尿道から膿が出たときに!尿道炎の原因菌と検査について

尿道から膿が出たときに

下着になにかわからない物が付着していた。尿道から膿が出てくる、などの異常があった場合、深刻な病気なのではないかと不安に感じる人も多いと思います。部位だけに他の人に相談しにくいかもしれません。
しかし、異常に気付いたまま放置してしまうことは、避けてください。
ここでは尿道から膿が出る原因について詳しく説明していきます。

「うみ」とは何か?

炎症を起こした場所が化膿してしまい、その結果排出されるのが「うみ=膿」です。
膿の色は白色や、黄色っぽいもの、黄緑色っぽいものが多く、特有の嫌なにおいがする場合もあります。
膿は粘液です。透明に近く、サラサラとした水っぽいものから、色が濃く濁り、ドロドロしたものまでいろいろあります。
そもそも膿とは、主に「白血球の残骸」で、その他に「壊れた組織」や「死んだ細菌」などが含まれたもので構成されています。

例えとして、刃物で指を切ったとします。
傷口から体内に悪い細菌が入ってしまい、傷口が真っ赤に腫れ、熱を持ってしまいました。
そんな時、悪さをしている細菌を食べて、退治してくれるのが白血球です。
細菌を食べたことで死んでしまった白血球に、壊れた組織や死んだ細菌が混じりあい、膿となるのです。
膿は、傷口から体外に排出されることもあれば、時間とともに自然と体内に吸収されることもあります。
つまり、膿は身体を守るために、白血球が悪い細菌と戦ってくれている証拠でもあるのです。

膿が出るときの尿道炎とは

尿道から膿が出る場合に考えられるのは、尿道が炎症を起こしている状態。つまり尿道炎になっている可能性です。
基本的に尿道炎は、性行為の際に、悪い菌が尿道に入って感染する事で起こります。
主にクラジミアや淋菌などの性感染症に感染することで、発症する尿道炎が多いのですが、性行為以外にも、雑菌が尿道口に入る事で、発症する雑菌性の尿道炎もあります。
尿道炎は、膿の特徴や分泌された膿の量、原因となっている菌の種類によって分けられています。

膿性尿道炎と漿液性尿道炎

膿性(のうせい)尿道炎

黄色みがかった白色や黄緑色といった濃い色で、ドロドロしている膿が出ます。
膿性尿道炎の約8割が、性感染症の1つである淋菌が原因です。
淋菌が原因の場合、性行為から2~7日後、黄色みがかった白色や黄緑色といった濃い色で、ドロドロとした性状の膿が大量に排出されます。
また排尿時、強い排尿痛が伴う場合が多いです。

漿液性(しょうえきせい)尿道炎

透明から白色でサラサラしている水っぽい膿が出ます。
漿液性尿道炎の約5割が、性病の1つであるクラジミアが原因です。
クラジミアが原因の場合、性行為からおおよそ1~3週間の潜伏期間の後、透明から白色でサラサラしている水っぽい膿が出ます。
膿性尿道炎と比較して、漿液性尿道炎の方が、膿の量が少ないのも特徴の1つです。
漿液性尿道炎は、排尿時の痛みがない場合が多く、尿道の違和感や痒みが出る場合が多いです。

混合性尿道炎

膿性尿道炎と漿液性尿道炎の特徴が混じっている膿が出る尿道炎です。
混合性尿道炎の場合は、複数の菌が原因の可能性が高く、淋菌感染とクラジミア感染のダブル感染の可能性もあります。

淋菌性尿道炎について

尿道炎は、淋菌が原因となる場合が多いので、淋菌が原因の淋菌性尿道炎と、淋菌以外の菌が原因でなる非淋菌性尿道炎に分けられています。
淋菌性尿道炎は淋菌が原因で起こる尿道炎です。
膿性尿道炎の症状が出る場合が多いですが、淋菌プラス他の菌のダブル感染の場合は混合性尿道炎の症状が出る場合もあります。

非淋菌性尿道炎について

淋菌感染症が原因でない尿道炎全般を非淋菌性尿道炎といいます。
非淋菌性尿道炎全体の約半数はクラミジアが原因と言われています。
漿液性尿道炎の症状が出る場合が多いです。

その他にマイコプラズマ、ウレアプラズマ、腸内細菌、皮膚や粘膜の常在菌などの細菌感染が原因で細菌性の尿道炎になる場合もあります。
淋菌とクラミジア菌以外の菌が原因で起こる尿道炎を「雑菌性尿道炎」や「非淋菌性非クラミジア性尿道炎」と表現することもあります。

尿道炎を放置していると、感染は拡大していき尿管を通じ、膀胱炎や前立腺炎やがて腎盂腎炎などの尿路感染症を引き起こしてしまいますので注意が必要です。

どんな検査を行うのか

以前は綿棒を尿道に入れて、分泌物や粘膜を調べる検査が行われていましたが、今では尿検査で尿道炎の原因を調べる事が出来ます。
尿検査なので痛みはありませんし、羞恥心も極わずかで検査を受けることができます。

尿検査

2時間以上排尿を我慢し、膀胱に尿が溜まった状態で尿を採取します。
採取する尿は、排尿をはじめてすぐの初尿と呼ばれる尿が適切です。
肉眼的な尿の観察、尿検査用のテストテープを用いて尿の混濁、血尿の有無などを検査します。
また、採取した尿は、顕微鏡や培養、PCRなどで検体として使用されます。

顕微鏡検査

採取した尿を400倍の顕微鏡で確認します。
顕微鏡下の各視野で5個以上の白血球が認められることによって尿道炎という診断がなされます。
淋菌が原因の場合には、顕微鏡検査で分かる場合が多いのですが、小さなクラミジアに関しては顕微鏡検査での発見は難しいとされています。
顕微鏡検査では検査を受けた当日に結果が出ます。

培養検査

採取した尿から、尿道炎の原因となっている菌を培養して確認します。
また、培養検査と一緒に、どんな抗生物質が効くのかを確かめる感受性試験を行う場合もあります。
培養には時間がかかるため、検査結果は当日ではなく、次の診察時に分かります。

PCR検査

PCRとは日本語で「遺伝子増幅法」と言います。
採取した尿に含まれた、ごく少量の淋菌やクラミジアの遺伝子を人工的に増やすことによって、感染の有無を調べます。
特別な設備と検査技師の高い技術が必要ですので、検査結果は当日ではなく、次回診察時に分かります。

まとめ

もしも尿道から膿が出た場合や、尿道に痛みや違和感・痒みなどの自覚症状がある場合は、なるべく早い段階で泌尿器科を受診するようにしてください。
尿道炎の原因は、淋菌やクラミジアが多いのですが、他の菌が原因の場合もありますし、複数の菌に感染している可能性もあります。
感染したままの放置や自己判断・治療は、状態を悪化させる可能性があるため、とても危険なのです。自己判断で市販薬などを使用することは避けるようにしてください。

尿道炎の原因は、尿検査だけで分かります。
尿道の粘液や分泌物を綿棒で採取するなど、痛みや羞恥心が伴う検査を受けることは、ほぼないとされています。
また、最近では受診する人に配慮し、男性スタッフのみの泌尿器科もあります。
早めに検査を受け、原因を特定し適切な治療を受けることで尿道炎の慢性化や原因菌の感染拡大を防ぐことが出来るのです。

まずは専門医に相談を

新宿駅前クリニックでは、皮膚科・内科・耳鼻科・泌尿器科を併設しており、平日夜19時まで診療を行っている専門の医療機関です。

メディア・記事の監修ドクター:新宿駅前クリニック院長 蓮池林太郎