それって性感染症?性病の主な症状と判断方法とは

悩み抜く男性

性感染症は、性行為によって感染する病気。
性病かもしれないという自覚症状があれば、治療や感染拡大をしないための対策を行うこともできます。ただし、性病は自覚症状がわかりづらい・気づきずらいとうこともあり、症状が悪化してから気づく人も多いのが現実。

症状が悪化するまで気づかないということは、知らぬ間に感染を広げてしまうことにもつながります。また、症状が悪化しているなど、病気が進行してしまってからでは治療期間にも影響がでてしまいます。

今回は、早期治療・解決を行うためにも、性感染症の主な症状と性病名、性感染症の原因ウイルスなどについてご紹介していきます。

目次

こんな症状があったら要注意
病気別の主な症状と原因となる菌とは
性病と間違えやすい症状
昔はどうしていたか?
まとめ

こんな症状があったら要注意

悩む男女

症状別病名一覧

全身症状

症状 発熱に伴う諸症状(頭痛・関節痛・倦怠感)
考えられる性感染症 HIV・咽頭クラミジア・咽頭淋病・B型肝炎・C型肝炎など

HIVは初期症状として発熱することが多く、HIVの場合の発熱は長引く傾向に。
咽頭クラミジア・咽頭淋病は咽頭炎を起こすことから、発熱することがあり風邪との区別が難しくなっています。
B型肝炎・C型肝炎は肝臓が炎症を起こすことによって、発熱を伴うことがあります。

症状 リンパ節の腫脹・痛み
考えられる性感染症 HIV・梅毒など

HIVの場合には全身のリンパ節が腫脹する・痛むことが多くなりますが、梅毒では主に鼠径部(左右の太腿の付け根の部分あたりのこと)のリンパ節の腫脹が見られ、この場合には痛みを伴うことはほとんどありません。

症状 食欲不振・嘔気・嘔吐
考えられる性感染症 HIV・B型肝炎・C型肝炎など

HIVは消化器症状の中でも食欲不振が多く見られますが、嘔気・嘔吐の頻度はそれほど高く無いとされています。
B型肝炎・C型肝炎の場合は食欲不振が続き、その後嘔気や嘔吐につながっていく消化器症状が表れます。

症状 黄疸
考えられる性感染症 B型肝炎・C型肝炎

黄疸(おうだん)は肝臓の機能が低下することで起こる全身症状です。

黄疸に気付きやすいのが、
眼球の白目の部分に変化があった場合。鏡を見たときに白目が黄色いと気づく人が多くなっています。
手や足などが黄色いと気がつくときには、黄疸の症状が進行していることが多いので検査をうけるようにしてください。

皮膚症状

症状 赤い発疹(バラ色)
考えられる性感染症 梅毒

梅毒の第2期では特徴的な発疹である、バラ疹が体幹部を中心に発症します。

症状 (感染部位の)しこり
考えられる性感染症 梅毒

梅毒の第1期に感染部位にしこりが発症する初期硬結という症状が表れます。
このしこりは次第に消滅していきますが、ウイルスが無くなった・治ったという訳ではありません。

症状 水ぶくれ
考えられる性感染症 性器ヘルペス

性器ヘルペスは感染部位の皮膚に前駆症状であるチクチクした痛みや、ピリピリした違和感を覚えるとわずかな発疹が発症した後に、水ぶくれを形成します。
この水ぶくれの中の浸出液には、ヘルペスウイルスがたくさん含まれていて、感染源となるので注意してください。

症状 潰瘍
考えられる性感染症 梅毒・性器ヘルペス

梅毒は初期硬結(しこり)ができた後にしこりが盛り上がり潰瘍化します。この潰瘍は硬性下疳といい、痒みや痛みを伴うことはほとんどありません。
一方で、性器ヘルペスの潰瘍は水ぶくれが破れた後に発症し、激しい痛みを伴い夜間眠れなくなる人もいるほどです。

性器(周辺)の症状

男性の場合

症状 亀頭・包皮などのペニスの痒み・痛み
考えられる性感染症 淋病・クラミジア・性器ヘルペス・カンジダ・トリコモナス

性器と性器周辺の痒み・痛みは性感染症でも最も多い症状。

痒み・痛みの程度はまちまちになりますが、淋病・クラミジアでは尿道炎を起こすことによる排尿痛や炎症によるムズ痒さで、性器ヘルペスの場合は水ぶくれができる前の前兆として、痒みや軽度の痛みを発症します。
カンジダでは痛みよりも激しい痒みを感じる人が多く、痒さでかいてしまった結果、皮膚に傷がつき痛みを感じることがあります。

症状 尿道から膿が出る
考えられる性感染症 淋病・クラミジア・トリコモナス

尿道から膿が排出される性感染症は、淋菌感染症・クラミジア・トリコモナス。
どれも尿道炎を起こすことから膿が排出されます。膿が黄色から黄緑色で粘性が強い場合には淋菌に感染している可能性が高く、
透明から白色でサラサラしていればクラミジア、
膿が泡状になっている場合にはトリコモナスが考えられます。

膿の性状によってどの菌に感染しているのか、およその検討がつきますが、自己判断することは避けるようにして下さい。膿が出ている場合には、何らかの感染症にかかっている状態なので、速やかに病院・クリニックなどの医療機関を受診し、医師の判断を仰ぎましょう。

症状 イボ・イボのようなできもの
考えられる性感染症 尖圭コンジローマ・梅毒・性器ヘルペス

性器や性器周辺にイボやイボのようなできものができる性感染症は、尖圭コンジローマが考えられます。

尖圭コンジローマのイボは小さく先が尖っていてギザギザしている印象を受けることが多くなっています。
梅毒のしこりもイボのように思うかもしれませんが、小豆大ほどの大きさでコンジローマのイボよりも大きくなります。性器ヘルペスのできものはイボというよりも柔らかい水ぶくれ状です。

コンジローマと梅毒のイボ・しこりは痛みを感じることはほぼなく、性器ヘルペスは痛みを伴うことが特徴といえます。

女性の場合

症状 外陰部の痒み・痛み
考えられる性感染症 淋病・クラミジア・カンジダ・性器ヘルペス・トリコモナスなど

女性の場合も外陰部に痒みや痛みを伴う場合は性病の可能性が高くなります。

特に痛みよりも痒み症状が強くなる傾向があります。
菌やウイルスの刺激による痒みとオリモノなど分泌物が触れることによる痒みなのか、区別をすることは困難です。
そのため、痛みを感じる場合には性交痛や排尿痛など、外陰部というよりも内部に痛みを感じることが多いようです。

症状 オリモノの変化(増加・色の違い・臭いなど)
考えられる性感染症 淋病・クラミジア・トリコモナス・カンジダなど

女性の症状の中でも気付きやすいのが、オリモノの変化かもしれません。

オリモノが増加した・色が違う・臭いを発するなどの症状に気付き性病が発覚することが多くなっています。
特徴的なオリモノの性状として、白くポロポロとしたカッテージチーズ様のようなカスが出る場合にはカンジダが多く、白っぽい泡状でにおいいがきつく感じるようなものはトリコモナスのケースが多くなっています。

喉の症状

症状 喉の痛み・腫れ・咳
考えられる性感染症 咽頭クラミジア・咽頭淋病・HIVなど

喉に感染したクラミジアや淋菌によって、咽頭粘膜が刺激されて痛みや腫れの症状を発症します。HIVの場合は免疫力が低下することによって、扁桃腺炎などで喉が痛む・腫れるなどの咽頭症状が表れます。

病気別の主な症状と原因となる菌とは

性病に悩む男性

疾患別に主な症状と病気の原因菌となる菌・ウイルスについて解説していきます。

HIV

症状 持続する発熱(微熱・高熱)・喉の痛み・喉の腫れ・関節痛・筋肉痛・リンパ節の腫脹・リンパの痛み・頭痛・発疹・持続する鼻水や咳などの風邪様症状など
ウイルス Human Immunodeficiency Virus(ヒト免疫不全ウイルス)

微熱から高熱が1週間以上持続し、発熱に伴う頭痛・関節痛・筋肉痛、咽頭症状・リンパ節の腫脹や鼻水・咳などの風邪・インフルエンザ様諸症状を引き起こします。
感染初期には風邪やインフルエンザと間違いやすく、HIVに感染していると気がつかない人が多くなっています。
原因ウイルスである、ヒト免疫不全ウイルス=HIVは人間の身体の免疫機能に関係する細胞に感染。やがて免疫不全を引き起こす危険なウイルスです。免疫不全を起こすことから、さまざまな症状を発症し、感染から数年ほどで生命に関わる感染症を併発することになります。

梅毒

症状 感染部位の痛みを伴わないしこり・鼠径部のリンパ節腫脹・バラ疹・盛り上がった発疹・喉・唇・上顎の粘膜疹・嗄声・発熱・倦怠感・脱毛など
ウイルス Treponema pallidum subsp. pallidum(梅毒トレポネーマ)

感染初期の第1期は感染部位に痛みを伴わないしこり(初期硬結)ができ、しこりの中心部が盛り上がり硬くなります(硬性下疳)。また鼠径部(脚の付け根)のリンパ節の腫脹も見られますが、リンパは腫れても痛みはありません。

第2期になると梅毒の特徴的な皮疹であるバラ疹が発症。
梅毒性丘疹という盛り上がった発疹が身体・顔面に表れるようになり、粘膜疹(白いブツブツ)が喉・唇・上顎に見られ、声がかすれる嗄声や発熱・倦怠感・脱毛などの症状が起こります。この第2期までに梅毒に気づく人がほとんどで、晩期梅毒の第3・4期の患者は現代では珍しくなっています。

原因ウイルスである、梅毒トレポネーマは人に感染すると症状があらわれては無症候になるという期間を経て、何年もの歳月をかけて身体を蝕み、感染から10年以上経過すると死に至る症状を引き起こします。

淋菌感染症

男性の症状 尿道の痒みや痛み・排尿痛・尿道から黄色から黄緑色の粘性が強い膿の排出・ペニスの腫れなど
女性の症状 陰部の痒み・オリモノの増加・オリモノが黄緑色になり異臭を放つ・性交痛・下腹部痛など
咽頭 喉の腫れ・痛み・発熱などの咽頭炎症状
ウイルス Neisseria gonorrhoeae(ナイセリア・ゴノレア)

淋菌感染症の症状は感染部位によって異なり、男性の方が女性よりも症状の表れ方が著名。
男性は淋菌によって尿道炎を起こすことから、排尿痛・膿の排出など症状がわかりやすくなっています。

女性は淋菌に感染していても気付かないことが多く、淋病を悪化させてしまう傾向にあり、感染拡大してしまうこともあります。オーラルセックスなどによって咽頭淋病に感染した場合には、咽頭炎様の症状を引き起こします。風邪などによる咽頭炎と区別がつきづらく気づきにくい感染症です。

クラミジア感染症

男性の症状 尿道の痒みや軽度の痛み・排尿痛・尿道から透明から白色の粘性が低いサラッとした膿の排出・会陰部痛・下腹部痛など
女性の症状 陰部の痒み・オリモノの増加・オリモノの異臭・性交痛・不正出血・生理痛・下腹物など
咽頭 喉の腫れ・痛み・発熱などの咽頭炎症状
眼瞼の腫れ・むくみ・目の充血・目やにの増加など
ウイルス Chlamydia trachomatis(クラミジア・トラコマチス)

クラミジア感染症も感染部位によって症状が異なります。

男性の方が女性よりも症状がわかりやすいことは淋病と同じですが、淋病よりもクラミジアは症状がわかりづらく、男性でも尿道炎から前立腺炎を起こすまで気付かないことがあります。
前立腺炎を起こすと治療期間は長引き、治りづらくなるため注意してください。
咽頭・目に感染しても気付きづらいことがほとんどです。

カンジダ

男性の症状 亀頭や包皮の強い痒みや赤み・ペニスの白いカスなど
女性の症状 外陰部の強烈な痒み・排尿時の痛みや違和感・白いカス状のオリモノの増加・性交痛など
ウイルス Candida(カンジダ)

カンジダは人間の身体に通常から存在する常在菌です。
普通の状態であれば感染症を起こすことはないはずの菌ですが、免疫力が低下している・不潔・菌が繁殖しやすい状況にあるときなどに日和見感染を起こします。
※日和見感染=感染症を起こさないような微生物が原因菌となり発症する感染症のこと

性病という括りではありますが、カンジダは常在菌ということもあり、性行為を経験してない子供なども発症する可能性があります。女性の膣カンジダは再発を繰り返しやすいので、注意してください。

性器ヘルペス

症状 感染部位の痛み・痒みなどの違和感・発疹・水ぶくれ・潰瘍など
ウイルス Human herpesvirus 2(単純ヘルペスウイルス2型)

性器ヘルペスは下半身に感染することから、単純ヘルペスウイルス2型が原因菌であることがほとんど。しかし、現在ではオーラルセックスなどの性行為の多様化により、上半身に感染するとされてきた単純ヘルペスウイルス1型が原因菌となることもあります。

ヘルペスウイルスは神経細胞に潜むという性質上、完全に体内から駆除できないウイルス。
一度感染してしまうと、免疫力の低下や抵抗力が低下した際に再発を繰り返すことが特徴になっています。再発時は初感染時に比べると症状は穏やかですが、繰り返し発症すること自体がストレスになります。しかし、ヘルペスウイルスの感染力・感染率ともに高く、日本でもヘルペスウイルスにかかったことがある人の方が多いほどです。

尖圭コンジローマ

症状 1~3mmから数cmまでの鳥の鶏冠やカリフラワー状のイボ
ウイルス Human Papilloma Virus(ヒトパピローマウイルス)

尖圭コンジローマの原因菌はHPV(ヒトパピローマウイルス)で、良性のウイルス(低リスク型)が尖圭コンジローマを発症させ、悪性のウイルス(高リスク型)は陰茎がんや子宮頸がんを発症。

尖圭コンジローマは特徴的なイボを発症させますが、イボには痛みを伴うことはほぼ無いとされています。男性の場合、コンジローマが悪化しイボが増殖することで、イボが尿道付近を埋め尽くし排尿困難になることもあるため、注意してください。

女性の場合は妊娠・出産時に赤ちゃんに母子感染を起こすことがあり、赤ちゃんが「再発性呼吸器乳頭腫症」という病気を発症し、生命に関わることもあるので出産までに治療を行い、完治させることが重要です。

性病と間違えやすい症状

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男性器の痒み

男性器(ペニス)の痒みは性病を疑うこともありますが、亀頭包皮炎の可能性があります。

亀頭包皮炎は性病ではなく、亀頭や陰茎の包皮に雑菌などが繁殖して痒みや赤みなどの症状を起こす病気です。カンジダ性亀頭包皮炎と細菌性亀頭包皮炎があり、大人の男性の場合は、カンジダ性包皮炎が多くなります。カンジダはご説明したように性病という考え方もできますが、皮膚にすむ常在菌なので、性行為だけが原因とも限りません。

性器・性器周辺のしこり

性器・性器周辺にしこりができた場合には梅毒を疑うこともできますが、非性病性硬化症リンパ管炎という病気の場合があります。
この病気でもしこりに痛みはなく、2週間ほどで自然治癒することが特徴です。しかし、梅毒の初期症状の初期硬結と区別がつきにくいため、専門家である医師の診断を受けるようにして下さい。

発疹

性病で発疹ができることも多く、特に梅毒第2期のバラ疹は特徴的な発疹ですが、ジベルばら色粃糠疹という皮膚病変と酷似しています。その他にも発疹を発症する性病・それ以外の病気も多くあるので、皮膚に発疹があらわれた場合は、皮膚科などで医師の診察を受けることが大切になります。

性器のイボ

性器にイボができると尖圭コンジローマを疑いますが、フォアダイスや真珠様陰茎丘疹という性病ではない病気である可能性もあります。
この場合にも専門家の判断が必要になるので、泌尿器科・性病科などを受診するようにして下さい。

昔はどうしていたか?

江戸の町並み

江戸時代には遊女が梅毒に感染して亡くなることも多く、梅毒は不治の病として恐れられていました。

梅毒は江戸時代になってから大流行したという記録が残っているほどで、当時の治療方法は水銀・ヒ素・硫黄などが使われていたこともあります。1940年代に抗生物質のペニシリンが発見・開発され、梅毒での死亡者は劇的に減少しました。現在では早期治療により梅毒も完治可能な病気になりました。

まとめ

話し合う男女

性感染症やその症状についてまとめてきましたが、いかがでしたか?

この記事だけでは病気と判断いただくことはできません。何か気付いたことや異変・思い当たる節がある場合には、泌尿器科・性病科・皮膚科・婦人科などの診療科を受診し、検査を受け診断をしてもらうことが重要です。

性病は放置していても治ることはありません。早期発見・早期治療を行うことが治癒を早めるカギになります。パートナーや周囲の人に感染を拡げる前に受診してくださいね。

まずは専門医に相談を

新宿駅前クリニックでは、皮膚科・内科・耳鼻科・泌尿器科を併設しており、平日夜19時まで診療を行っている専門の医療機関です。

メディア・記事の監修ドクター:新宿駅前クリニック院長 蓮池林太郎