治らない下腹部痛や違和感、ひょっとしたら性病が原因かもしれません

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下腹部に違和感や痛みがある場合、男性ではどのような原因が考えられるのでしょうか。
すぐに治まる軽い痛みなら問題がないことも多いのですが、繰り返す痛みや持続する痛みは、重大な病気の症状である可能性があります。
ここでは、そのような症状がある場合に考えられる病気や原因、治療や検査について説明していきます。

下腹部の痛みの原因は?

男性の下腹部にある臓器としては、主に消化器官である大腸、泌尿器である膀胱、生殖器である前立腺や精巣などが挙げられます。つまり下腹部に違和感や痛みがある場合、それらの臓器に何らかの問題が起きていると考えられます。
軽い便秘や下痢などでも下腹部痛が起こりますが、治療を必要とする下腹部痛の主な原因となる病気がいくつか挙げられます。

原因1膀胱炎

膀胱炎は、尿の出口である尿道口から大腸菌などの細菌が侵入し、膀胱が炎症を起こす病気です。尿検査で診断され、治療方法として薬物療法がおこなわれるので、抗生物質が処方されます。
男性は尿道が長いため、女性に比べて膀胱炎になりにくいのですが、治療目的でカテーテル(尿を出すための管)や機械を尿道から膀胱へ入れた場合などに、膀胱内に細菌が入り感染症を起こすことがあります。
そのような場合を除き、男性はダイレクトに膀胱炎になるケースは少ないのですが、尿道炎から前立腺炎をおこし感染がさらに広がり膀胱炎になるというケースがあります。そしてこの尿路感染症の場合、抗生剤などで治療をしても前立腺には細菌が残りやすいため膀胱炎の再発をくりかえすことがあります。

原因2前立腺炎

前立腺炎は前立腺が主に細菌の感染により炎症を起こす病気です。頻尿や排尿時痛、残尿感などがあり、急性前立腺炎では高熱が出ることもあります。
前立腺自体は痛みを感じにくい臓器なのですが、症状として会陰部(肛門の手前部分)、陰部全体、足の付け根、下腹部、お尻など様々な場所に痛みが出ることがあります。また、中には全く症状がない場合もあります。
診断に際しては尿検査、超音波検査の他、時に前立腺の触診や前立腺液の検査を行うこともあります。超音波検査などの検査では前立腺がん・前立腺肥大症などとも鑑別判定ができます。
細菌感染による急性前立腺炎であれば抗生剤の服用で早期に効果がみられますが、慢性前立腺炎に移行すると治りにくく長期の治療を必要とします。

原因3腸閉塞・腸捻転

腸閉塞は腸が閉塞し、消化物が通れなくなってしまった状態で、「イレウス」とも言います。腸捻転は腸閉塞の一種で、腸がねじれてしまっている状態です。
炎症や手術により腸が癒着(くっついてしまうこと)を起こすケースや、生まれつき狭い部分がある場合などに腸が詰まったりねじれたりして起こります。
「疝痛発作」と呼ばれる激しい腹痛と緩和をくりかえす特徴的な症状が見られます。同時に吐き気や嘔吐が起こり、悪化すると逆流した消化物を嘔吐し、吐物から便の臭いがすることもあります。腸捻転では腸の壊死を起こすことがあります。進行すると命にかかわるため、緊急手術を必要とすることもあります。
問診・触診・視診や、X線検査をはじめとする画像検査で診断され、入院治療が開始されますが、必要時は手術が行われます。
大腸の疾患として、過敏性腸症候群・大腸がん・潰瘍性大腸炎・急性腸炎・大腸憩室症・虫垂炎などでも、下腹部に違和感や痛みを伴いますので、注意が必要です。

原因4性病

下腹部の違和感や痛みの原因となる性感染症としては、淋病・クラミジア感染症などが挙げられます。感染者との無防備な性行為により感染します。挿入や射精がなくても、ディープキスやオーラルセックスなどの粘膜の接触でも感染するので、性風俗店を利用する男性や若い世代にまで拡大しています。クラミジアと淋菌に同時に感染しているケースもよくあります。
淋病やクラミジア感染症ではまず尿道炎を発症しまずが、それをそのまま放置すると感染が広がり、尿管から前立腺まで炎症を起こします。そして先に述べたように前立腺炎では会陰部の痛みや下腹部の違和感や痛みが出るのです。
クラミジア感染症の尿道炎は症状が軽かったり無症状のこともあり、膿もさらっとしているため、知らずに前立腺炎や精巣上体炎(副睾丸炎)まで悪化してしまうこともあります。
また淋病においても、一般的には排尿時の焼けつくような痛みと黄色のドロドロした膿が特徴とされますが、症状が軽いケースもあり、クラミジア感染症と同様に前立腺炎や精巣上体炎(副睾丸炎)に進行してしまうこともあります。
また精巣上体炎が両側性までに悪化してしまうと、男性不妊になる可能性もあります。

まとめ

下腹部痛や違和感がある時には、腸閉塞や腸捻転や腫瘍性疾患、膀胱炎や前立腺炎、性病など、様々な原因が考えられ、そのどれもが放置してはいけない病気だということがお分かりいただけたかと思います。
我慢できる程度だからといって受診を先延ばしにすると、治療に要する期間が長くなるばかりではなく、時には命にかかわる場合もあります。
そして原因が性感染症だった場合には、自分だけでなくご家族やパートナーにも感染させてしまう可能性があります。
下腹部痛や違和感が続く時、また繰り返し症状が出る時は、決して放置せずに病院へ行き、診察・検査を受けるようにしましょう。
原因が全く思い浮かばず、ただ下腹部痛だけがある場合は、かかりつけの医師や内科クリニック、もしくは総合病院の窓口でどこの科にかかればよいか相談するようにしてください。
もし下腹部痛の前に、性感染症の感染に思い当たる行動がある場合や、何か排尿や射精にともなう症状を感じた方は、泌尿器科や性病科などの専門病院を受診しましょう。
そして性感染症の予防のため、日頃から正しい知識を身につけ、安全な対処法をした上での性交を心がけるようにしてくださいね。

まずは専門医に相談を

新宿駅前クリニックでは、皮膚科・内科・耳鼻科・泌尿器科を併設しており、平日夜19時まで診療を行っている専門の医療機関です。

メディア・記事の監修ドクター:新宿駅前クリニック院長 蓮池林太郎