先天性梅毒とはどんな病気?症状と治療方法について

先天性梅毒の症状とは?

先天性梅毒という病気を知っていますか?
名前を聞いたことがない人も多いのではないでしょうか。

日本国内では年間20例にも満たないとされていますが、ここ数年で梅毒患者数が増加していることもあり、今後生まれながらにして梅毒に感染している赤ちゃんも増えていくのではないかといわれています。

ここでは、先天性梅毒の原因や症状などを細かく説明していくので参考にしてください。

先天性梅毒とは

梅毒は性感染症(STD)です。性病はあらゆる性行為によって感染します。

先天性は「生まれつき」という意味の言葉で、先天性梅毒とは、胎児の頃に母子感染により感染してしまった子供の梅毒を指します。

妊娠初期に検査する

日本では女性が妊娠すると妊娠初期(妊娠4ヶ月まで)に、血清学的検査で梅毒の血清抗体価をはかる検査を妊婦健診の中で行うことが必須となっています。

妊娠初期の段階で調べることはとても重要で、感染ルート(感染経路)である”経胎盤感染”を防ぐためです。妊娠初期に胎盤が作られるので、それ以前に治療法を開始する意味合いが込められています。

この妊婦検診が結果を示し現在ではほとんど先天性梅毒の新生児は見られなくなったとされています。

問題点

先天性梅毒の新生児は見られなくなってきたとご説明しましたが、近年、梅毒患者の報告数増加を受けて、先天性梅毒患児も報告数が増加しています。
国立感染症研究所は2014年には前年度の2倍の感染例が報告されたことで、警鐘を鳴らしています。

また、妊娠してから何らかの事情により妊婦健診を受けなかった感染者である妊婦の出産で、先天性梅毒の新生児が生まれることもあります。

早期先天梅毒

生後早期である3ヶ月以内から乳幼児期に発症します。

晩期先天梅毒

乳幼児期ではなく、学童期以降6~14歳ころに発症します。

どんな症状が出るのか?

先天梅毒は珍しい病気ですが、どんな症状が出るのかを確認していきます。

早期先天梅毒

  • 斑状発疹・丘疹や水疱疹などの梅毒疹などの皮膚症状
  • 骨軟骨炎や骨膜炎といった骨病変
  • 肝臓や脾臓肥大化
  • 発育不全
  • 全身性リンパ節腫脹・発熱・肺炎・鞍鼻・鼻閉や黄疸

など

晩期先天梅毒

・Hutchinson3徴候(はっちんそんちょうこう)
…晩期梅毒には、学童期以降に下記のような3つの徴候が表れます。この症状がでたら、先天性梅毒感染を疑います。

  1. 角膜実質炎:虹彩網様体炎を伴い、両目に発症し軽度から中度の視力障害
  2. 内耳性難聴:内耳の損傷により音自体を感じることはできるが聞き取れない、感音性難聴
  3. ハッチンソン歯:永久歯の上顎中切歯や上顎側切歯、犬歯などの切縁中央に欠損(半月状)

その他にも

  • ゴム腫
  • 口腔粘膜疹
  • 神経梅毒(中枢神経系)
  • クラットン関節・剣状脛

などの症状が見られたら、先天性梅毒の可能性が高いです。

治療や検査について

検査方法

母体の場合:妊娠初期(約4~12週)に血液検査で梅毒血清反応を検査。(STS法・TPHA法など)

胎児の場合:妊娠中期に超音波検査など。

新生児の場合:トレポネーマ抗体化を測定する、TPHA・IgM抗体検査など。

治療方法

ペニシリン(抗生物質)系薬剤の大量投与
※ペニシリン・アレルギーの場合には塩酸ミノサイクリンではなくアセチルスピラマイシンを使用

胎児への影響

母体が感染していた場合、胎児に与える影響として、死産・流産・早産・子宮内胎児発育不全などが挙げられます。

重大な疾患にも

梅毒の原因である梅毒トレポネーマは、生まれてくる子供に小頭症・脳内石灰化・水頭症・脳性マヒなどの脳の疾患を起こす可能性が高いだけでなく、てんかん・自閉症・発達障害なども引き起こす可能性があるとされています。

梅毒の陽性反応について

また、早期先天梅毒・晩期先天梅毒ともに治療を行うことで完治することは可能ですが、FTA-ABS法やTPHA法(トレポネーマ血清検査)では梅毒抗体が感知されるので、生涯にわたって陽性反応が出ることになります。

つまり、一生梅毒反応は陽性ということになってしまうのです。

まとめ

ご自分が梅毒の可能性があることを疑った場合には、必ずパートナーにも伝え検査を受けるように促すことはとても重要です。
仮にパートナーから梅毒の検査をすすめられたら、ご自分も受けるようにしてください。

これから、お父さん・お母さんになる若い世代に広がっている梅毒という病気は決して“昔の病気”ではありません。
お子さんの世代に健康を伝えていきましょう。

まずは専門医に相談を

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メディア・記事の監修ドクター:新宿駅前クリニック院長 蓮池林太郎