尖圭コンジローマは薬で治る?使用されている治療薬と治療法とは

コンジローマの治療

尖圭コンジローマは男女ともに発症する性感染症(STD)です。尖圭コンジローマと診断され治療を行っている方やこれから治療に臨む方へ、どのような治療を行うのかをイメージできるように、治療方法と治療薬(薬剤)について解説していきたいと思います。

尖圭コンジローマの報告数

厚生労働省の発表によると、平成27年度の日本でのコンジローマの報告数は合計で5806件となっており、そのうち男性の報告数は3589件、女性の報告数は2217件となっています。

今回男性に焦点をあて、年齢別で見てみると30代に向かって増加し、その後年齢が上がるにつれて減少していく傾向が見て取れます。

平成27年度コンジローマにかかった人の数
参考:年齢(5歳階級)別にみた性感染症(STD) 報告数の年次推移(厚生労働省)

上記表を見てみると、性生活が活発な年齢層に発症しやすい傾向があるのではないかといえます。

症状が出てからの治療方法

尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルスの感染による性感染症(STD)です。HPV感染をした男性の場合は、乳頭状のぶつぶつしたイボ(腫瘤)が、亀頭部や亀頭の先端、包皮の内側あるいは外側、陰嚢などの外性器周辺・肛門周囲などに確認されることが特徴です。
尖圭コンジローマの治療方法は主に、

  • 腫瘤(イボ)を切って外科的切除する方法
  • 腫瘤(イボ)の部分を凍結させて切除する方法
  • 電気焼灼する方法
  • 腫瘤(イボ)に炭酸ガスレーザーをあてて切除する方法
  • 薬剤の塗布による方法

があります。
これらの治療方法は、腫瘤(イボ)の発生部位や程度を検査により、どの方法が適切で治療効果があるかは医師と相談して決定することとなります。

再発し繰り返すこともある

尖圭コンジローマは、ウイルスによる感染症です。ぶつぶつしたイボ(腫瘤)は、ウイルスが増殖して形成されるため、このイボには多くのウイルスが存在しています。注意しなければいけなけいのはイボがない正常な部分にも、ウイルスが存在していることがあります。
そのため、イボを切除しても、まだウイルスが残っている可能性があるのです。これによって治療が終了しても再発し繰り返すことがあります。
尖圭コンジローマが再発した場合は、その都度、治療を繰り返していくこととなりますので非常に厄介な病気です。

外科的切除をしないで治すには

ここでは尖圭コンジローマを外科的治療をせずに治療する方法を2つご紹介します。

1.凍結療法

凍結療法とは、イボが発生している病変を凍結させることで、その部位を壊死させる治療のことを意味します。局所麻酔を行わずにできる治療方法であり、小さなイボに効果があることがメリットといえます。しかし、大きなイボには適さないこと、再発する可能性があることがデメリットであるといえます。

2.薬物療法

薬物療法とは、イボが発生している患部に薬剤を塗布する治療方法です。何度も病院に通うことが少なく、自宅で患者自身が自分で治療できることがメリットとなります。しかし、他の治療方法に比べると、イボをとりきれないことが多いことや、毎日薬剤を塗布することが必要であること、治療に長い期間を要することがデメリットとなっています。

代表的な治療薬『ベセルナクリーム』

尖圭コンジローマの薬物治療でよく用いられるのが、『ベセルナクリーム』です。
HPV感染はウイルス感染症のため、抗ウイルス薬であるベセルナクリームが治療に使われます。このベセルナクリームには、インターフェロンというウイルスの増殖を防ぐ因子が含まれており、薬を塗布することによってインターフェロンαが産生され、尖圭コンジローマの原因ウイルスとなっている、ヒトパピローマウイルスの増殖を抑制する効果が生まれます。

しかし、副作用もあります。病変以外の正常な皮膚に潰瘍やびらん、浮腫ができることなどが挙げられます。その他の副作用として、頭痛やアトピー性皮膚炎の悪化、めまい、悪寒や発熱など、インフルエンザ様の症状出現などがありますので使用方法には注意が必要です。

また、普段保湿剤などを皮膚に塗布するときには、そのまま何もせずに過ごすことができます。しかし、ベセルナクリームは塗布したままの状態で過ごすことは良いことではありません。塗布をして、皮膚に接していることができるのは6~10時間といわれています。
基本的な使い方として、病変部に1日1回就寝前に塗布します。翌日起床後、病変部に塗布した薬剤は石鹸を使い、温水で洗い流すことが必要なのです。なぜ洗い流すことが必要なのかというと、塗布したベセルナクリームをそのままにしておくと、副作用である、皮膚に潰瘍やびらんなどが生じる可能性が高くなってしまうためです。

ベセルナクリームを塗布した後は、必ず石鹸と流水で手指を洗うことが重要です。手指の皮膚にも副作用が表れる可能性があるためです。
また、ベセルナクリームを病変部に塗布している時間はパートナーとの性行為は避けるようにした方が良いとされています。これもパートナーの皮膚に潰瘍やびらんなどの副作用が生じる恐れがあることと、尖圭コンジローマが感染する可能性があるためです。
「コンドームを使えば問題ないのではないか?」と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、ベセルナクリームはラテックス製品の劣化、破損を引き起こすことがありますので、コンドームを使っていたとしても、破損してしまえば、意味がありません。自分が感染経路となってしまわないようにしましょう。
基本的に、治療期間中はパートナーとの性行為は避け、医師の許可を得てからにするようにしてください。

凍結療法『液体窒素療法』

凍結療法とは『液体窒素療法』のことです。ここでは液体窒素療法について解説します。

皆さんは液体窒素をご存知でしょうか?
空気の大部分が窒素であることはご存知のかと思います。我々が生活する環境の中で、窒素は普段気体であることがわかります。物質はその温度が高くなると気体に、温度が下がると液体や固体になります。
液体窒素は人工的に窒素の温度を下げることにより作られています。その温度は約-196℃です。低温である液体窒素を人間の身体に接触させると、あっという間に組織が凍結して壊死してしまいます。

この現象を利用して尖圭コンジローマがある病変部に液体窒素を接触させて、組織を凍結・壊死させることで治療を行います。
凍結させるのだから「痛みがあるのでは?」と心配に思う方がいらっしゃいますが、人によって個人差もあるようです。
一般的には凍結療法を行うと、痛みが続いたり水ぶくれになることもあります。いぼの大きさや状態にもよりますが、通常は1回で完治することは難しく、少なくとも数回以上は通院が必要になります。
病院や治療法によっても異なりますが、新宿駅前クリニックでは治療費は2000円程度となっています。

まとめ

今回は尖圭コンジローマの治療方法と薬剤についてお伝えしました。
その中でも特に、ベセルナクリームと凍結療法について詳しくご紹介しています。尖圭コンジローマは繰り返す可能性がある感染症です。普段から生活に気をつけ、免疫力を低下させないようにしておきましょう。
症状の程度により治療方法は手術・凍結療法・薬物療法と異なりますが、尖圭コンジローマの治療中の方やこれから治療を始める方の参考になれば幸いです。

まずは専門医に相談を

新宿駅前クリニックでは、皮膚科・内科・耳鼻科・泌尿器科を併設しており、平日夜19時まで診療を行っている専門の医療機関です。

メディア・記事の監修ドクター:新宿駅前クリニック院長 蓮池林太郎