淋病は自然治癒しない!放置した場合のリスク

淋病は自然治癒しない!

淋菌感染症(淋病)は自然治癒することはありません。

淋病は自然治癒しませんが、適切な治療を行えば完治する病気です。
完治しないうちに自己判断で治療をやめてしまう、症状が消えてきたから薬をやめるなどのケースが多く、淋病の原因菌である淋菌が体内に残っている状態で放置してしまう方がいます。また、淋病を疑いながらいろいろな理由で病院に行かず、放置してしまうということもあります。

ここでは、淋病を放置していることで起こるさまざまな危険性について説明していきます。

自然治癒はしない!

淋菌性感染症(淋病)は放置していて自然に治ってしまうことはありません。

淋病に感染していても、症状が治まり「治ったかな?」と感じることもあります。
しかし、それは表面上の症状が落ち着いているだけで、体内では淋菌が増殖し、感染が広がっている状態かもしれません。
「放っておいたら自然治癒した」などと思い込み、治療をしないで放置してしまうと、やがて取り返しのつかないことになります。

淋菌感染症の主な感染経路と症状

淋菌性感染症(淋病)は、性行為によって感染する性感染症(STD)です。
淋病の原因菌である淋菌は、性器や咽頭、角膜などの粘膜に感染し、体内に侵入していきます。

男性が感染した場合は、比較的早い段階で排尿時や勃起時に症状が現れます。
女性が感染した場合は、初期には症状が出づらく、発見が遅れやすいとされています。
咽頭感染が起こった場合は、風邪に似た症状であることから、淋菌感染症とは思わないでいることが多いです。

淋病の具体的な症状についてはこちらで解説しています。

治療せず放置した場合は上行性感染を起こす

淋病は適切な治療を行えば比較的早い治療期間で完治させられる性感染症です。
しかし症状に気づかなかったり、治療を後回しにしてしまったりすると、菌が体内の奥にまで侵入し、後遺症を起こす、重い病気を引き起こすなどの可能性があります。

男性は「淋菌性精巣上体炎」になる可能性

男性器に淋菌が感染すると最初に起こる病気が「淋菌性尿道炎」です。
尿道に淋菌が感染すると、粘性が強く黄色や黄緑色をした膿が出ます。尿道炎を起こすと排尿時や射精時に強い痛みを感じるようになります。

淋菌性精巣上体炎

淋菌性尿道炎を放置していると、尿道に侵入した淋菌が体内を進んでいき、精巣に到達します。
精巣には、精子が通るための精巣上体という小さな器官があり、尿道を逆行した淋菌は、初めにこの精巣上体の内部で炎症を引き起こします。
これが、「淋菌性精巣上体炎」という病気です。
初期の段階では、睾丸(金玉)に軽い痛みを感じる程度ですが、さらに放置して淋菌が両方の精巣上体を炎症させると、強い痛みや発熱が伴うようになります。さらに、陰のう(玉袋)の中に膿がたまり、歩くことが困難になるほど悪化してしまうことがあります。

男性不妊の原因にも

精巣は、精子を作る重要な器官です。
しかし、精巣が淋菌に侵されることで、精子を作り出すための精細胞が死滅し、健康な精子を作る機能が低下してしまいます。このような状態が続くと、精巣機能や射精機能が低下し、男性不妊の原因になるとされています。

女性は「骨盤内炎症性疾患」の危険性

女性器の場合、性器の粘膜に感染した淋菌は膣から、子宮頸管へと逆行していき、子宮頸管炎が発症します。女性の淋病は男性に比べて自覚症状が出にくく、感染を起こしていることに気付かないということが多くみられます。

骨盤内炎症性疾患

女性は淋病の感染を放置していると「骨盤内炎症性疾患」といわれる病気につながっていきます。
淋菌性子宮頸管炎を適切な治療をせずに放置した場合、淋菌はさらに身体の奥へ進み、子宮内膜や卵管など内性器に侵入し炎症を広げていきます。こうした、骨盤内の女性内性器や腹膜などに淋菌が感染し起こる炎症(疾患)を、総称して「骨盤内炎症性疾患」といいます。
骨盤内炎症性疾患は、症状が進行するに従って発熱や下腹部痛が強くなっていきます。また、おりもの(帯下)に膿が混ざる、おりものから悪臭がするなどの症状も多く見られます。

女性不妊の原因にも

女性の骨盤内には、妊娠・出産をするための重要な役割を持つ大切な臓器があります。それらの臓器が淋菌に侵されると機能が正しく働かなくなり、たとえ完治した後でも女性不妊や子宮外妊娠などの後遺症を残す可能性が高くなります。

淋菌は肝臓などの組織まで

女性の場合は、さらに病気が進行し炎症が広がっていくと、肝臓周辺の組織まで感染範囲が広がり、「肝周囲炎」という合併症が起こることがあります。

播種性淋病感染症

淋病が内性器や臓器に広がるまで放置していると、「播種性淋菌感染症」という病気が起こす可能性があります。
人間の身体の中を流れる血液は、本来であれば無菌状態を保っています。しかし、血液中に淋菌が浸入する菌血症になると、菌を含んだ血液が体内をめぐることで全身に感染が広がってしまいます。
播種性淋病感染症を発症すると、発熱や倦怠感の他に、関節が熱を持ち曲げられなくなるなどの症状が起こります。

重複感染しやすい病気は?

淋病を放置すると、合併症の危険だけではなく、その他の性病に重複感染(同時感染)しやすくなるという危険も高まります。

淋病を放置すると重複感染の危険性が高まる

淋病によって、感染部位の粘膜が免疫力の低下を起こすことにより、感染経路が類似している性感染症(性病)のウイルスや菌類に侵されやすくなってしまいます。

増加傾向にあるクラミジア感染症

特に淋菌感染症と重複感染することが多い性感染症が、クラミジア感染症です。クラミジアと淋病の重複感染者数は増加傾向にあります。この2つの感染症に重複感染していた場合は、一般的に、増殖力が強く耐性を持ちやすい淋病の治療(抗生物質による薬物療法)を優先して行われます。

梅毒やHIVに感染している可能性が!

性行為によって感染する性感染症は、すべて重複感染の可能性があるということを忘れないようにしましょう。性感染症の中には、梅毒やHIVなどの命にかかわる感染症もあります。

性病検査の検査方法では複数の項目を受けることも

淋病などの性病検査を行う際には、感染が考えられる病気の検査項目を同時に行なっておくこともポイントです。(梅毒やHIVは潜伏期間などの関係により同時検査を受けられないこともある)重複感染を確認し、もし他の病気に性病感染していても治療法を受けられるようにしましょう。
通販など、自宅で行うことができる性病検査キットでも、複数の性病がチェックできるのもこういった理由があるからです。

最後まで治療することが大切

淋病の治療を自己判断で終わらせてしまった、淋病に感染しているかもしれないなど、心配な方や心配な時は専門家である医師に相談することをおすすめします。
性病科や泌尿器科(女性なら婦人科)の病院やクリニックなどの医療機関への受診が先決です。検査を行い、診断された場合は早期治療につなげることができます。

治療を始めたら医師の指示にしたがい、服薬や感染拡大につながる行為は避けて、完治するまで治療方法を続けてください。
自分が感染源となることなく、大切なパートナーや周りの方々のためにもつながります。

まずは専門医に相談を

新宿駅前クリニックでは、皮膚科・内科・耳鼻科・泌尿器科を併設しており、平日夜19時まで診療を行っている専門の医療機関です。

メディア・記事の監修ドクター:新宿駅前クリニック院長 蓮池林太郎