神経梅毒が怖い!症状と病期からみた分類をまとめました。

神経梅毒の症状とは

梅毒の症状の一つに、脳や脊髄などに梅毒トレポネーマが浸入し炎症を起こす、神経梅毒と呼ばれる症状が存在します。

以前は、この症状は晩期にならないと発症しないとされていましたが、現代の医学によると早期梅毒の時期でも発症する可能性があります。

ここでは、命にかかわるケースもある神経梅毒の症状や発症の時期などについて詳しく見ていきます。

神経梅毒とは

神経梅毒とは、梅毒の原因菌であるトレポネーマが中枢神経系に侵入することで発生する症状の総称です。

神経梅毒は、通常では感染の数年後~数十年後に症状が発症します。しかし、現代の医学でも、どのようなメカニズムで症状が起こるのかは、解明されていません。

また、以前は神経梅毒という症状は梅毒が進行した晩期に発生するものといわれていました。しかし、研究によって感染から数週間~数年でも発症することがあることが判明しています。

病期からみた神経梅毒の分類

神経梅毒は、発生する時期によって病変を引き起こす部位が異なり、その部位によって現れる症状も変わっていきます。

早期神経梅毒

早期神経梅毒は、髄膜や脳神経に症状を発症させるとされています。

発生時期は感染から数週間~数年、病期で言うと第1期、第2期と同時期となり、そのほとんどは無症候性となります。

症状が発症する症候性の早期神経梅毒は、全体のおよそ5%の確率で発症するといわれており、髄膜炎や脳神経炎、髄膜血管梅毒などの症状を発症します。

後期神経梅毒

感染から数年~数十年後の晩期梅毒で発症する神経梅毒は、後期神経梅毒といいます。

後期神経梅毒は、主に脳や脊髄などに病変をもたらします。脳や脊髄に症状が現れると、脊髄癆(せきづいろう)の原因となる、歩行困難、痙攣、麻痺が出るといった様々な症状を発症します。

症状からみた神経梅毒の分類

神経梅毒は大きく分けて3つの症状に分けることができます。

無症候性神経梅毒

早期の時期に現れる神経梅毒を「無症候性神経梅毒」といいます。

無症候性神経梅毒は、梅毒トレポネーマが髄液に浸入することで起こる神経梅毒。髄液細胞の数やたんぱくの上昇など、数値上の異常は認められますが自覚症状はあらわれません。

とはいえ、自覚症状が無いからといって治療をしなくていいというわけではないので注意が必要です。

症候性神経梅毒

症候性神経梅毒とは、早期に発症する梅毒の症状です。

主に髄膜・血管や脳、眼に症状が現れる状態を指し、その後に訪れる後期神経梅毒とは分けて考えられています。

晩期神経梅毒

晩期神経梅毒とは、感染から長期間経った晩期梅毒の時期に起こる「後期神経梅毒」の症状を指します。

後期神経梅毒では梅毒トレポネーマが脳や脊髄に侵入することで、日常生活に関わる様々な症状や命に関わる症状を発症させます。

分類からみた症状の詳細

神経梅毒には、発症する時期で「早期・後期」に分けられること、
さらに症状によって「無症候・症候性・晩期神経梅毒」に分類できます。

症候性神経梅毒と晩期神経梅毒の中から、症状を詳細に分けてその特徴などを説明します。

髄膜型

髄膜型神経梅毒は、感染してから数年以内に発症し、他の神経梅毒と比べて比較的早期に発症することが多いのが特徴です。

急性ウイルス性髄膜炎と同様に、頭痛や発熱といった症状が発症します。髄液の流出路を閉塞させることで、水頭症などの合併症が起こることもあります。

脊髄髄膜血管型

脊髄髄膜血管型の神経梅毒は、横断性脊髄炎を引き起こす神経梅毒です。

横断性脊髄炎とは、脊髄の特定の場所を横断するように炎症が起きる神経障害で、その炎症している箇所によって症状が異なります。
主に起こりやすい症状としては、感覚障害や排泄障害、運動障害などが挙げられます。

脳血管型

脳血管型は、感染から5年~30年程度の晩期神経梅毒の病気に発症します。

この神経梅毒は脳に梅毒トレポネーマが浸入することで、脳梗塞が生じるのが特徴です。脳梗塞発症の際には、数週間前頃から性格が変わる、頭痛を訴えるなどの前駆症状が発症する場合があります。

脳梗塞には、動脈硬化によるものもありますが、神経梅毒によるものと区別するのは非常に困難となっています。

実質型(神経麻痺、脊髄癆)

実質型神経梅毒とは、感染から15年~20年以上経過した時期に発症する梅毒です。

実質型神経梅毒には、様々な症状が現れます。その中でも、特に多く発症するのが以下の2つとなります。

1.神経麻痺

神経麻痺は、脳に炎症が起こり、神経細胞が脱落することで認知障害などが発生する神経梅毒です。

神経細胞が無くなることで、認知症だけでなく記憶の障害は判断力の低下などの症状が起こり、精神疾患と間違われるような異常行動を起こすこともあります。

きちんとした治療を行わない場合、5年以内に死亡するとされています。

2.脊髄癆

脊髄癆とは、梅毒が起こす炎症によって脊髄の後根と後索という場所が委縮していく病気です。

進行が非常に遅いため、梅毒の感染から10年以上の歳月が経たないと発症しないとされています。

脊髄癆を発症すると、背中から足にかけて電気が走るような電撃痛を感じる症状や、感覚の異常、排泄障害などが発症します。

まとめ

感染から数十年後に発症する、晩期神経梅毒は現代の医学進歩によって非常に症例が少なくなってきた症状です。

しかし、神経梅毒は早期に起こることもありますし、HIV感染症の重複感染が起こっていると通常よりも早く神経梅毒に移行することもあります。

取り返しがつかないことになる前に梅毒を完治させるには、早期発見・早期検査・早期治療を心がけ、少しでも違和感を覚えたらすぐに病院に行くことをオススメします。

HIVと梅毒の重複感染についてはこちらでも解説しています。
梅毒とHIV(エイズ)の重複感染に注意!その特徴と関係性について

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