スーパー淋病ってなに?知っておきたい基礎知識から知る

抗生物質耐性のスーパー淋病とは?

今までの淋病といわれる淋菌感染症は、抗生剤の投与によって、完治させることができました。
しかし、効果のあった治療薬である抗生物質が全く効かないスーパー淋病といわれる性病が出てきたのです。
このスーパー淋病とは何なのか、今までの淋病と比較してどのような違いがあるのでしょうか。ここで詳しくみていきましょう。

スーパー淋病とは

淋病との違い

スーパー淋病とは、一般的な淋病と比べて、症状が強く重症化する性感染症です。
淋病の治療方法として用いられてきた、抗生物質である「セファロスポリン系」や「ペニシリン系」に耐性があるため、さまざまな薬物療法によって完治する淋病と異なり、注射や内服薬などの薬剤が一切効きません。

さらに感染力が強力で、スーパー淋菌感染者が発症後、数日経過すると膿毒症(のうどくしょう)を引き起こしてしまいやがて死に至ります。

どうしてスーパー淋病ができてしまったか

淋病の原因となる淋菌は耐性ができやすいために、わずか数年経過しただけで、耐性を持つ耐性淋菌が急増するといわれています。スーパー淋病を起こすスーパー淋菌とは、この薬剤耐性菌のことを指します。
スーパー淋病は、HIVよりも危険だとされる新型の淋菌「H041」が、2011年に京都で31歳の女性から発見されましたが、感染源や感染経路などは明らかではありません。日本では、この感染例しか報告がないようです。
抗生物質や抗菌薬を投与しても治らないスーパー淋病の報告は日本以外にも、オーストラリアやフランスなどヨーロッパであげられていますが、日本で発見されたスーパー淋菌と同一のものかは明らかではありません。

特徴について

スーパー淋病は抗生物質が効かないために、蔓延する可能性が極めて高いとされています。
現時点では、死者の報告はないようですが、スーパー淋菌はエイズと同程度の致死率といわれており、一度蔓延すると多数の死者が出てしまうといわれています。

また、感染力が強大であるために性行為以外でも感染するうえに、スーパー淋病に対する治療法等に効果がある薬剤や対処法もないため、これからの新薬の開発に期待されている状況です。

症状について

スーパー淋病は、感染初期と末期では症状に大きな違いがあります。

感染初期

男性であれば、ペニスに痛みがあるなど何らかの自覚症状があるものの、女性にはほとんど自覚症状が出ないために、気付かないままに病状を進行させてしまいがちです。初期症状は、一般的な淋病と変わりません。

男性の場合

男性が淋病に感染した場合、潜伏期間も短期間であって、排尿する際に、男性器の痛みや尿道から膿が出たり、痒みをともなうなどの症状があるため気づくことができます。

女性の場合

女性が淋病に感染した場合、おりものが増えることや生理不順が起こるものの、自覚症状は特に出ないことが多いために、気づかないこともあります。
そのまま治療せずに放置してしまうと、不妊症の原因ともなりえるので、注意が必要です。

末期に至ると

日本でも発見されているスーパー淋菌「H041」に感染した場合には、膿毒症を発症します。
膿毒症とは、敗血症の一種で淋菌性バクテリアが性器の血中へと侵入した後、肺、心臓、脳や肝臓などのさまざまな部位へと移っていき、化膿してしまう病気のことをいいます。
膿毒症はショック症状も引き起こし、数日後には死に至ってしまう恐ろしい病気です。

今後どうなっていくのか?

WHO(世界保健機関)のガイドラインについて

抗生物質を用いることによって対処できていた病気のなかに、最近ではこれに対して極めて強い耐性を持っているものが登場してきました。これを「スーパーバグ」といいます。
スーパー淋病もこのスーパーバグの一つであり、淋菌の薬剤耐性菌です。スーパー淋菌の他、黄色ブドウ球菌や大腸菌でもスーパーバグが出てきています。

そして新たに、2016年8月30日(水)、世界保健機関(WHO)が1990年代初頭から使われていたキノロン系抗生物質は、もはや世界にまん延しているキノロン系抗生物質に耐性を持つ淋菌に対して推奨できないとしてガイドラインを改訂しました。キノロン系抗生物質に代わってWHOが推奨しているのはセファロスポリン剤と呼ばれる抗生物質です。

出典:https://news.goo.ne.jp/article/gigazine/trend/gigazine-44707.html

この結果、キノロン系の抗生物質に代替するものとして、セファロスポリン剤を推奨されるようになりました。

日本での取組み

日本では、セフトリアキソンという抗菌薬に耐性を持つとされるスーパー淋病が発見されています。京都の症例では、セフトリアキソンを投与したところ、咽頭淋菌が消滅したとのことです。

ですが、既にセフトリアキソンにも耐性を持ってしまっているのではないかといわれています。現在のところ、日本での取り組み自体は明らかにされていませんが、アメリカが開発した新薬をいかに導入できるのかが、一番の課題なのではないでしょうか。

まとめ

スーパー淋病は、極めて感染力・致死率が高い、膿毒症をも引き起こす恐ろしい病気です。また、新たな薬剤に耐性を持ってしまうこともあり、厳重な警戒がされています。
不特定多数の相手と性交渉をしないことが感染率を低下させたり、予防につながってきたりします。
少しでもなにか心当たりがある人は早めに医療機関を受診し、専門家である医師に相談し検査を受け、治療に取り組むなどの対策をとることをおすすめします。

まずは専門医に相談を

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メディア・記事の監修ドクター:新宿駅前クリニック院長 蓮池林太郎