放置しないで!性病に使用する薬の種類と治療方法・期間についてまとめ

性病で使う薬・治療方法・期間まとめ

性行為によって感染する性病には、多くの種類があります。「性病」と聞くと、治らない病気という印象をもつ方もいるかもしれません。
しかし、ほとんどの性病は早期発見・早期治療によって完治が可能な病気です。

ヘルペスなどの完治が難しい病気でも、正しい治療を行うことで上手に付き合っていけるといわれています。

ここでは、性病に使用する薬の種類や治療方法完治や症状が改善されるまでにどれくらいの期間がかかるのかをまとめていますので、参考にしてみてください。

目次

主な性病の治療方法一覧
各性病の治療期間
市販薬で完治する性病はほとんどない
昔性病治療で知っておきたいコトとは
まとめ

主な性病の治療方法一覧

性病別・治療方法について

性病の種類によって異なる薬や服用方法、治療方法。
まずは、一般的な性病7種類についてどんな治療を行うのか、治療に使用する薬にはどんなものがあるのかなどを解説していきます。

梅毒:ペニシリンの服用

梅毒の治療はペニシリン系の抗生物質を一定期間服用する方法で行われます。
治療には経口合成ペニシリン(アモキシシリンなど)が使用され、1回500mgを3回が1日の服用量は推奨。
抗生物質の服用期間は病期によって異なります。

また、ペニシリンでアレルギーを起こす人や妊娠中の人は、塩酸ミノサイクリンなど状態と体質に合わせた別の抗生物質によって治療を行うこともあります。

クラミジア:抗生物質の服用

クラミジア の治療には主にマクロライド系、キノロン系、テトラサイクリン系といった抗生物質の中から、症状によって適した抗生物質が使用されます。

クラミジアの治療では一度に大量の抗生物質を体内に入れる必要があります。それは、抗生物質の血中濃度を高めることでクラミジアの原因ウイルスを死滅させるためです。
薬を何度かに分けて少量ずつ服用する、間違った量の抗生物質を服用するなどしても、クラミジアを体内から駆除することはできません。

現在クラミジアの治療でもっとも使用されているのはマクラロイド系のジスマロックという薬剤。この薬は1度の服用で長期間体内に作用し続けるため効果的に治療を行えるとされています。

淋病:点滴・筋肉注射・抗生物質

淋病はその感染部位によって、治療で使われる抗生物質や治療の回数が異なります。

尿道炎や子宮頚管炎の場合は、セフトリアキソン・スペクチノマイシン・セフォジジムのいずれかを1度だけ使用する単回投与と呼ばれる治療法が用いられます。この場合、抗生物質は点滴や静脈注射、筋肉注射のいずれかで投与されます。

咽頭に感染している場合は、セフトリアキソンの単回使用か、セフォジジムの複数回使用で治療が行われます。
咽頭炎の場合には、点滴か静脈注射のどちらかになるとされています。

淋病が進行し、精巣や骨盤内部まで炎症が広がっている場合は1度の治療では終わらずに、複数回注射や点滴が行われます。

カンジダ:抗真菌剤の塗布

カンジダの治療は基本的に性器に対して抗真菌剤の塗布を行うというものですが、男女によって微妙にその治療方法が異なります。

まず、男性の場合には抗真菌剤イミダゾール系のクリーム・軟膏を処方され、性器に塗布します。女性の場合は、軟膏やクリームの他に膣の中に薬を塗りこむ膣錠や、飲み薬を処方されることもあります。

どちらの場合も、薬の使用と同時に性器を清潔に保ちカンジダ菌の増殖を防ぐセルフケアが重要となります。

単純ヘルペス:抗ウイルス薬

単純ヘルペスはヘルペスウイルスの増殖により症状が発生するので、治療には増殖を抑える抗ウイルス薬が使用されます。
抗ウイルス薬は、潰瘍箇所に直接塗りこむ軟膏やクリームといった外用薬や、錠剤タイプの飲む経口薬が多く使用されます。体内の免疫力が極端に低下している場合や、薬の服用で症状の改善が見られない場合は、点滴が行われるケースもあります。

また頻繁に症状が発症する人に対しては、日常的に抗ウイルス剤を服用し、発症を抑える「再発抑制療法」と呼ばれる治療も効果的とされています。

尖圭コンジローマ:抗生物質・外科手術・冷凍凝固法・レーザー

尖圭コンジローマの治療方法で行われる2種類の方法。

1.抗生物質を使用した薬物療法
2.直接症状で現れたイボを取り除く外科療法

薬物療法では一般的にベセルナクリームといわれる軟膏が使用されます。
この軟膏はイミキモドと呼ばれる成分が含まれており、ウイルスに対する免疫を高め、ウイルスの増殖を抑止する効果があります。
ベセルナクリームは皮膚に副作用が起こる場合があるので、頻繁に塗る・患部以外の皮膚に塗ることは避けなければなりません。塗り方や塗る頻度は医師の指示に従いましょう。

次に、イボを直接取り除く外科療法についてです。外科治療ではいくつかの方法でイボの切除を行います。

ひとつ目は液体窒素を当てることで患部ごと凍らせウイルスを死滅される凍結療法。麻酔が要らないため、比較的小さなイボや狭い範囲の治療に適してます。

ふたつ目は麻酔を使用し行う治療として、電気焼灼とレーザー蒸散という治療方法。どちらも患部の周囲に麻酔をして、電気メスやレーザーでイボを取り除くというものです。

毛じらみ:医薬品シャンプー

毛じらみの治療には、国内で治療薬として正式に認可されている「スミスリンパウダー」や「スミスリンシャンプー」という医療用品を使用します。
これらは一般市販薬なので、薬局などで購入することも可能です。

毛じらみの駆除はできますが、ケジラミの卵に対しての効果は薄いため、何回か繰り返し使用することで孵化した毛じらみを駆除していきます。

毛じらみが陰毛だけに感染している場合は、陰毛をすべて剃ってしまうことでさらに完治へのスピードが速まります。
しかし、体毛や頭髪などにも感染が広がっている場合があるため、かゆみはあるが毛じらみかわからない場合には皮膚科などを受診し、治療方法を確認してください。

各性病の治療期間

性病の治療にかかる期間について

それぞれの性病について、行われる治療方法についてはご理解頂けたでしょうか。しかし、それぞれの治療方法は1回行えば治るというわけではありません。性病の治療の最終目標は病気の完治です。そのためにはそれぞれの病気、症状に応じた適切な治療期間を守る必要があります。
それでは次に、各性病の完治までにかかる一般的な治療期間について見ていきましょう。

梅毒

梅毒には4つの病期があります。病期が進行すればするほど症状は悪化し、それに伴い治療に時間がかかる場合も。

まず、感染3週間~3ヶ月頃までの第1期で治療を始めた場合、2週間〜4週間程度の治療期間がかかります。
その後、3ヶ月~3年後の第2期に差し掛かると、治療期間も4週間~8週間とおよそ2倍に伸びてしまいます。

さらに、その後の第3期以降は8週間~12週間の治療期間を要します。ただし、第3期や第4期頃になると進行状況によっては、完治させることは難しい状態で、抗生物質の服用で病気を治すことができなくなっている場合があります。

クラミジア

クラミジアの治療期間は、薬を服用してから約1カ月程度です。
ジスマロックを服用した場合、薬は約1週間程度体内で作用を続け、クラミジアの原因菌を駆除してくれますが、薬を飲んだからと言って治療が終わるわけではありません。

服用から約3~4週間後、病院で再検査を行い、クラミジアの原因菌が確認されないことが証明されてはじめて完治となります。
症状が出なくなったからといって再検査に行かずに治療を終わらせると、体内にクラミジア菌が残ってしまい、再び症状が現れる可能性があるので、再検査で確認されるまでしっかり病院に通うようにしてください。

淋病

淋病の治療期間は、長くても約1週間程度とされています。これは体内で抗生物質が淋病を駆除するのに必要な期間で、多くの場合は1週間で体内の淋病はほとんど死滅するとされているからです。

しかし、体内で抗生物質に対する耐性がある菌が生まれた場合や、もともと耐性のある菌に感染していた場合などは治療期間が長引く可能性もあります。

さらに、淋病は菌が駆除されたからといって治療が終わるわけではありません。
淋病の治療は治療から約10日後、身体の中で淋病が死滅しているかを確認する
「再検査」を行う必要があります。
まれに、治療を行っても淋病が駆除しきれず、再び増殖を始めている場合があるからです。

淋病の治療はこの再検査によって「完治が確認されるまで」と覚えておくといいでしょう。

カンジダ

カンジダは、治療をはじめて数日で症状が改善することが多い性病です。治療自体も1~2週間とそれほど長い時間は必要としません。
ただし、1~2週間の治療を行っても症状が改善しない場合も。その場合には医師の判断で薬を変える場合や、治療方法を変更し治療しなおす場合もあります。

単純ヘルペス

単純ヘルペスに感染しはじめて症状が発症した場合、正しい治療を行えば約1週間程度、長くても2週間で症状が改善されるとされています。
ただし、発熱やリンパ節の腫れなど症状が重く出ている場合には、3週間程度かかることも。

単純ヘルペスは免疫力の低下によって再発することがある病気ですが、再発は初感染の発症に比べ症状が軽くなる傾向にあります。そのため、治療期間も約5日~1週間程度と短めになることも多くなります。

単純ヘルペスは一度感染すると完治することはありません。この治療期間は増えてしまったヘルペスウイルスの数が減って、症状が改善するまでの期間となります。

尖圭コンジローマ

レーザー治療などでイボを切除したからと言って、尖圭コンジローマが完治したかと言えばそうではありません。尖圭コンジローマが完治したと判断されるのは、粘膜などから摂取した細胞にウイルスがいないか検査をして、確実にウイルスがいなくなっていることが確認された時です。

尖圭コンジローマの治療は一般的に1ヶ月~2ヶ月程度と言われています。その後、経過観察と検査には短くて3ヶ月、長い時には半年かかることもあるため、完治までの治療期間は9ヶ月~1年程度を考えておくといいでしょう。

毛じらみ

毛じらみは、成体自体の寿命は1カ月程度と短いのですが卵を生み増えていくので、一定期間治療を続けなければ完治しません。

一般的には、孵化サイクルに合わせて3、4日に1回のペースで医療用シャンプーを行えば約2週間程度で完全に駆除されるとされています。
「治療期間をとにかく短くしたい」という場合には陰部の毛をすべて剃ってしまうという方法もあります。毛を剃ることで寄生する場所が無くなるので、数日で改善の兆しが見えることが多くなっています。
ただし、他の箇所に寄生が広がっている場合もあり、その場合は陰部の毛を剃るだけでは治らないので、注意が必要です。

市販薬で完治する性病はほとんどない

性病は市販薬では治らないの?

性病の薬はインターネットなどで購入できる場合があります。カンジダの治療薬など薬局でも販売している場合があるので見たことがある方もいるのではないでしょうか。

しかし、ここまで紹介した性病のほとんどは市販薬を飲んでいるだけでは完治できません。自分で手に入れた薬や抗生物質を服用して症状が改善した、と感じてもそれは一時的なものに過ぎず、体内で原因菌やウイルスが増殖し続けている危険性があります。

また、梅毒などは病期の間に潜伏期間があり、症状が消えてしまいます。
「薬を飲んだら症状が無くなった」と、思っても潜伏期間に突入していただけという場合も。市販薬で行う自己判断の治療はとても危険ですので、医師による診察をオススメします。

ご紹介した病気のうち、唯一市販薬で完治が見込める病気は毛ジラミです。毛じらみの医薬用シャンプーは正式に効果が保証されているので、使い方が正しければ市販薬での治療も効果が高いでしょう。

しかし、どんなに正しく使用していると思っていても、間違った知識によって間違った治療を続けてしまっている場合も。たとえ市販薬で治るとされている病気でも病院で医師から指示をもらって治療することをオススメします。

正しい治療法を医師の指示で行い、効率的な治療と完治を目指しましょう。

性病治療で知っておきたいコトとは

性病の治療の際に気をつけたいポイント!

最後に、すべての性病治療において覚えておきたい「正しく治療するためのポイント」をご紹介します。

性病と疑われる症状が出た場合、性行為をしない

性病の症状というのは病気の種類によってさまざまです。梅毒のように全身に症状が現れる病気もありますが、初期の段階では性器やその周辺に違和感を覚えるケースが多いでしょう。
こういった症状が発症した時は、パートナーとの性行為は控え、すぐに検査を受けてください。

コンドームの着用は性病の予防にはなりますが、100%ではありません。検査の結果が出て、きちんと治療を行い病気が治るまでは性行為を行わないことが、性病感染を広げない最大の予防策です。

医師の診断を受ける

世の中にはインターネットを利用して、海外から医薬品を購入できる個人海外輸入という買い物の方法が存在します。
こういったサービスを利用すると、病院で診察を受けなくても性病の薬が手に入ることも。しかし、薬は医師が検査結果や症状の進行度を確認し、その時々に合った種類や量を処方します。

自己判断で合うと思った薬を買って飲んでいても、症状が治まるどころか、自分では治療しているつもりでもどんどん悪化してしまう事態にもなりかねません。

性病の治療は決して自己判断では行わず、医師の診断を受けて、指示された通りに行うようにしましょう。それが性病を治す一番の近道とされています。

放置しない

性病は、「病院で医者や看護師に説明するのも恥ずかしい」と感じる方もいるでしょう。そのせいで身体に違和感を覚えた、性病の感染に心当たりがあったとしても、なかなか病院に行かず放置してしまう場合も。

性病は放置して症状が悪化すると、大事な生殖器まで病気が進行して将来的に不妊などの後遺症を残すことがあります。それだけではなく、梅毒などの性病は最悪の場合には、命に関わる危険性も。
性病に感染したかもしれないと感じた時には放置せず、早めに検査や治療を開始しましょう。

治療や投薬は勝手にやめない

性病の中には治療を始めると症状が徐々に収まっていくものがあります。しかしツライ症状が治まったからといって、体内から性病の原因菌や原因ウイルスがすべていなくなったわけではありません。

性病の症状が治まっても体内にごくわずかでも原因菌やウイルスが残留していれば、それらが増殖することで性病が再発する危険性があります。

治療をして症状が治まると、「治った」と勘違いし、薬を服用するのが面倒になったり、再検査に行くのを忘れてしまったりという人も少なくありません。
こういった行動は結果的に長く性病に苦しむことになるのはもちろん、性病を移すリスクが高まります。

性病の治療や服薬は医師の判断にしたがって、医師がもう完治したというまで、決してやめずに続けるようにしてください。

まとめ

性病でも病気の種類によって注射や点滴を用いるもの、内服薬を服用するもの、塗り薬やシャンプーを使うものと治療方法はさまざまです。
症状によって治療期間や薬の量が異なるケースもあるため、自己判断の治療(内服等)はくれぐれも行わないようにしてください。

性病に感染してしまった時は、医師や泌尿器科の専門家の指示にしたがって正しく治療し、症状を悪化させないように心がけてくださいね。

まずは専門医に相談を

新宿駅前クリニックでは、皮膚科・内科・耳鼻科・泌尿器科を併設しており、平日夜19時まで診療を行っている専門の医療機関です。

メディア・記事の監修ドクター:新宿駅前クリニック院長 蓮池林太郎