「喉の風邪だと思っていたら…『咽頭淋病』だった」

咽頭淋病

「淋病」と聞くと、古い時代の性病と思われがちですが、最近日本では、この淋病が増加傾向にあります。そして、その感染経路が多様化しており、オーラルセックスが原因による、のどの淋菌感染症である、「咽頭淋菌」も増えています。
この増加傾向にある淋病ですが、男性・女性共にさまざまな疾患をもたらし、放っておくと更に重大な疾患につながる可能性があるのです。
ここでは、淋病の症状やその検査法、治療法といったことについてのお話ししていきたいと思います。

性行為以外でも感染してしまう淋病

「淋病(りんびょう)」とは、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)というソラマメを対にしたような形をした細菌が原因で起こる、性行為感染症(STD)のひとつです。「淋」という字は「したたる」という意味で、淋菌感染症とは「尿道から膿(うみ)がしたたる病気」ということを表しています。
男性では急性前部尿道炎の形で始まることが多く、非常に感染力が強いためか、早い場合には感染後12時間、遅い場合でも感染後3ヶ月以上の潜伏期間を経た後、排尿時の痛みや尿道口からの膿汁の排出が起こったりします。そしてこの状態を放置した場合、更にはその先の前立腺、精嚢腺、副睾丸へと炎症が波及してしまい、造精機能が障害され、(男性側の)不妊症の原因になることもあるのです。一方、女性の場合は膣の表面が重層扁平上皮で厚く覆われているため炎症が起こりにくく、子宮頸管炎による膿汁によって膣炎を起こす程度であるため、罹患してもそのおよそ6割の人は無症状で気が付かないことが多いと言われております。
このような淋病ですが、感染力は非常に強く、たった1回の性行為でもおよそ30%の確率で感染が起こると言われています。また、最近では通常のセックスでの感染だけではなく、アナルセックスによる肛門直腸感染や、フェラチオなどのオーラルセックスによる咽頭感染が増加しているのです。

咽頭淋病の危険性について

近年、特にフェラチオなどのオーラルセックスによる淋菌の咽頭感染が、増加傾向にあることが注目されています。性器から淋菌が検出された場合のおよそ30%の確率で咽頭からも検出されているとされています。この場合、無症状のことが多いためか、知らず知らずに自分が感染源となってしまうケースや、時として発熱などを伴う咽頭炎や扁桃炎を引き起こすため、「あれ、喉の風邪かな?」などと勘違いしてしまうケースも多く見受けられるようです。

淋病の恐ろしさを知る

近年増加傾向にある「淋病」ですが、最近では抗生剤が効かない「スーパー淋病」というものが増えてきているようです。この恐ろしい淋病について、ここではもう少し詳しく説明していきたいと思います。

 「淋菌性尿道炎」

セックスをしてからおよそ一週間までの間に、色の非常に濃い、かつ、大量の膿(うみ)が尿道口から出てきた場合には、この「淋菌性尿道炎」が疑われます。
また、膿とともにオシッコをするとき、非常に強い痛みを感じることがあります。
そして驚くことに、この淋菌性尿道炎の方の20~30%に「クラミジア」が合併して感染しているともいわれています。(*「クラミジア」は淋菌とは違う別の性病感染のことです。咽頭クラミジアというものもあります)

「淋菌性精巣上体炎」

淋菌性精巣上体炎は、治療をせずそのまま放置することによって、精巣に炎症が起こります。
まずは片方の精巣に炎症が起こり、そのまま放置することによって、もう片方にも炎症が波及してしまうのです。そしてその後たとえ治療したとしても、無精子症になってしまう可能性がでてきてしまいます。

早期発見・早期治療が一番大事!!

このように非常に怖い淋病ですが、なんといっても一番大切なのは早目の発見と早目の治療!です。
ここでは淋病の検査と治療についてお話します。

「淋病の検査方法」

(尿検査)
尿を採取し、尿沈渣(にょうちんさ)という検査をします。顕微鏡で尿中の成分を調べる検査なのですが、淋病に罹っていた場合、白血球が多量に認められます。
また、特殊な染色液で尿成分を染めることにより、淋菌自体を確認することができます。

(PCR法)
PCR法(Polymerase chain reaction: PCR)とは、淋菌の遺伝子を増幅させることで確認できる、非常に高感度な検査法です。この方法は、淋菌の数が少ない場合でも検出することができます。

【咽頭感染の場合】
淋菌の咽頭感染の場合には、スワブという細い綿棒を咽頭内に入れ、表面を軽くこすって、咽頭ぬぐい液を採取し検査します。この場合もPCR法やSDA法といった検査方法で検査します。

「淋病の治療」

一般的に淋病感染者に対しては抗生物質を使用した薬物治療を行います。ペニシリンによく効く淋菌に対しては、ペニシリンを治療薬として使用し、他にもスぺクチノマイシンやセフォタキシム、セフォペラゾンなどの抗生剤が使われたりもします。
また、これらの抗生物質による治療は本人だけではなく、セックスパートナーにも同時に使用することが大切です。

まとめ

日本は先進国のなかでも唯一、淋病が増加傾向にある国です。このように淋病が流行した背景には、コンドームの不使用や性行為の多様化が挙げられます。また、淋菌自体が各種の抗生剤に耐性をもってきたことが原因となっているようです。
このように増加傾向にある淋病に、ご自分が少しでも罹っていると思われたなら、一度検査を受けてみてはいかがでしょうか。性風俗を利用したことのある人や、不特定多数の相手と性行為を行うなどした人は、特に注意が必要です。その際には、クラミジア感染症やカンジダ感染症などについても、検査したほうがいいとされています。
また、パートナーにも正直に打ち明けて、是非、一緒に検査を受けることをお勧めします。

まずは専門医に相談を

新宿駅前クリニックでは、皮膚科・内科・耳鼻科・泌尿器科を併設しており、平日夜19時まで診療を行っている専門の医療機関です。

メディア・記事の監修ドクター:新宿駅前クリニック院長 蓮池林太郎