半面、副作用が強いこともあります。何らかの副作用が出た場合には、医師への相談・診察が必要になる可能性も。
また、処方箋薬をもらうためには、医師の診察が必要になるので、仕事などで忙しく病院に行けないという人は受診が難しいこともあります。

診察費用や検査、処方箋代、調剤薬局での薬代とコストがかかってしまうことが挙げられます。

まとめ

膀胱炎を治すための治療薬には、市販薬や漢方薬などの様々な種類があります。

市販薬や漢方薬は、症状を緩和させるためであり、膀胱炎を直接治すものではないので、一定期間飲み続けても効果がない場合は、病院を受診することが大切です。

症状によっては市販薬を飲むことで悪化させてしまうこともあるので、少しでも異変を感じたらすぐに受診することが早く治すための方法になります。

まずは専門医に相談を

新宿駅前クリニックでは、皮膚科・内科・耳鼻科・泌尿器科を併設しており、平日夜19時まで診療を行っている専門の医療機関です。

メディア・記事の監修ドクター:新宿駅前クリニック院長 蓮池林太郎