妊娠中にヘルペスになったら?女性は要注意!乳児への影響について

ヘルペス!女性は要注意な理由とは?

口唇ヘルペスや性器ヘルペスは男女関係なく感染する病気で、疲れた・体調が悪いというときに、繰り返し再発するという体質の人もいます。

「またヘルペスか……」と思っている人も多いかもしれませんが、女性は特に注意が必要になります。妊娠中にヘルペスになってしまうと、お腹の中の胎児にも影響してしまうからです。

ヘルペスに感染したことがある男性は、妊娠の可能性がある彼女(パートナー)に感染させないよう、配慮が必要になります。

ここでは、妊娠中のヘルペスと乳児への影響についてご紹介していきます。

目次

生理とヘルペスは関係あるの?
妊娠初期のヘルペス感染について
乳児に影響も?妊娠後期のヘルペス感染!
産後のヘルペス。授乳中も大丈夫?
女性は気になる…顔にできたヘルペスと化粧の話
まとめ

生理とヘルペスは関係あるの?

ヘルペスと生理の関係について

生理前に再発することが多い

女性には月に1度生理が訪れます。

実は、生理と性器ヘルペスの再発には関係があります。
もしかすると、生理のたびに性器ヘルペスや口唇ヘルペスを再発している……、という方もいるかもしれません。

生理前の抵抗力・免疫力の低下によるもの

生理前になると体調が優れない、気分が落ち込む、風邪を引きやすくなるなどの症状を感じる方もいるのではないでしょうか。

生理周期は主に女性ホルモンのバランスが関係しており、このバランスが崩れることによって、個人差はありますが様々な症状を自覚します。

生理前後はホルモンバランスが崩れることで、免疫力が低下し、睡眠不足などの生活習慣やストレスなどの要因が重なりヘルペスが再発しやすくなります。

生理中の性器ヘルペスは悪化しやすい?

生理前後は性器ヘルペスができやすい・再発しやすい状態ですが、生理中に性器ヘルペスを発症してしまった場合、悪化しやすいので注意が必要です。 

デリケートゾーンの皮膚が敏感になっている

生理中はホルモンバランスが乱れることで、女性のお肌が敏感に。生理中はすぐに痒くなったり乾燥したり、デリケートゾーンだけでなく全身のお肌が敏感になっています。

そのため、普段以上に刺激に対して反応しやすくなっているため、性器ヘルペスの痛みも強く感じてしまいます。

痛みの程度や感じ方には個人差がありますが、性器ヘルペスは初めて感染した時(初感染)の症状が強い特徴があり、局部の痛みで歩けなくなる人もいるほどです。

生理用品で蒸れやすい

生理中は常に生理用品のナプキンを着用した状態であり、ナプキンが長時間肌に密着しているので蒸れやすくなっています。

また、生理中は常に経血が性器に触れているため、ナプキンは湿った状態になります。
湿ったナプキンを長時間つけっぱなしにしてしまうことで、デリケートゾーンも湿った状態になり、皮膚が傷つきやすくなっています。

生理中はナプキンの使用やホルモンバランスの乱れなどが原因で、性器ヘルペスが悪化しやすくなります。

妊娠初期のヘルペス感染について

妊娠初期のヘルペス感染について

妊娠初期にヘルペスにかかる人は多い

妊娠が発覚してすぐの妊娠超初期や妊娠初期の妊婦さんは、ヘルペス症状を発症する人が多くなっています。

これは、妊娠による免疫力の低下などが原因としてあげられます。

免疫力の低下が起こる

妊娠するとお腹の中では、赤ちゃんを育てるための環境作りが行われます。

妊娠初期は胎児の様々な臓器が形成され、人の形になる時期です。母体が妊娠初期に免疫力が低下する理由は、お腹の中の赤ちゃんを守るため。
母親の胎内で育つ胎児を異物と認識して排除しないために、わざと免疫力を低下させる作用があるからです。

結果、免疫力が低下してヘルペスに感染、発症・再発しやすくなってしまいます。

妊娠という環境に慣れない

妊娠すると妊娠初期や妊娠中はホルモンバランスが大きく変わるため、ホルモンの影響が考えられます。

妊娠している女性は、イライラする、ストレスを感じやすくなったなどの症状を感じやすくなります。

これは妊娠という身体の変化に慣れていないことがストレスになり、さらにはホルモンバランスの乱れや妊娠へのストレスが免疫力を低下させる原因となるからです。

ヘルペスウイルスと治療薬の新生児への影響は?

妊娠中にヘルペスや様々な病気を発症した場合は、妊娠の影響により治療方法が限られてしまうことがあります。

特に内服薬などは、胎盤を通じて胎児に影響が及ぶ可能性があるため、注意が必要になります。ヘルペスを発症した場合の治療薬について見ていきます。

外用薬だけで治るまでの我慢

通常であればヘルペスを発症しときは内服薬を処方されることがほとんどです。

しかし、妊娠中にヘルペスを発症した場合は内服薬ではなく、塗り薬のみの処方となることが多くなります。 特に妊娠初期は胎児の臓器などが作られる大切な時期であり、母親の体内に入るものが胎児に影響してしまうため、薬剤の内服は控えた方が良いということから、外用薬のみということになるためです。

処方される外用薬は?

病院・クリニックでも塗り薬だけを処方されることが多くなります。
内服薬の場合は体内に入り、薬の成分が血液にのって患部に効果をもたらしますが、塗り薬の場合は皮膚から吸収されるため、胎児への影響は心配ないとされています。

治療に使用される塗り薬は抗ウイルス剤であり、アシクロビルビダラビンなどの成分が配合されたゾビラックス軟膏・クリームなどが処方されることが多くなっています。

使用方法は患部に1日数回程度塗り、1週間程度塗り続けますが、医師の指示に従うことが大切です。
吐き気や頭痛などの副作用が出たときは、すぐに医師に相談してください。

乳児に影響も?妊娠後期のヘルペス感染!

乳児に影響?妊娠後期のヘルペス感染

新生児ヘルペスの恐怖

妊娠中にヘルペスに感染すると、胎盤や産道から胎児に感染する垂直感染を引き起こします。

妊婦がヘルペスにかかるタイミングとしては、妊娠初期が最も多いとされています。

最悪の場合には死亡例も

母親から新生児にヘルペスが感染すると新生児ヘルペスを発症することがあります。

新生児ヘルペスを放置すると死亡率は非常に高く、治療を行っても死亡してしまうケースもあります。
新生児は免疫力がなくウイルスへの抵抗も弱いため、感染すると最悪の場合には死亡してしまう危険性があります。

新生児ヘルペスの3つのタイプと特徴

新生児ヘルペスには全身型、中枢神経型、表在型の3タイプに分類されます。

この中で最も重篤な全身型は、生後1週間以内に発症が見られるとされています。

全身型

全身型は生後1週間目以降から症状が見られ、多臓器不全によって死亡してしまうことが多くなっています。適切な治療を行っても半数以上の新生児が亡くなってしまうことも。

症状は、発熱や哺乳力の弱さ、不活発(元気がない)などが挙げられます。

中枢神経型

中枢神経型は脳に影響があり、脳炎によるけいれんや無欲状態などの中枢神経症状が見られます。
予後は悪くありませんが、神経学的後遺症を残す可能性があります。

症状は、発熱やけいれん、脳炎、髄膜炎症状などが挙げられます。

表在型

表在型は、皮膚や口の中、目などの見える範囲に水ぶくれ(水泡)が見られますが、3タイプの中では比較的軽症であり、予後も良好とです。

症状は、発熱や水ぶくれ(水泡)が挙げられます。

新生児のヘルペスは3タイプに分類されますが、中枢神経型と全身型は目に見える症状でないため、診断が難しく早期発見や治療が困難なケースもあります。

産道感染という感染ルートで感染する

ヘルペスは妊婦である母親の胎盤などを通じて感染する垂直感染と、出産時に産道を通るときに感染する産道感染があります。

性器ヘルペスは出産時の産道感染の確率が高く、性器ヘルペスを認めた妊婦が経膣出産した場合の新生児ヘルペスの発症は、初感染では半数近くに及ぶとされています。

新生児への産道感染の確率が高いため、出産時や妊娠後期に性器ヘルペスの症状が見られた場合は経膣分娩ではなく、帝王切開での出産になります。

産後のヘルペス。授乳中も大丈夫?

産後のヘルペス。授乳中は大丈夫?

授乳中でも医師の指示の下で内服薬を!

授乳中は母乳から乳児に薬の成分などが胎児に移行してしまうため、アルコールやカフェイン・飲み薬などは避けた方が良いとされています。

産後に性器ヘルペスを発症した場合は、塗り薬ではなく内服薬が処方されることもあります。
授乳中は内服できる薬剤が限られていますが、ヘルペスの薬剤として抗ウイルス剤のバルトレックスなどを処方される場合も。

このバルトレックスは授乳中に内服しても問題ないとされているため、安心して内服することができます。授乳中に内服できる理由としては、ほとんどの薬剤は母乳から乳児へ移行する量は少ないとされているためです。

ただし、内服薬の種類によって授乳中は内服できるものと内服できないものがあるので、主治医と必ず相談することが大切です。

お母さんの体力・免疫力を回復していく

ヘルペスを悪化させないためにも、まずはお母さん(母体)の体力と免疫力を回復させることが一番大事。

授乳をしている場合は、母親の栄養状態などが赤ちゃんに影響するため、食事や睡眠をしっかりとって免疫力をアップさせることが必要です。

ストレスや疲労はヘルペスの悪化につながる

出産後の生活の変化に疲労やストレスを感じる人も多くいますが、ストレスや疲労はヘルペスの悪化につながるため、無理をしないことが大切です。

初めての子育ての方は、分からないことも多く戸惑うこともありますが、周りの協力を得ながら、ストレスを溜めないようにしましょう。

処方された薬は自己判断で中止しないで!医師からの指示を守ろう

授乳中は乳児に影響があるのが怖いという理由で、医師から処方されたヘルペスの内服薬を自己判断で内服しないお母さんもいますが、ヘルペスの痛みや症状を我慢することがストレスへとつながってしまいます。

赤ちゃんが安心して過ごすためにも、お母さんがヘルペスの症状をしっかり治すことが必要です。

市販薬の中には授乳中に影響を与えてしまうものもあるため、医師に相談して内服しても問題ないと判断された薬剤だけを使用するようにしてください。安心できる薬剤は、この場合医師からの処方薬で、市販薬の授乳中の内服は避けておいた方が無難です。

女性は気になる…顔にできたヘルペスとお化粧の話

顔にできたヘルペスとお化粧

ウイルスが付着したかもしれないパフは廃棄

口唇ヘルペスなどは顔にできてしまうため、女性は気になりますよね。また、口唇だけでなく口周りや鼻の下に発疹ができることも。

化粧品はヘルペスが治った後も使用するもので、ヘルペスの時に使用していたパフを治った後も使い続けると、ウイルスを顔に塗り続けることになります。

パフなどを発疹が発症している肌に使うことは、刺激を与えることになってしまい症状が悪化してしまうこともあります。

ヘルペスを悪化させないためにも、ヘルペスウイルスが付着したパフは破棄しておきましょう。

ウイルスまみれのリップスティックは捨てる

女性の中には唇の乾燥が気になるため、リップクリームを塗っているという人も多くいます。

口唇ヘルペスに感染しているからといって、リップクリームを塗ることをやめる必要はありませんが、リップクリームの共有などは避けましょう。

また、患部にリップが付着したあとに他の部位に塗ってしまうと、新たなヘルペスを引き起こしてしまう可能性もあるので、患部についたリップクリームは使い続けず捨てることが大切。

ヘルペスは紫外線や乾燥によって再発や悪化することがあるので、唇の保湿やケアは重要とされています。

着色料や香料が入っているものは避ける

着色料や香料が入っている口紅やグロスなどは、唇に負担や刺激を与えてしまうため、使用しない方が良いでしょう。

ヘルペスを発症している時にリップクリームを使用する場合は、低刺激のものを選びリップクリームを直接塗るのではなく、綿棒にとってから塗るようにしてください。

リップを塗った後の綿棒は破棄して、使用後は手を石けんで洗いましょう。

発症中のお化粧をなるべく避ける

唇や口の周りにヘルペスがあると、見た目も良くないため気になってしまいがち。ですが、いくら気になるからといってヘルペスを化粧で隠そうとするのは逆効果に……。

化粧品は患部に刺激を与え、余計に悪化させてしまうこともあります。ヘルペスを早く治すためにも、発症中は化粧などの刺激を避けて治療することが大切です。

ヘルペスは正しい治療法を行うことで、跡も目立たないことが多いので、発症中は我慢して患部を安静にしておきましょう。

発症中は化粧が出来ず、人目が気になる場合は、マスクを着用してマスクをこまめに新しいものに交換するなどの対応も可能です。

パッチを付けるという工夫も!

ヘルペスの患部に使用できるパッチを使う方法があります

パッチは薄いフィルムのようになっており、唇にできたヘルペスに貼り付けると、パッチの上からメイクや日焼け止めを使用できます。

また、パッチを貼り付けた患部も目立たなくなるので、口唇ヘルペスに悩む女性にとっては嬉しいアイテムです。

ただし、妊娠中や授乳中の女性は使用前に医師への確認をすることや、唇などの患部にパッチを貼ってもキスは避けるなどの注意事項があります。

まとめ

女性の妊娠期の性器ヘルペスは胎児や新生児に影響を与えるため注意が必要です。

特に妊娠中は免疫力の低下などによりヘルペスを発症しやすいため、パートナーである男性がヘルペスにかかっている場合には、女性に感染させないようにすることが重要になります。

ヘルペスはストレスなどが原因となり再発や悪化することもあるので、ストレスを溜めないように生活を送ることも大切です。ヘルペスの症状は辛い痛みが続くなどストレスも大きいため、少しでも異変を感じたらすぐに病院で受診することが早く治すための方法です。

まずは専門医に相談を

新宿駅前クリニックでは、皮膚科・内科・耳鼻科・泌尿器科を併設しており、平日夜19時まで診療を行っている専門の医療機関です。

メディア・記事の監修ドクター:新宿駅前クリニック院長 蓮池林太郎