淋病の治療法は点滴・注射か内服薬!正しく治す方法を解説します。

淋病の治療方法は点滴か注射か飲み薬?

淋病は症状がわかりやすく、治療も行いやすい性感染症です。
しかし、淋菌は薬剤耐性菌がどんどん増えているため、正しい抗生物質(抗菌薬)で治療しなければいつまでも治らない、などといった状況に陥ってしまうケースもあります。淋菌を体内に残したままでは、自分自身が感染経路となりパートナーや周囲の人々に感染を広めてしまう危険性があります。

淋病の治療には、飲み薬による経口薬治療と、静脈注射や点滴による治療、筋肉注射を用いた治療の3種類が存在します。それぞれ、使用する薬剤や治療にかかる期間が異なるため 、症状に応じた適切な治療を判断してもらわなければなりません。

医師の判断を仰ぐ前に、ある程度治療方法を確認して、診断結果を聞いたときに混乱しないようにしておきましょう。

抗生物質が治療の鍵

淋菌感染症は淋病とも呼ばれ、性行為によって感染する性感染症(STD)の一種で、男女共に感染の可能性があります。

淋病の治療には抗生物質が使用されます。
飲み薬を使用した治療方法が一般的でしたが、今では静脈注射・点滴や筋肉注射といった治療方法も行われるようになりました。これは、血液中の抗生物質濃度が高ければ高いほど効率的に淋病治療が行えるからです。

治療方法に男女の違いはある?感染場所の違いは?

抗生物質を使用した治療法は、男性も女性も同じ方法で行われます。
原則として、男女どちらかが感染したとしても、パートナーがいる場合はその相手にも感染している可能性が高いため、2人で受診や検査、治療を行うことが推奨されています。片方が治療をしても、もし相手が感染していれば性行為によって再感染してしまう(ピンポン感染)といった状況が繰り返されてしまうからです。

男女で治療法の違いはありませんが、感染した部位によって治療の方法や治療回数が変わります。尿道や女性器などの感染には、点滴や筋肉注射、内服薬が使用されます。悪化している場合には、治療の回数が増えることもあります。咽頭感染している淋菌性咽頭感染症の場合は、静脈注射・点滴や筋肉注射で治療がおこなわれることが多いです。その他に、目に感染している淋菌性結膜炎の場合には目薬を処方されることがあります。

飲み薬か点滴か筋肉注射で治療する

飲み薬

かつて、淋病の治療は経口薬(飲み薬)によって抗生物質を摂取する方法が一般的でした。しかし、近年、淋菌の中に経口薬の抗生物質に対して耐性菌が増えてきたことにより、飲み薬のみの治療はあまり行われていない傾向にあります。

ですが、症状が軽度な場合や正しい抗生物質を使用した場合であれば経口薬も十分な効果を発揮する治療方法です。

淋病に使われる飲み薬はどんな抗生物質か

経口摂取による治療には、アジスロマイシン系抗生物質が主に使用されます。特にジスロマックという薬が多く処方されています。 ジスロマックは淋菌感染症と重複感染しやすいクラミジア感染症にも効果があるからです。その他にも、ミノサイクリン系抗生物質なども処方されています。
淋菌性尿道炎が併発している場合、アモキシリン系抗生物質が高い効果を発揮します。

飲み薬のみで治療を行う場合には、約2週間程度服薬を続けなければなりません。
もし途中で症状が治まったからといって自己判断で服薬をやめてしまうと、中途半端に琳菌が潜伏したままになってしまい、二次感染を広げてしまう恐れもあります。また、抗生物質を中途半端に摂取すると、淋菌に抗生物質に対しての耐性が生まれ、内服を再開したとしても効果が無くなることもあります。服薬治療の場合、指示された期間は必ず守ってください。

薬は病院でもらう?薬局でも手に入るの?

抗生物質は病院・クリニックなどの医療機関で治療を受け、医師の指示による処方箋によって手に入れることができる薬剤です。
個人輸入などの利用で手に入ることもあります。しかし、処方箋を介していない薬の服用は副作用の補償がない、原因菌に効く抗生物質ではなく治療できていない、などのリスクが高いので淋病の治療は医療機関で行い、薬は医師の処方箋によって指示とおりに内服してください。

いつまでなら飲み薬で治る?

症状が軽い内(初期)であれば、飲み薬だけで淋病治療を行うことができるケースもあります。しかし、淋病が悪化し、血管に淋菌が浸入し身体の中に広がってしまった場合は点滴や注射による治療を行わなければ治らないこともあります。症状が重篤化する前、なるべく早いうちに治療を行うようにしましょう。

静脈注射・点滴

現在、淋病治療で多く利用されている治療法が、静脈注射や点滴での抗生物質投与です。抗生物質を直接血管内に流し込むため、血中の抗生物質の濃度が格段に上がり効率的に淋菌の繁殖を抑制し、死滅させることができます。

また、飲み薬と違い、1回~数回の静脈注射・点滴で治ることもメリットとして挙げられます。
ほぼ9割の淋病感染者が短期間で完治する傾向にありますが、中には薬剤耐性菌が残っている場合や、症状が重篤で完治していない場合もあるので、治療が終わってから確認検査を行うことになります。

静脈注射・点滴で使う抗生物質の種類とは?

点滴には、セフトリアキソンやセフォジジムといったセフェム系抗生物質が使用されます。抗生物質の種類はたくさんあるので他の薬剤を使用することもできますが、現状では淋菌の点滴治療で健康保険が適用される薬剤は、セフトリアキソン、スペクチノマイシン、セフォジジムの3種類 だけです。

特にセフトリアキソンは咽頭に感染している淋菌も同時に治療することができるので、淋病の治療では第一選択薬として選ばれています。

治療の期間や時間と通院回数の目安

点滴での治療は、よほど症状が進んでいない限り1回の静脈注射や点滴で終了します。点滴の時間は長くても30分程度なので診察時間を加えても1時間~2時間程度で治療することができるでしょう。

静脈注射・点滴から医師の指示に従い、再度病院で淋菌がいなくなっているかの再検査(確認検査)を行います。この検査によって淋病が治っている、と判断されれば完治というわけです 。点滴は1度で高い効果があり、すぐに症状が治まることもあるのですが症状が治まったからといって淋菌が死滅しているとは限らないので、確認検査は必ず行うようにしください。

治療を受けに行った時、かなり症状が進んでいる場合には入院することや、数回点滴を打つこともあります。

いつまでに治療すれば静脈注射で治る?

静脈注射や点滴での淋病治療は、症状が出てからある程度経っても行うことができます。しかし、淋病は長期間放置していると血流に乗って全身に淋菌が蔓延し、感染部位以外に不調が起こる可能性が高い病気です。

また、尿道を通って淋菌が浸入することで、男性は精巣上体炎になる可能性があり、女性の場合は骨盤内の炎症疾患が起こると、例え完治しても不妊などの後遺症が残ってしまう場合があります。

いつでも治せると治療を遅らせるのではなく、感染の疑いを感じたらすぐに受診・検査を行い、治療を受けるようにしてください。

筋肉注射

静脈注射・点滴と同じく、淋病の治療方法として推奨されているのが筋肉注射です。筋肉注射は臀部などの筋肉から、注射によって抗生物質を投与し、治療を行うという方法です。

もちろん症状にも寄りますが、ほとんどの淋病患者が1度の注射で治療が終了となる非常に簡単で効率的な治療です。

使用する抗生物質の種類

筋肉注射には、スペクチノマイシンと呼ばれる抗生物質が利用されます。この抗生物質を1回の投与で2g注射します。症状が感染部位のみの比較的軽い淋病の場合、この1回で完治します。

治療はどこで何回くらい行う?

治療は病院・クリニックなどで行うことができます。
泌尿器科や性病科、婦人科などを受診してください。

通常1度の注射で治療は完了しますが、精巣上体炎や骨盤内炎症性疾患を発症している場合には2gの投与を行った3日後に臀部の両方に2gずつ注射するなどの継続的な投与を行うようになります。
注射の回数は発症している部位や病気によって異なるので、実際に診察した医師が判断します。

いつまでに治療すれば筋肉注射で治る?

筋肉注射は比較的重症化した淋病でも治療できる治療方法ですが、遅くなればなるほど治療に時間がかかり、完治までの道のりも遠くなってしまいます。

男性は早くて2日後、遅くとも1週間前後で症状が出始めるので、自覚したらすぐに治療を行ってください。女性は症状が出にくく発覚が遅れることが多いので、パートナーからの申告があったら自覚症状が出ていなくても病院に行くようにしましょう。

薬の副作用

飲み薬の副作用

飲み薬で利用されるマクラロイド系の抗生物質にはめまいや下痢、嘔吐といった副作用が起こることがあります。また、テトラサイクリン系やニューキロノン系の抗生物質は、光源過敏症といった副作用も報告されています。

静脈注射の副作用

点滴薬であるセフトリアキソンには、腹痛、貧血や意識障害といった副作用が挙げられます。重篤なものになると急性腎不全や間質性腎炎、黄疸などの副作用もあるようです。

筋肉注射の副作用

筋肉注射に利用されるスペクチノマイシンには悪寒や腹痛といった副作用が認められています。また、注射部位にかゆみや紅斑が発生する場合もあります。

しっかりと治すことが大切

淋菌は今も感染者数を増やしている性感染症です。そのため、多く利用されている抗菌剤に対しても、薬剤耐性菌が発生するスピードが速まり効かない抗生物質がどんどん増えているという現状なのです。

体内の淋菌も、たとえ最初の内は抗生物質で治療できる菌だったとしても、半端な治療などを続けていると抗生物質が効かない耐性菌に変わってしまうかもしません。

自己判断で放置や治療を行わず、適切な治療を受け自分の症状に合った治療方法で完治を目指してください。
また、性感染症予防のためにもコンドームの装着を徹底するなどの予防法を行なってくださいね。

まずは専門医に相談を

新宿駅前クリニックでは、皮膚科・内科・耳鼻科・泌尿器科を併設しており、平日夜19時まで診療を行っている専門の医療機関です。

メディア・記事の監修ドクター:新宿駅前クリニック院長 蓮池林太郎