性器ヘルペスが完治しない理由は?免疫力を高めて上手に付き合うために

性器ヘルペスになったら治療を

性器ヘルペスは完治しないと聞いたことはありませんか?

性感染症である性器ヘルペスは、感染すると原因菌であるヘルペスウイルスが体内に住みつくことでさまざまな症状を引き起こします。医療が発展した現代で、なぜヘルペスウイルスが完治しないといわれているのでしょうか。感染力が高いことでも知られるヘルペスにかかるとどうなるのでしょうか。
ここでは、性器ヘルペスの原因や完治しない理由についてまとめています。

完治は難しい

現在、使用されているヘルペスの治療薬は、ウイルスの増殖を抑制するという作用を持っています。しかし、感染者の体内に侵入した性器ヘルペスの原因ウイルスを駆除する特効薬ではありません。
増えたウイルスを減らせますが、ゼロにすることはできないので、ウイルスがまた増えてしまう可能性があります。
つまり、ヘルペスに効く治療薬はウイルスの抑制効果は期待できるものの、ウイルスの駆除はできないということです。

根治しないのはヘルペスウイルスが原因

性器ヘルペスは単純ヘルペスウイルス(HSV)というウイルスが性器感染することによって起こる感染症です。

「単純ヘルペスウイルス」とは?

単純ヘルペスウイルスには2種類の型があり、1型(HSV-1)と2型(HSV-2)というタイプに分けられます。
ヘルペスは、性器ヘルペスのほかに口の周りや顔に発症する口唇ヘルペスという種類がありますが、この口唇ヘルペスは主に1型の単純ヘルペスウイルスに感染することで起こります。
一方、性器ヘルペスの原因は2型単純ヘルペスウイルスに感染することで起こるといわれており、実際に感染した患者の多くは2型への感染が認められています。しかし、近年では性行為の多様化により、性器周辺に1型のウイルスが感染しているケースも見られるようになってきています。

神経細胞に定住し「活動と潜伏」を繰り返す

単純ヘルペスウイルス2型の感染経路は、おもに性器の粘膜です。
粘膜から感染したウイルスは、神経節を通り腰仙骨神経節という腰の神経細胞に侵入します。
初感染では症状が強く出ることが多いですが、初感染でも症状が現れない不顕性感染になるケースもあります。
初感染や再発時に治療したあとの単純ヘルペスウイルスは、神経細胞の中で潜伏を続けます(定住)。その間は目にわかる症状があらわれないことから、自分がウイルスに感染していることに気付かないまま、日常生活を送っている人もいるほどです。

不顕性感染とは
ウイルスや細菌などに感染していても、症状を表さない状態のことを指します。

単純ヘルペスウイルスは退治できない

今の医学では身体の奥にある、神経細胞に潜んでしまったウイルスを完璧に駆除するための薬が発見されていません。そのため、治療を行っても増殖し表面に現れたウイルスを抑制するだけに留まり、根本的な原因ウイルスを取り除くことができないからです。

病気との正しい付き合い方

性器ヘルペスは、ウイルスに感染すると駆除する治療法がない性感染症です。しかし、上手に付き合っていくことで症状を起こさせず、再発も減らすことができます。

完治しない病気でも上手に付き合える

性器ヘルペスの原因菌である単純ヘルペスウイルスは神経細胞の奥深くに潜んでいます。
ウイルスが神経細胞の奥深くにある限り、ウイルス自体が活発的に活動することはなく、ヘルペス特有の症状も発症しません。
しかし、体内の免疫機能が低下し、単純ヘルペスウイルスの活動が活発になるとヘルペスの症状が現れるようになります。

免疫機能を低下させないことがポイント!

ヘルペスを発症させず、ウイルスと共存していくためには体内の免疫機能を低下させないことが非常に大切なポイントとなります。

免疫力を高めて再発予防に努めよう

免疫力は、ストレスや生活習慣の乱れや腸内環境の悪化などで低下してしまいます。
毎日の食事をバランスよく摂取し、アルコールの飲みすぎなどにも注意しましょう。また、環境が変化した時は自分が自覚していなくても肉体や精神に負担がかかり、その環境に身体が慣れるまで免疫力が低下してしまうことがあります。季節の変わり目、引っ越し直後などは特に生活スタイルを整えるように心がけましょう。

また、体内の温度は免疫力に大きな関わりがあり、一般的に体温が1度下がると免疫力は30%も低下すると言われています。冬場は防寒をし、夏には暑いからといって冷たいものを飲みすぎる、クーラーに当たりすぎるなどしてしまうと体温が下がるので注意が必要です。

再発の兆候を見逃さないようにしよう

性器ヘルペスが再発したときは、比較的症状が軽くあらわれます。初期段階で治療すれば治療期間も短期間で症状を治めることができます。
再発が本格化する前は、性器周辺のむずむず感やかゆみ、全身の倦怠感といった兆候が表れやすく、こういった症状を感じたら、すぐに病院やクリニックなどの医療機関で治療を行いましょう。

兆候を放置して再発させてしまうと、水ぶくれや強い痛みなどの重い症状が現れるだけではなく、性行為をした相手にも感染させてしまう危険性があります。

感染しても性行為はできる?

性器ヘルペスは、性行為(さまざまな性交渉)によって感染する病気ですが、症状が治まっている期間は、単純ヘルペスウイルスは身体の奥深くに潜んでいる為、他者に移すリスクは低くはなるものの、感染しないとは、100%言い切れません。

もっとも危険なのは、ヘルペスが発症している期間や再発の兆候があるときに性行為を行うことです。こういった時期には、ウイルスが身体の表面まで出てきている状態なので、粘膜などを経由してパートナーなどに感染させてしまう恐れがあるのです。

性行為を行う場合には、治療を済ませて症状が治まっていることを確認し、医師の指示に従って避妊具を使用するなど、感染拡大防止への配慮を行いましょう。

「再発抑制療法」とは

性器ヘルペスの再発頻度は人によってさまざまです。中には、かなり頻繁に症状が再発して苦しんでいる方々が存在します。

「再発抑制療法」とは、性器ヘルペスが頻繁に再発してしまう人を対象にした治療法です。この治療方法では、毎日定期的に抗ヘルペスウイルス薬といわれる内服薬を服用する方法が使われています。

性器ヘルペスの再発や前兆、対策などについては、こちらなぜヘルペスは再発するのか?その前兆と対策についてのページでくわしく紹介していますので、ご参照ください。

早期発見・早期治療をおすすめします

性器ヘルペスに感染した人の多くは初感染のときに、水ぶくれが破れ・ただれて潰瘍化し、激しい痛みや発熱を伴うなどの強い症状があらわれることから、性病科・皮膚科・泌尿器科(女性なら婦人科)を受診し、初発治療をすることが多いです。
しかし、再発時の症状は、初感染のときのように激しくないことが多く、再発していることに気が付かないで、自分が性器ヘルペスの感染源となっていることもあり、再発治療は遅れる傾向にあります。

普段から、免疫力を高める生活を心がけ、ちょっとした予兆に注意することが感染拡大を防ぐためにも重要なことです。何か兆候を感じたり、変化があったりしたときには、専門家である医師に相談してください。

まずは専門医に相談を

新宿駅前クリニックでは、皮膚科・内科・耳鼻科・泌尿器科を併設しており、平日夜19時まで診療を行っている専門の医療機関です。

メディア・記事の監修ドクター:新宿駅前クリニック院長 蓮池林太郎