性病はどうしたら感染する?感染経路と放置した場合のデメリットについて

性病の感染経路と放置した場合のリスク

性感染症(性病)は性行為によって感染する病気のことですが、初体験を終えていないから心配ないと思っている人も多いかもしれません。
しかし性病は、性器の症状だけでなく喉に感染し症状を引き起こすこともあるのです。
性感染症は放置すると悪化し、妊娠や出産に支障をきたすものもあるので、病気について理解しておくことが大切です。

そこで今回、性病にはどんな種類があるのか分からないという方も多いので、性感染症の感染経路や性病の名前などを一覧にまとめました。

もくじ

性感染症の主な感染経路
どんな症状を自覚したら検査を受けるべきか
感染しても放置しないで!放っておくと◯◯になります!
治療を始めたら注意したいポイント4選
まとめ

性感染症の主な感染経路

性感染症の主な感染経路について

性行為感染

性行為感染とは、セックス(性交渉)をはじめとする、あらゆる性行為によって感染を引き起こすもの。
ここで意味する「性行為」には、性器同士の接触やアナルセックス、オーラルセックスなどあらゆる行為が含まれます。

性感染症は、感染している性器に皮膚や粘膜、傷口などが接触することで感染します。
性行為感染で感染する性感染症は、梅毒、淋病、クラミジア、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、トリコモナス、カンジダ、HIVなどが挙げられます。

近年では男性同士の性行為や若年層の性行為による感染症患者数の増加なども問題になっています。

血液感染

血液感染とは、感染症に感染している感染者の血液が、非感染者の傷口などに触れることによって感染を引き起こすもの。血液中に存在するウイルスや細菌が直接入り込んでしまうため、感染力が強いことが特徴です。

分かりやすい例としては、注射器の使い回しなどが挙げられます。

血液感染を引き起こす性病は、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、HIVです。

これらの肝炎ウイルスやHIVは血液を介して感染を引き起こしますが、血液以外にも体液にウイルスが含まれているため性行為で感染することもあります。

粘膜感染

粘膜感染とは、口腔内や膣やペニスなどの性器、尿道、腸管、肛門などの粘膜から感染を引き起こすこと。粘膜は皮膚と違い細菌やウイルスに対するバリア機能が弱いため、感染を起こしやすいことが特徴です。

粘膜感染を起こす性病として、梅毒、淋病、クラミジア、ヘルペス、B型肝炎などが挙げられます。

また、クラミジアや淋病は、オーラルセックスによって喉の咽頭部分に感染を起こし、喉の痛みなどの風邪のような症状が見られます。

風邪と間違えられやすく、性感染症による咽頭炎かどうかは検査をしなければ判断しづらいのが現状です。

接触感染

接触感染とは、主に皮膚同士が接触することで感染を引き起こすもの。

「皮膚同士が接触することで性病になるの?」と、思った人もいるかもしれません。性行為などの皮膚が密着することで感染するとされている病気には、疥癬や毛じらみが挙げられます。

疥癬はヒゼンダニと呼ばれるダニの一種が皮膚に感染する病気であり、皮膚と皮膚が接触することで起こります。

毛じらみは、吸血性昆虫であり主に陰毛に寄生して発症します。性行為の際に、陰毛同士がこすれ合うことによって感染する場合があります。

この2つの病気は、主に皮膚から皮膚へと感染するものです。

梅毒やクラミジア、HIVなどの性感染症は、皮膚ではなく粘膜を介して感染するという特徴がありますが、感染している人の皮膚に触れることで性病を引き起こしてしまうケースがあります。

主に梅毒や尖圭コンジローマ、性器ヘルペスの場合は注意が必要です。

これらの性病では潰瘍や水ぶくれ(水疱)などの皮膚症状が見られますが、皮膚にできた患部が非感染者の粘膜や皮膚の傷口に接触することで感染する危険性があります。

特に、性器ヘルペスの場合は、水ぶくれの中の浸出液にウイルスが含まれているため、水ぶくれの中の液体に触れると感染してしまいます。

母子感染(垂直感染)

母子感染とは、妊娠・分娩・育児の中で母親から子どもに感染を引き起こすもの。

母子感染には、

  • 妊娠中に胎盤を通して感染を引き起こすもの
  • 分娩時に産道を介して感染するもの
  • 出産後の授乳時の母乳を介して感染するもの

などがあります。

母体の血液中にある病原菌が胎盤を通して、胎児の血液中に感染することを胎内感染

産道内に感染している病原菌や産道内の母体の血液中に存在する病原菌が新生児に感染することを分娩時感染といいます。

経母乳感染は、母乳の中に存在する病原菌を赤ちゃんが口から飲むことによって感染を起こすこと。
母子感染は、母親だけでなく子供にも影響が出てしまうことが特徴です。

知っておきたい感染する性病一覧

母子感染(垂直感染)を引き起こす性病としては、以下の性病などが挙げられます。

  • クラミジア
  • HIV
  • 淋病
  • 梅毒
  • B型肝炎
  • 性器ヘルペス
  • 尖圭コンジローマ

胎盤を介した胎内感染を引き起こす性病は、以下の性病が挙げられます。

  • B型肝炎
  • C型肝炎
  • HIV
  • 梅毒

分娩時感染が考えられる性病は以下の性病が挙げられます。

  • クラミジア
  • 淋病
  • HIV
  • B型肝炎
  • C型肝炎
  • 性器ヘルペス
  • 尖圭コンジローマ

また、母乳感染の場合はHIVなどがあります。

性感染症は、性行為による感染だけでなく、様々な感染経路によって感染が引き起こされます。
これら性病の特徴は、風邪やインフルエンザウイルスのように空気感染はしないことです。

どんな症状を自覚したら検査を受けるべきか

どんな症状が出たら検査するべき?

扁桃腺の腫れ 痛み

喉が痛い、扁桃腺の腫れたなどの症状があるときは、オーラルセックスによって急性扁桃炎を起こしていることが考えられます。

喉の痛みなど、扁桃腺の症状を引き起こす性病は梅毒、淋病、クラミジアなどです。

梅毒は、舌や唇、扁桃腺にできものが見られ、
淋病は喉の赤みや扁桃腺の腫れなどが発症。
クラミジアは、喉の赤みや扁桃腺の腫れが出る場合もありますが、ほとんど症状が出ないといわれています。

急性扁桃腺炎は風邪の症状にも似ているため区別がつきにくく、自分で判断することは難しくなります。

症状の一つとして、喉の奥の扁桃腺あたりに白い膿のようなものが付着していることもあります。これは白苔(はくたい)と呼ばれるもので、性病やそれ以外の原因があることが考えられます。

白苔という喉に膿を引き起こす性病は、淋病、エイズによるカンジダなどが挙げられますが、
見分けるには医師による診察が必要になります。

性行為後に喉の痛みや腫れなどを自覚したら、病院で咽頭部のウイルスを判定する検査を受けることをおすすめします。

精液に血が混ざっている

精液は白い体液ですが、血が混ざったように赤い精液が出ることがあります。見た目にインパクトが大きく、男性は驚き・不安になることも多いかもしれません。

この症状を血精液症と呼び、原因の多くが前立腺炎とされています。

前立腺炎とは、男性の前立腺に細菌が入り込み炎症を起こしてしまう病気です。症状としては性液に血が混ざるだけでなく、前立腺の腫れなどを起こします。
原因は、大腸菌などが多いですが、クラミジアや淋病の可能性もあります。

セックスやオーラルセックスが原因で感染してしまうため、病院を受診して判断してもらうことが大切です。
前立腺炎の検査は、尿検査や直腸診、血液検査などを行います。

性器に小さな赤いブツブツができて、痛みを感じる

性器に赤いブツブツや水ぶくれ、痛みなどを感じる原因は、性器ヘルペスであることが考えられます。

性器ヘルペスは、女性であれば外陰部や膣の入り口に見られ、子宮頸部に及ぶこともあります。男性は、ペニスの先や包皮、陰茎体部に症状が見られえることも。性器ヘルペスはセックスが原因で感染し、感染部位にヒリヒリ感や灼熱、強い痛み、潰瘍、排尿痛などの症状が見られます。性器ヘルペスは一度感染してしまうと再発することが特徴であり、早期の治療が必要になります。

最近では性行為の多様化により、口の中や唇にできるヘルペスが性器に感染することも珍しくありません。オーラルセックスが原因で、口から性器へ知らない間に感染してしまいます。

さらに、口の中や口周辺にできたヘルペスは、キスなど接触をすることで彼氏から彼女へと、パートナー間で簡単に感染してしまいます。ヘルペスは感染力が強く、一度感染してしまうとウイルスは体内に潜み続けるため注意が必要です。

ヘルペスの検査は、患部の診察(視診)が主な検査方法です。

性器から膿がでて、排尿時に痛みがある

淋病はクラミジアの次に多い性病で、男性の場合はほとんどの人に症状が見られます。尿道の違和感や痒み、強い排尿時痛、黄色から黄緑色のドロドロとした膿、勃起時の痛み、頻尿、ペニスが腫れるなどの症状が挙げられます。

女性の場合は、淋病に感染しても自覚症状が出にくいため重症化しやすいことが特徴です。自覚症状がないままに子宮頚管炎や子宮内膜炎、卵管炎、腹膜炎と重症化してしまい、不妊の原因になることも多いです。

淋病の検査は、血液検査や尿検査、おりもの、子宮内粘膜検査が行われます。

性器のかゆみや白いおりもの

性器の痒みや白いおりものが増える症状は、性器カンジダ症の可能性があります。カンジダは女性に多い病気の一つであり、膣内の常在菌バランスが崩れた時に発症するとされています。カンジダは女性の膣の中に存在する菌なので、普段は自浄作用を保っていますが、ストレスや免疫力が低下することによって症状が現れることがあります。

女性は外陰部や膣のかゆみ、ヨーグルト状のおりものの増加、痛み、性交痛などが見られ、男性は、ペニスのかゆみやただれ、小さな水疱などが見られることもありますが、男性の場合はほとんど症状が見られないことも。カンジダも再発する病気の一つであるため、気になる症状や異変があればすぐに受診することが大切です。

カンジダの検査は、おりものや膣の内膜を採取して行われます。

感染しても放置しないで!放っておくと◯◯になります!

感染したら放置しないで!

HIV

感染すると2週間ほど経ってからインフルエンザのような初期症状を発症するHIV。
インフルエンザに似た症状を引き起こし、感染から数年~10年以上経過するとエイズを引き起こします。エイズを引き起こした場合、カポジ肉腫や重篤な肺炎などを引き起こし、最終的には死に至ります。

ほとんどの人は発症に気づかず、およそ5年間ほど無症状になる場合や、長期間の発熱や体重減少、下痢や吐き気などの症状が見られることもあるため、早期検査・早期治療が推奨されています。

梅毒

梅毒に感染すると、3週間ほどで痛みの無い”しこり”ができ、放置していると消えてなくなります。

しこりが消えてから無症状期間があり、感染してから9週間ほど経つと”バラ疹”と呼ばれる湿疹が背中などに多数発生します。バラ疹が自然に消えた後に梅毒性丘疹に移行し、唇や喉の咽頭部分に症状が見られます。

そのまま放置していると数年単位でゴム腫と呼ばれる硬いしこりが見られるようになり、感染から10年ほど経過すると、末期症状になり全身の神経を侵され、日常生活が送れなくなり、やがて死に至ります。

放置すると死に至ることもあるので、梅毒の症状が出た・何か思い当たる行為があった場合は、医療機関に相談することが重要です。

クラミジア

クラミジアは感染者が多い性病の一つですが、女性は無症状のことが多いため感染に気がつかず悪化させてしまう人が多くいます。

女性の場合、初期症状が無症状のため、感染に気がつかず特定のパートナー以外の浮気相手などに感染を拡大させてしまう事態に。
クラミジアを放置すると、菌は増殖を続け、子宮頚管炎や卵管炎などの不妊の原因にもなります。

男性の場合は、尿道から白い膿が出るなどの症状が見られ、悪化すると尿道炎を引き起こし血尿が見られることも。
そのまま放置してしまうと前立腺炎や副睾丸炎を引き起こしてしまい、男性不妊の原因になることもあります。

男女共に、不妊になる可能性があるので放置せずに、医師の判断を仰ぐことを検討してください。

淋病

淋病に感染すると、男性は尿道炎になり、女性は子宮頸管炎になり不妊の原因になってしまいます。

男性の場合は、そのまま尿道から精巣へと侵入して強い炎症を引き起こし、痛さで歩けなくなることも。
このまま放置してしまうと両側の精巣上体にも症状が現れ、男性不妊の原因になります。

また、女性の場合は、初期症状は無症状のことが多いので症状に気がつかないことも。放置することで、子宮頸管炎を起こし、不正出血やおりものの増加が見られますが、淋病とは気がつかないこともあります。そのまま骨盤周囲まで症状が進行して腹膜炎を起こし、淋病は全身へと広がってしまいます。

放置した場合、不妊だけでなく命の危険性もあるため注意が必要。そのため早めに検査や受診をするようにしましょう。

性器カンジダ

腟カンジダは、免疫力が低下した時に発症する性病の一つ。軽度であれば自然に治ることもあります。

しかし、おりものの異常や強い痛み、かゆみ、排尿障害が見られる場合は重症化していることもあるため病院での検査をオススメしてます。カンジダだからと放置してしまうと、不正出血や性交痛、強い痛みで歩けないなどの症状が見られます。

カンジダは膣内だけでなく口腔内にも存在する菌なので、舌に白い苔のようなものが見られることも。腟カンジダ同様に免疫力が低下した時に発症が見られますが、通常の健康な人であれば発症することはありません。

カンジダが治らない場合にも、他の性病と同様に医療機関への受診が必要です。

性器ヘルペス

性器ヘルペスはヘルペスウイルスが原因によって引き起こされる病気です。

最近では性器同士の接触だけでなく、オーラルセックスによって唇にできたヘルペスが性器に感染することも増えてきました。
女性は生理がくると生理中はセックスができないため、オーラルセックスを行う人が増えたことで性器ヘルペスに感染する人も多くなっています。

性器ヘルペスは一度感染してしまうと症状が治っても菌は体内に存在したままで再発することが特徴。
特に、女性は出産時に産道感染を起こしてしまうため、自然分娩ではなく帝王切開での出産になってしまいます。帝王切開での出産は、子供の人数も限られてしまうため、将来に影響してしまうことになりかねません。

尖圭コンジローマ

尖圭コンジローマは痛みやかゆみがない、イボのような症状が見られますが、放置してしまうと感染部位が広がってしまいます。イボの数が増えたり、大きくなったりと重症化してしまいます。

男性の場合は、長期間放置して大きくなったイボがペニスを覆ってしまい排尿や射精が困難になることも。

女性の場合は、産道感染を引き起こす可能性があるため帝王切開での出産になってしまいます。また、尖圭コンジローマの原因となるヒトパピローマウイルスは子宮頸がんのリスクにもなるので、医師の診察を早めに受けることが大切です。

治療を始めたら注意したいポイント4選

治療をはじめた時の注意点!

治療を続けないと薬剤耐性菌ができる

性病の治療は、病状に合わせた内服薬を飲み続けることで症状を緩和したり抑えたりします。

治療の間に症状が治まったからと言って、医師の指示に従わずに内服を止めてしまう人もいますが、途中で内服を止めてしまうと耐性菌を作り出す原因に。

耐性菌とは、薬剤が効かなくなってしまう菌のこと。今まで効果があった薬に対して耐性を持った菌を作り出してしまうことによって、薬が効かなくなってしまうのです。

耐性菌を作り出さないためにも、最後までしっかり医師の指示通りに内服を続けることが大切です。

治療が終わるまで性行為を控える

性病は性行為によって感染します。

感染させないために必要なのは、治療が終わって症状が見られなくなるまで性行為は控えること。コンドームを使用してしても完全に防げるわけではありません。
また、患部を手で触ることによって相手の性器へと感染してしまうこともあるため、性行為は避けましょう。

ピンポン感染に注意

ピンポン感染とはパートナーが感染していた場合、一方が治療を行っても治療を行っていない方から感染してしまい、
お互いが感染を繰り返してしまうことを指します。
性病はデリケートな問題ですが、どちらか一方が発症した場合は、お互いに感染していると考えられるため、2人で治療を行っていくことが必要になります。

自然治癒する性病はない

性病は性行為によって感染する病気であり、自然治癒する病気はありません。
性病の中には、カンジダやヘルペスなど自然に症状が緩和されるものもありますが、体内から菌が自然に排出されることはありません。放っておくと治るのではなく悪化してしまうだけです。

まとめ

性病は性行為によって感染を起こし、自分だけでなくパートナーにも感染をさせてしまう病気です。

性病の起源は古く、日本では梅毒が江戸時代に流行し、現在に至ります。
現在では、性病に関する研究も進み治療法が確立され、早めに対処することで死に至ることは少なくなりました。

性病は自分だけの問題ではないため、ちょっとおかしいなと感じたらすぐに受診してパートナーとも話し合うことが必要ですね。

まずは専門医に相談を

新宿駅前クリニックでは、皮膚科・内科・耳鼻科・泌尿器科を併設しており、平日夜19時まで診療を行っている専門の医療機関です。

メディア・記事の監修ドクター:新宿駅前クリニック院長 蓮池林太郎