口唇ヘルペスとは?口や唇にできるヘルペスの特徴を徹底解説

口唇ヘルペスとは

口の周りにチクチクと痛い水ぶくれができる口唇ヘルペス。
発症するとしつこく痛みを感じる、周りにうつさないように気を使わなければならない、見た目が気になるなど、憂鬱(ゆううつ)な気持ちになってしまいます。

子供から大人まで感染経験の多いこの病気は、なぜ感染・発症・再発するのでしょうか?

ここでは口唇ヘルペスの感染原因や水ぶくれを発症させるウイルスについて詳しく解説。
合わせて、同じように症状が口の周りで発症しやすく、口唇ヘルペスと勘違いしやすい病気について詳しく紹介していきます。

目次

1.口唇ヘルペスとは?
2.具体的にどこにできるのか
3.よく間違えられる病気との違いについて
4.注意しておきたいポイント
5.まとめ

口唇ヘルペスとは?

口の周りにできるヘルペスとは

口唇ヘルペスとは、ヘルペスウイルスに感染することで起こる感染症です。

ヘルペスウイルスは一度感染すると体内から完全に駆除することができないため、症状が治まっても免疫力が低下したタイミングなどで症状が再発することがあります。

どんなことがキッカケで感染するのか

口唇ヘルペスは接触感染によって感染します。

接触感染とは、ウイルスを含んだ分泌液や体液、粘膜などに直接触れることによって病気がうつる感染経路のことを指します。口唇ヘルペスは空気中に漂うウイルスを吸いこむことによって起こる空気感染ではうつることはありません。

接触感染のきっかけとしては、感染者の患部や浸出液に触れてしまうケースが多くなります。特に家庭内に感染者がいると触れる可能性も高くなるので、お互いに注意と予防を欠かさないようにしましょう。

どんな症状が出るのか

口唇ヘルペスと聞くと、口の周りにブツブツや水ぶくれができるというイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

確かに、口唇ヘルペスの症状の代表的なものが口周りの水ぶくれです。
しかし、この水ぶくれの症状以外にも口唇ヘルペスの症状は様々で、大きく分けて4段階の病期を経て症状が進行していきます。

前駆期

第1段階は前駆期と呼ばれる段階です。
これは口唇ヘルペスの前兆とも呼ばれ
口の周りにチクチクとした違和感やかゆみ、痛みを感じるようになります。この違和感はウイルスが体内で数を増やし始めているサインです。

初期

次に、前駆期から約半日で初期段階に進行します。初期段階では、
唇や口の周りが赤く腫れ始め、痛みを感じるようになります。ウイルスの活動が活発化することで、このような症状が表れます。

中期

数日後に来る中期段階では、口唇ヘルペスのイメージとつながる水ぶくれが発症しはじめます。

この水ぶくれには分泌液が内包されていますが、分泌液にはヘルペスウイルスが大量にふくまれています。痛みが強く、つい指で触ってしまいがちですが、触れないように注意してください。

また、分泌液が気付かないうちに周囲の人や物に付着してしまうと感染を拡大してしまう恐れもあります。水ぶくれができている時はマスクをする、手をよく洗うなど、周囲への気遣いを心がけましょう。

後期

水ぶくれの発症から約1週間~2週間経つと、水ぶくれは徐々にかさぶたに変わり、回復に向かっていきます。

水ぶくれが乾燥したかさぶたになってくると痛みも徐々に消えていきます。

しかし、治り始めたからといってむやみに触る、ヘルペス薬をやめてしまうと、症状が再燃する可能性もあるので、最後まで患部を清潔に保ち、薬を使用してください。

どんなウイルスが原因なのか

口唇ヘルペスは、ヘルペスウイルスの一種である
単純ヘルペスウイルス1型というウイルスによって起こる感染症。

単純ヘルペスウイルス1型は、体内に侵入すると神経細胞に住み着く、駆除ができないウイルスです。神経細胞の集まりである神経節の隠れ潜んだウイルスは身体の中で増殖し、数が増えると症状を再発させます。

口内ヘルペスとの違い

口唇ヘルペスは、主に口の周りや唇周辺に症状が発症する病気ですが、口の中にヘルペスができてしまったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。口内にヘルペスの症状が起こる場合は、2通りの原因が考えられます。

口内ヘルペス

口唇ヘルペスのウイルスが口内にまで広がり、ヘルペスが発症する場合。

唇の周辺に菌がいるので、口内の粘膜にヘルペスが発症します。この場合の口内ヘルペスは口唇ヘルペスの感染部位が口の中に広がってしまったためにできたものです。

口内炎

唇には全く症状が現れないのにも関わらず、口の内にだけ症状が現れた口内ヘルペスの場合には、ヘルペスウイルスが原因の口内炎によるものと考えられます。口の中にヘルペス症状のようなものを感じたら、普通の口内炎なのか、ヘルペスウイルスによるものなのかを病院で診察してもらい、適切な治療を受けるようにしてください。

どんな治療方法があるのか

病院で口唇ヘルペスだと診察されると、抗ヘルペス薬によってウイルスの増殖を抑える治療が行われます。抗ヘルペス薬は、錠剤や顆粒などで飲み薬を処方される場合と、軟膏などの塗り薬で治療する場合、または内服・外用薬の両方を処方されることがあります。

具体的にどこにできるのか

口唇ヘルペスはどこにできるのか

口の周り?他にはどんな症状がでるのか

口唇ヘルペスの症状が現れるのは主に口の周りや唇周辺ですが、悪化していくと口内、喉まで症状が広がることもあります。

再発の場合、症状が軽いことがほとんどですが、初感染の際には高熱が出る、リンパ節が腫れるといった症状も発症します。

よく間違えられる病気との違いについて

口唇ヘルペスとよく間違えられる病気とは

手足口病

手足口病は、主に子供が感染するウイルス性感染症です。

夏季に流行し、感染者のうち約80%が5歳未満の幼児とされています。
ただし、稀に大人も感染することがあるため注意しましょう。手足口病の原因となるウイルスは「コクサッキーウイルス」や「エンテロウイルス」といわれ、ウイルスの種類が複数あるため違うウイルスに感染すると、何度も発症してしまう場合があります。

手足口病はその感染時期と感染者の子供が多いことから、「子供の三大夏風邪」の一つとも言われています。

症状はどんな症状か

口内の粘膜、手のひら、足の裏などに水ぶくれが発生します。場合によっては数日間の発熱を伴うこともあります。

水ぶくれの症状は約1週間程度でかさぶたになり治まっていきますが、水ぶくれの後にできる口内炎が痛むため、食事や水分を摂取しづらくなり、脱水症状を併発する危険性もあるので注意が必要になります。

ヘルペスとの違いについて

手足口病はヘルペスと違い、口だけではなく手や足にも症状が発生します。発疹や水ぶくれの症状は似ていますが、発生箇所の違いに注目して見分けるようにしてください。

口内炎

口内炎は、口の中にできる炎症を総じて呼ぶ名称です。

口内炎には様々な要因があり、その中にはヘルペスウイルスによって起こるヘルペス性口内炎と呼ばれるものも存在します。
しかし、最も多いのは原因がはっきりと解明されていない「アフタ性口内炎」と呼ばれるものです。

医学的に解明されていませんが、原因は免疫力の低下や栄養不足・睡眠不足などの生活習慣の乱れとされています。他にも、硬い食べ物や歯ブラシなどで口内を傷つけ、その傷から炎症が起こることで発症する場合もあります。

症状はどんな症状か

アフタ性口内炎は、赤く縁取られた白い腫瘍が口の中にできるという特徴があります。大きさは数ミリ~1cm程度とさまざまで、発生する場所も裏唇や舌、歯茎など個人差があります。

口内炎は痛みが強く、食事や水分補給の際にも刺激を受けると痛むため、食生活にストレスを感じることも。症状は1週間~10日程度で自然治癒がほとんどですが、あまりに痛む場合には薬やレーザーによる治療が行われることもあります。

ヘルペスとの違いについて

口唇ヘルペスと口内炎の違いは、症状や発生部位で見分けられます。口唇ヘルペスは主に唇など口の外側に水ぶくれが発生しますが、口内炎はほとんどが口の中に症状が表れます。
また、分泌液や粘膜を経由して他の部位や他者に感染する可能性があるヘルペスに対して、口内炎は人にうつることはありません。

ヘルパンギーナ

ヘルパンギーナとは、「コクサッキーウイルスA群」と呼ばれるウイルスによって起こる感染症です。感染は乳幼児がほとんどで、6月頃から8月にかけて流行する
「子供の三大夏風邪」の一つ。

コクサッキーウイルスA群はウイルスの種類が複数存在するため、一度かかっても同じ夏にまた別の種類のウイルスに感染してしまうケースもあります。

症状はどんな症状か

症状は、発熱やのどの痛みが代表的です。39度以上の熱が1~3日前後続き、のどが赤く腫れ水ぶくれが発生します。水ぶくれは数日で潰れますが、後に黄色がかった潰瘍が現れます。

ヘルペスとの違いについて

ヘルパンギーナで発生する水ぶくれは、喉の奥(咽頭)にできて数日で潰れてしまいます。水ぶくれの後は潰瘍となり痛みを伴うため食欲減退の原因ともなります。一方でヘルペスは口の中に感染が広がっても唇や歯茎などに水ぶくれが発症します。

キス病

キス病とは、唾液を介して感染する伝染性単核球症の別名です。
キス病になる原因ウイルスであるEBウイルスは唾液に生息しているため、ディープキスなどで感染が広がりやすいことからこの名前で呼ばれるように。

異性とのキスを初めて経験する思春期頃までにほとんどの人が1度は感染するとされています。

症状はどんな症状か

キス病の主な症状は発熱やリンパ節や喉の腫れ・痛み、倦怠感や吐き気など風邪によく似ています。
キス病で起こる発熱は約38度以上ですが、風邪と異なり長い時は2週間ほど発熱が続くことが特徴的。

ヘルペスとの違いについて

キス病の原因であるEBウイルスはヘルペスウイルスの一種ですが、症状は全く異なります。キス病では水ぶくれなどの症状は発症しないため、比較的区別のつきやすい病気といえるでしょう。

注意しておきたいポイント

口唇ヘルペスに感染した時に気をつけておきたいこととは

感染力の強さ

口唇ヘルペスの原因であるヘルペスウイルスは、非常に感染力が強いウイルス。

発症している感染者の患部との接触や、自分の患部から正常な皮膚への自己感染までその感染経路はとても多く、口唇ヘルペスに感染している患者は国内でも50%~70%に上ると言われています。

咳やくしゃみで空気中に散らばったウイルスによって感染する飛沫感染はしません。口唇ヘルペスに感染する経路はウイルスに触れた時に起こる接触感染のみです。

再発の可能性

口唇ヘルペスは感染した後、一度症状が治まっても免疫力が低下したタイミングなどで再発する病気です。幼少期に感染していた場合でも、体内に免疫がつくためその後の再発では症状が軽く済むことがほとんどです。

口唇ヘルペスを再発させないためには、体内の免疫力を低下させないよう規則正しい生活と食事、適度な運動を心がけ、ストレスをため込まないようにすることになります。

完治するのかどうか

ヘルペスウイルスは一度体内に入り込むと、神経細胞に住み着いてしまいます。現代医学では神経細胞に潜んだウイルスを駆除する薬は存在しないため、一度感染したヘルペスウイルスを完全に駆除し、完治させることは不可能ということになります。

感染してからどのくらいで発症するのか?

一般的には、口唇ヘルペスは体内にヘルペスウイルスが侵入してから1週間~2週間後に発症するケースが多くなります。しかし、この発症のタイミングは個人差があり、数カ月後や数年後に突然発症するケースも。口唇ヘルペスは感染してから発症するまでの潜伏期間を特定しにくい疾患で、まれに感染しても全く症状が現れず、何年も感染していることにすら気付かないという場合もあります。

まとめ

口唇ヘルペスは接触感染によって多くの人が感染する可能性がある病気です。

もし口唇ヘルペスに感染してしまったとしても、初期段階で適切な治療を行えば、痛い水ぶくれや潰瘍の治りを早め、治療期間も短く済ませることができるので、唇に違和感を覚えた時には、病院に行って検査・診断をしてもらうようにしてください。

また、口唇ヘルペスだと思っていたら別の似た病気だった、ということもあります。
感染しているウイルスが異なれば、治療方法も全く別のものになるため、自己判断で放置するなどの行為は危険なので避けてくださいね。何か異常や異変を感じたときには、専門家である医師に診察してもらう・相談すると良いでしょう。

まずは専門医に相談を

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メディア・記事の監修ドクター:新宿駅前クリニック院長 蓮池林太郎