クラミジアの市販薬はない!?処方箋が必要な理由と抗生物質について

クラミジアに市販薬ない?

クラミジアに感染した時、「市販薬で治せたら……」と考える方も多いのではないでしょうか。

しかし、症状を起こしている原因疾患がクラミジア感染症であると判断するのは、専門家である医師の検査・診断に任せることが適切であり、自己判断で薬剤を飲む・塗るなどの行為は危険が伴います。今身体に起こっている症状の緩和にはつながるかもしれませんが、一時的なものに過ぎないことが多く、結果的に完治させるためには病院やクリニックなどの医療機関に行かなければならないことになります。自己判断で市販薬を使用した結果、治療期間の長期化や治りづらくさせてしまうこともあります。

ここでは、クラミジア感染症に用いられる薬剤をくわしく説明しながら、市販薬を自己判断で使用した時の危険性を解説しています。

根本的な治療は医師の処方薬しかない

クラミジアの治療は、身体に起こっている自覚症状や原因菌であるクラミジア・トラコマティスという細菌に合った抗生物質を使用して行なわれます。この抗菌剤(治療薬)は、現在日本では医師の処方箋がないと入手できません。
薬局などで購入できる市販薬でクラミジアの根本的な治療を行える薬剤は存在しないということです。クラミジアを完治させるためには市販薬ではなく、医師の処方箋による処方薬が必要になります。

また、最近ではインターネット通販で個人輸入などを利用して、性病感染の治療に用いる抗生物質を購入することもできます。病院やクリニックなどの医療機関に行き、診察料や薬代を払うよりも自分で注文したほうが安くて手軽だと利用する人もいます。しかし、こういった自己判断での薬剤による治療方法を選ぶことは病気の進行を早めることになる他に、副作用を発症する可能性があるので避けてください。

なぜ医師の処方箋がいるのか

クラミジア治療に使われる抗生物質薬は、医師の治療を受けて処方箋を出してもらわなければ手に入れることができないというのはきちんとした理由があります。抗生物質に限らず、一定の医薬品は処方箋がないと購入できません。これは適正使用に基づいた観点から定められた決まりとなっています。
クラミジアの治療に使用される抗生物質も自己責任で個人輸入などを利用し購入することで、医療機関に行かなくても手に入れることは不可能ではありません。しかし、医師の適切な診断を伴わない抗生物質の利用には、2つの大きなリスクが伴います。

副作用というリスク

薬剤は、製薬会社や研究機関が長い時間をかけて作り上げ、実験を重ねながら身体に害が及ばない(及ぶことが少ない)という安全性を確かめた上で、社会的に流出しています。しかし、アレルギーや体質などによって、合わない薬剤というものも出てきます。薬剤にはそれぞれ副作用というものが存在します。

医薬品副作用救済制度とは
日本では、薬剤を使用した際に起こる副作用に対して、「医薬品副作用救済制度」といわれる制度を設けています。この制度は、副作用による治療や入院、日常生活に支障が出る障害、死亡などに対して定められた金額の救済が行われるというものです。

しかし、この制度はあくまで医師の診断のもと、処方箋によって出された薬剤で治療をした場合に適用されます。つまり個人輸入などで入手した薬剤の副作用に対しては適用されません。

薬剤耐性菌というリスク

抗生物質を使用した薬物療法は、血中の抗生物質濃度を上げてクラミジアの原因菌の活動を抑える・活動させないようにするという仕組みになっています。そのため、自己判断で間違った量や適切ではない種類の抗生物質を服用してしまうことで、体内(血液中)の抗生物質濃度が上がり、その薬剤に対して耐性をもった「薬剤耐性菌」といわれるクラミジア感染症の原因菌が生まれてしまいます。

薬剤耐性菌
薬剤耐性菌とは、今まで効果があった抗生物質が効かなくなる(薬剤に耐性がある)ので、有効な薬剤がなくなってしまう恐ろしい細菌です。

マクロライド系

クラミジアに感染しているとき、最も多く選ばれていると考えられる治療薬が「マクロライド系」とよばれる抗生剤です。マクロライド系は抗菌力が非常に高く、クラミジア・トラコマティスの増殖を防ぐ効果が高いとされています。一方で、使用頻度が高い薬剤であるため、耐性菌が増えているという問題も挙げられています。

また、マクロライド系の抗生物質は他の種類の抗生物質よりも比較的、副作用とされる下痢などが発生しにくいという特徴が挙げられます。
代表的なマクロライド系抗生物質は、エリスロマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシンなどです。

現在、一般的に使われている薬剤名は、アジスロマイシンであるジスロマックやクラリスロマイシンであるクラリスなどがあります。

テトラサイクリン系

テトラサイクリン系の抗生物質であるドキシサイクリンやミノサイクリンは多くの細菌類に効果があるとされる抗生物質で、クラミジアの治療にも効果的な薬物です。クラミジア感染症のほかにも、気管支炎などの性感染症以外の病気にも使用されています。
しかし、テトラサイクリン系抗生物質は、副作用が発生しやすいとされています。特にいわれている副作用として、歯や骨などが変色するケースがあります。妊産婦や授乳婦は使用を避けることが推奨されています。
また、日光過敏症と呼ばれる日光によって水ぶくれなどの症状が発生する副作用も報告されており、使用頻度は低くなっています。

処方されるテトラサイクリン系抗生物質はミノサイクリンであるミノマイシンなどがあります。

ニューキノロン系

ニューキノロン系の抗生物質は、内服した際、体内に成分が吸収される率がとても高い薬剤です。また、吸収された後に、目標とする組織に移行する力も強く、幅広い細菌類がターゲットとなるため、さまざまな病気に用いられている抗生物質です。
ニューキノロン系の抗生物質は比較的副作用が少ない薬剤ですが、頭痛・めまい・発疹などを発症することがあります。

処方されるニューキノロン系の薬剤名にはシタフロキサシンであるグレースビットやトスフロキサシンであるオゼックス、レボフロキサシンであるクラビットなどがあります。

検査や治療は専門クリニックで

クラミジアは性感染症なので、感染経路として粘膜同士の接触(性交渉など)であることはご存知かもしれません。性器クラミジア感染症にかかっている場合には、淋病など他の性病にも感染している重複感染の可能性も否定できません。

今は性病検査キットなどで医療機関を受診しなくても性病検査は可能ですが、適切な治療方法を受けるには通販での検査キットではなく、病院やクリニックで検査し診断を受けることが重要です。診療科は性病科が専門家ですし、男性ならば泌尿器科、女性ならば婦人科への受診をおすすめします。

まずは専門医に相談を

新宿駅前クリニックでは、皮膚科・内科・耳鼻科・泌尿器科を併設しており、平日夜19時まで診療を行っている専門の医療機関です。

メディア・記事の監修ドクター:新宿駅前クリニック院長 蓮池林太郎